会計士の履歴書
中村 友美

EY新日本有限責任監査法人

第3事業部 マネージャー

中村 友美

なかむら ともみ

すべてが成長の機会として前向きに捉え、喜びを感じながら仕事をする

1991年6月25日生まれ(35歳) 東京都出身 東京都在住

日本大学 経済学部産業経営学科 卒業 2017年合格

中村 友美

01

キャリアサマリー

2014

一般事業会社(電池・電子部品メーカー) 入社

2016

新日本有限責任監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人) 入社

2017

論文式試験合格

2019

公認会計士登録

私が公認会計士という資格を知ったのは中学生の時でした。家族でよく行っていたカフェの店員さんが公認会計士試験の受験生であったことをきっかけに公認会計士という資格を知り、その方の人間性から公認会計士に憧れを抱くようになりました。

高校は普通科へ進学し、大学1年生のときから公認会計士試験の勉強をはじめました。予備校に通っていたものの、アルバイトや趣味に没頭してしまい、短答式試験を合格できずに卒業を迎えました。卒業の際、勉強を続けるか働くか悩みましたが、実務の面から会計を学びたいと思い、原価計算のあるメーカーの経理を志望して就職活動を行い、電池・電子部品メーカーへ就職しました。

そこでは財務経理部主計課に所属し、連結決算・予想・予算・中期経営計画の作成業務、開示書類の作成業務、監査対応業務を行いました。受験勉強として学んでいた会計を実務で使うことで、「会計は会社の行動を数字に表したことである」という理解が深まり、特に連結会計や開示については、受験や監査実務においてアドバンテージになりました。この2年半の経理実務の経験は、何にも代えがたいとてもよい経験になったと思っています。経理として働きながらも、常に公認会計士になりたいという思いがあり、大学時代の予備校のテキストを読んだり、過去問を解いたりして公認会計士の受験は続けていました。そんな折に、働きながら公認会計士試験の合格を目指せるEY新日本有限責任監査法人の監査トレーニー制度の募集を知り、転職を決意しました。

2016年に監査トレーニーとしてEY新日本有限責任監査法人へ入所し、電子部品メーカーの監査業務に携わりながら、再度予備校に通い公認会計士試験の勉強を開始しました。試験勉強の開始当初は答練で0点ばかりの日々が続きましたが、2016年12月の短答式試験、2017年8月の論文式試験に合格し、また合格前の経理・監査の実務経験によって実務補修所を1年に短縮したため2018年12月の修了考査で無事合格し、2019年7月に公認会計士登録をしました。

論文式試験の合格後は、電子部品メーカー、飲食業、小売業などの様々な企業の監査に携わっています。またIFRSで作成された財務諸表の監査や、PCAOB(米国公開会社会計監督委員会)基準の監査も経験することができました。2019年10月にはシニアに昇格し、上場企業やリファーラル監査の主査としてチーム運営や、より難易度の高い監査業務に取り組んでいました。

2022年10月にはマネージャーに昇格し、エンゲージメントマネージャーとして、新たな視点で監査業務に取り組んでいます。

02

監査法人に入所することを選択したきっかけ

大学在学中に試験に合格できず、一般事業会社の経理へ就職した後も公認会計士の資格を取得したいと思いながら働いていた私にとって、EY新日本有限責任監査法人にある監査トレーニーという制度が、中学生の時からの夢である公認会計士の資格取得を実現するには一番の近道になると思い、入所を決意しました。
EY新日本有限責任監査法人の監査トレーニー制度は、繁忙期も含め残業が禁止であったり、試験前に有休とは別に休みを取得できたり、週の勤務日数を減らすこともできたりと、勉強の時間を確保することが可能です。また、仕事では論文式試験合格者と同じように監査補助業務ができるため、実務に触れることで様々な角度から理解を深めて応用問題への対応力を身に着けられると考え、より合格へ近づけると思いました。特に私は、時間に余裕があるときよりも、時間に限りがあって焦っているときの方が集中できるタイプであったことからも、働きながら試験勉強をする監査トレーニー制度は私の性格にも合致していると思い、EY新日本有限責任監査法人を志望しました。
実際に監査トレーニーとして働きながら勉強をしていると、入所前に聞いていた通り、勉強するための時間が確保されており、予備校へも通学することができました。また、仕事内容が試験の内容に直結するため、仕事中にも取り扱っている論点の教科書を思い出して、教科書に書いてあることと実務がどういう風につながるのかを考えながら取り組むことで、仕事の品質の面、また試験勉強の理解や定着の面どちらにも、よい影響を及ぼしていたと思います。

