会計士の履歴書
申原 侑祐

株式会社スターシア・コンサルティング

取締役

申原 侑祐

のぶはら ゆうすけ

とにかく目の前のことに一生懸命取り組むことが大事

1988年6月9日生まれ(38歳) 兵庫県出身 韓国在住

甲南大学 経営学部 卒業 2011年合格

申原 侑祐

01

キャリアサマリー

2011 年

甲南大学 卒業

公認会計士試験 合格

2012 年

東証一部上場企業 入社

2013 年

スターシア 入社

2015 年

公認会計士登録、ソウル駐在

2020 年

公認不正検査士 合格

大学が経営学部ということもあり、何となく資格に対する憧れもあったので、勉強が順調にいって会計士や税理士になれればいいなと考えて漠然と簿記の授業を受けていました。

大学の友人達と受験した簿記2級の試験に一人だけ落ちてしまった時はショックでした。でもそのお陰で目が覚めたというか、悔しさをバネに取り組む姿勢を変え、さらに上級の資格を取りたいと考え、公認会計士を本格的に目指すことにしました。

当時なぜか、「将来会計士や税理士になるなら、簿記2級ぐらい軽く合格できないといけない」と考えて、勉強を疎かにして試験を受けていました。今では、目の前のことに一生懸命取り組めない人は、本当に大事な時に本気を出すことなんてできないと思うようになりましたが、当時はそのように考えることができなかったですね。

二次試験合格後、監査法人への就職が難しい時期だったこともあり、東証一部上場企業の財務部に所属しました。この会社も大変良い会社だったのですが、やはり一度は会計事務所で仕事をしてみたいという想いを諦めきれず、会計事務所への転職を決めました。

受験勉強中も、会計士になったら一度は海外で働きたいと考えており、英語圏もしくは韓国で仕事がしてみたいと思っていました。

韓国については、ちょうど会計士の受験勉強をしていた頃に、サムソンやLG、現代自動車といった企業が日本で注目を集めていた時期でした。韓国企業が世界的にも伸びているうえ、韓国のサラリーマンは向上心や野心があり優秀だという話を聞き、将来そんな人たちと一緒に仕事ができれば楽しそうだなと考えていました。

転職を考えていた時期にちょうど日韓に会計事務所を持っているスターシアが採用活動を行っていたので転職し、2年間は日本で監査実務や税務実務を経験した上で、修了試験終了後、2015年からソウルでの駐在生活が始まりました。

ソウルに駐在してからは、日本企業対応や韓国の税務実務にも触れ、特に最近は韓国語もできるようになったので、日韓M&Aに関わる財務DDやバリュエーション業務、さらに不正調査等の実務にも直接関わることができ、充実した毎日を送っています。

また逆に韓国で知り合った韓国の会計士や韓国企業から、韓国企業の日本子会社の会計監査等の仕事を受けることも増えてきました。

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人での経験は、ソウル駐在前の非常勤での2年間の監査経験のみですが、先輩にも恵まれ、色々なことを経験し、勉強させて頂きました。
合格当時は、受かったら監査法人に行くと思っていたものの、就職環境も厳しくその願いは叶いませんでしたが、だからこそできる経験をたくさん積んで、監査法人ではない会社に行って良かったと思えるようにしようと考えていました。
実際、26歳から海外駐在し、現地の事務所にいる唯一の日本人として様々な経験ができたのは、本当によかったと思っています。仕事ができる・できないは、能力的な部分ももちろんありますが、いかにいい経験を多く積むかという部分がもっと重要だと思うので、26歳からソウルで駐在して得た経験は、本当に貴重です。

申原 侑祐さん

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今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在のメインの仕事は、日系企業の韓国進出及び韓国拠点運営のサポートです。また最近では、逆に韓国企業の日本進出や進出後の会計監査等の業務も行っております。
また最近、個人的に多く対応している業務は、M&Aに関する財務DDやバリュエーション業務、不正調査、内部監査のサポート等となります。営業段階から直接関わり、提案書を作り、受注し、現場調査のコントロール及び実務の対応、報告会、報酬の請求まで一連の業務を全て自分で担っています。
韓国に駐在した当初は、韓国語も難しく、また実務的な経験も浅いことから対応できなかった業務を、今では自分で考えてコントロールして対応できるのは、本当にやり甲斐もあり、また成長を感じられます。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、若い時期から海外に駐在して様々な経験を積めたことだと思います。またどのような業務でも何らかの経験になると考えて積極的に挑戦できることです。
海外に駐在していると会計税務だけではなく、人事労務や法人の運営等について様々な相談をお客様から受けることがあります。この結果、会計士としての枠にとらわれず、様々なニーズに対応できるようになったと思っています。
このように海外に駐在していると多様な依頼が来ることがありますので、「会計士だから会計と税務以外は対応しない」という考えではなく、何でも経験になると思って挑戦する気持ちが重要だと実感しています。
海外で仕事をすると、日本の常識では考えられないことや、事務所内で誰も経験したことがないような新しい側面に立ち向かわなければならない時があります。このような場合にも前向きに挑戦できることが私の強みでもあり、この結果、色々な経験を積むことができました。こういった強みは、日本で仕事する時にも必要ですが、海外での業務を行う上ではより必要なものではないかと思います。

申原 侑祐さん

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

喜怒哀楽が大きいタイプなので、心はよく動いているのですが、お客さんの質問から期待(ニーズ)を読み取って対応した結果、お客様から感謝された時は、役に立ててよかったと嬉しい気持ちになります。
恐らく仕事は、大小の違いはあってもこの繰り返しで、お客様の期待があって、それに対応することだと思います。
最初は、経験不足からうまく対応できないことも多くありましたし、今でも新しい仕事をする時は、期待に応えることが難しい場合もありますが、お客さんの期待を把握して、少しでも喜んでもらえるように、役に立つように考えて対応するように努めています。そのプロセスには、とてもやり甲斐を感じます。
海外進出の場合、勝手がわからないので、お客さんも何を相談したらいいのか、何が論点となるのか、把握することができていないケースも多くあります。このような場合に、お客さんからヒアリングして、論点の洗い出しや整理、それに対する対応方法等を説明し、お客さんの意思決定に貢献できた時は、達成感を感じることができます。

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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

監査法人を経験せずに日韓関連の仕事をずっとやってきたという点で、一般的な会計士と異なったキャリアを歩んできたので、その点については何度か悩んだことがあります。
乗り越えたというわけではないかもしれませんが、目の前の仕事に一生懸命取り組むことで、自分を鍛え、色々な経験を積んでいく中で、このような悩みもどんどんなくなっていったように思います。
また何か一つの道で一生懸命やって結果を出すことができれば、きっと他の道に行ったとしてもこの経験は活用できるし、無駄になるようなことはないと考えることもできるようになりました。
選択した結果をどうするかは、自分次第ですので、このような選択をしてよかったと思えるように自分自身で懸命にやっていくしかないと思っています。

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人生の目的と公認会計士という資格

人生の目標ではないかもしれませんが、一生懸命取り組めるようなやり甲斐のある仕事をしたいとはずっと思っていました。
大学生になった頃、部活もしなくなり、アルバイトをしては遊ぶだけという時期がありました。その後、会計士の受験勉強を始めてからは、勉強が大変で遊ぶ時間は少なくなったものの、たまに友人たちと遊ぶ時にこれまで以上に楽しむことができたと感じました。
この時に「人間は、何か一生懸命やることがないと、毎日遊ぶだけでは充実した生活を送ることができないんだな」と感じたことを覚えております。
こういった経験から、社会人になっても一生懸命取り組めるような仕事をしたいと思っていました。
もしかしたら、会計士以外の仕事でも同じように一生懸命取り組んで、やり甲斐のある仕事ができていたかもしれませんが、現在の仕事は学ぶことも多く、日々楽しく仕事に励むことができています。
働き方改革が話題となっている今の時代には合わないかもしれませんが、新しい仕事のために週末も勉強したり、報告書の締め切りのために残業したり、週末に仕事をすることも前向きに取り組むことができております。
最近の楽しみは、同僚やお客さん、友人達とお酒を飲むことですが、一生懸命仕事した後に飲むお酒は本当に美味しく楽しいものです。やり甲斐を持って仕事ができる会計士という資格は、私の人生にとってとても大事なものですし、会計士になってよかったと思っています。

申原 侑祐さん

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これから成し遂げたい事、将来の夢

今後やっていきたいことはたくさんありますが、特に、不正調査に関する業務に注力したいと思っています。これまでも不正調査業務を行ってきましたが、やはり海外拠点はブラックボックス化しやすいので、まだまだ隠れた不正があるのではないかと感じることが多くあります。海外拠点での不正については、防止や発見する仕組みも整備されておらず、また発覚した場合の対処方法も確立されていないことが多いので、そのような対応ができれば日系企業の役に立つのではないかと思っています。またこのような背景から、今年公認不正検査士の資格も取りましたので、今後本格的に対応していく所存です。
また将来的には、韓国に限らず、他の国でも日系企業向けに海外拠点の運営管理等に関する仕事ができるようになりたいと思っています。韓国で得た経験は、他の国でも生かせると思いますし、他の国での新しい経験が、韓国の仕事にも生かせると考えています。

申原 侑祐さん

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

キャリアについては、正直よくわかりませんが、とにかく目の前のことに一生懸命取り組むことが大事だと思います。
よく学校の勉強が将来役に立たないなどという話を聞くことがありますが、役に立つかどうか悩む前に、一生懸命やってみることが大事です。精一杯やって壁を乗り越えて結果を出した経験があれば、将来、自分のやりたいことをやる時にも同じように取り組めるのだと思います。将来一生懸命頑張れるために、今その訓練をしていると思えばいいのではないでしょうか。
私もソウルに駐在して得た経験は、今後、どのような仕事をしたとしても活用できることがたくさんあると思っています。
やりたいことが決まっている人もまだ決まっていない人も、将来やりたいことができた時に全力で取り組めるように、まずは目の前の仕事や勉強に取り組むことが大事です。そして、いい経験をたくさん積める場所を早く見つけて、将来に向けてたくさん仕事をすることが自分の糧になると思います。
会計士受験生の方々も早く合格して、社会に出ていい経験をたくさん積んで欲しいと思います。資格を取ること自体は通過点に過ぎないので、資格を取った後は、会計士だからこそできる仕事をたくさん経験して、専門家としての能力を磨いていって欲しいと思います。