中村 友美さん

03

監査法人での仕事の内容、特徴、キャリアパス

私は監査法人で監査業務を行っており、現在は多様な産業のクライアントを主に5社担当しています。法人の事務所で手続を行うこともあれば、クライアント先に往査すること、棚卸立会のために出張することもあります。入所前は、監査は会社が作った期末決算資料に対して行うため、期中は何をしているのかわかりませんでしたが、月次で締めたフロー情報は期中から監査手続を行ったり、内部統制の整備状況・運用状況を行ったり、できることは前倒して期中に手続を行っているため、監査は年間を通じて行っていると知りました。
監査という仕事の特徴は、期限があり、専門性が高く、失敗のできない責任感や緊張感もあり、また毎年新しい経験ができるという点だと思います。そのため、仕事をする上では常に前向きな考え方で取り組むことを意識しています。この考え方を得られたのは、監査トレーニーとして時間の限られた中でよい成果を出すという経験をしたからです。「仕事をしているから勉強時間が取れない」と考えるのではなく、「仕事も試験勉強に役立つし、監査や会計の理解がより深まるからアドバンテージにできる」とポジティブに捉えることで、成果がよりよいものになると気づくことができました。また能力面では、監査業務は財務諸表が適切に作成されているかどうかについて心証を得るために手続を行う仕事のため、心証を得るという目的のためにどのような手続きをすればよいかを考えて実行するという、論理的な考え方を得ることができました。
2019年にスタッフからシニアに昇格して、大きく変わったのは主査業務を行うようになったことです。主査は先回りをして道を作って通りやすいように綺麗にしておくような仕事が求められ、スタッフは主査が作った道を通っていたのだと気づかされました。この先回りをするためには、知識や能力としては監査の1年の流れやクライアントへの理解、会計や監査の知識が、意識としては責任感や気遣いが求められるのではないかと思います。これからは、より通りやすい綺麗な道を作れるようになりたいと思い、先輩や上司の姿を見て学んでいます。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、一般事業会社での経験と、監査トレーニーとして働きながら公認会計士試験に挑んだ経験です。これらの経験により、知識や能力だけでなく、何よりも精神面での強みを得ることができたと思います。
一般事業会社では、財務諸表や開示書類を作成するために必要な情報を収集してミスなく作成をするということが、どれだけ大変であるかを、経理という仕事を通じて体験しました。また、研修や同僚との会話を通じて、会社がどのような部署で構成されているのか、製品の製造がどのように行われているのかを知ることができました。経理経験からは、会計とは会社の行動を数字に表したものであるということをより深く理解でき、実務においても、財務諸表を作成するときに自分がどのようなミスをしてしまったか思い出すことで、会計処理のミスを見つけることができるなど、強みとなっています。また、研修で製造ラインに入って製品の製造を行った経験や、技術職の同僚に研究内容について聞いた経験により、監査で工場往査や棚卸立会をするときに、クライアントの方と専門用語での会話ができ、より効率的に仕事を行うことができました。
監査トレーニーとしての経験からは、限られた時間で働きながら受験勉強をすることで、効率的に物事を進めることと、前向きでいることの大切さに気づくことができました。監査トレーニーは定時で帰ることが絶対であるため、割り振られた仕事を時間内で終わらせるために、その日のタスクを列挙して、それぞれに目標の作業時間を決め、効率を一番に考えながら仕事をするようにしていました。また受験勉強においても、予備校の先生に各科目の勉強の時間配分を相談し、優先度の高い教科や自分の理解が弱い教科にかける時間を多くして、どの教科の何を何時間勉強するのかという1日の詳細な予定を1か月分作り、効率的に点数を伸ばしていく方法を模索しました。このような経験から、受験勉強だけでなく監査においてもいかにして効率的に物事を進めるか、と考えて行動する癖をつけることができました。また特に、前向きでいることで結果もよりよいものになると気づき、精神的に強くなれたのもこれらの経験があったからです。

中村 友美さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

私が公認会計士試験に合格した後に、PCAOB基準の監査をやり切ったときは、非常に達成感を覚えたとともに、監査という仕事の面白さを感じ、心を大きく動かされました。PCAOB基準の監査は、財務諸表が適切に作成されているかどうかの心証を得るために求められる水準が高いことや、米国市場に上場している企業の監査を行う監査法人への検査のため、英語での調書作成を求められ、通常の監査に加えてより多くのことを学ぶことができました。それまで考えてこなかった視点からリスクを捉えることや、より詳細な文書化が求められることで、毎日新しい発見の連続で、監査の奥深さをより知ることができました。好奇心が旺盛で新しいことを知るのが好きな私にとって、監査という仕事の面白さを強く感じることができ、またそれとともに、厳しい監査をやり切ったという達成感や充実感を強く感じました。
その他では、クライアントが開催したギネス記録の達成イベントに参加したことも強く印象に残っています。クライアントの従業員ではなく監査人として携わっているだけではありますが、監査人として様々な会社に携わることでクライアントに対する仕事への責任感を強めることができました。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

私は仕事に関連して深く悩んだこと、というのはありません。それは、普段から、仕事に対して前向きに考えること、仕事とプライベートを分けて考えること、を意識しながら仕事をしているからだと思います。
仕事に対してどのようなことも前向きに考えるようにしていると、悩むようなことに遭遇しても、そのことをポジティブに捉えることで悩みにはならず、自然と解決策を実行できるようになると思います。例えば、「仕事の量が多くて大変」という悩みも「仕事で成長できる機会が多くて嬉しい」とポジティブに捉えることで、悩みではなくなります。このようにして、同じ事実も考え方を変えて悩みを作らず、楽しく仕事をするようにしています。
また、仕事とプライベートを分けて考えていることから、仕事で起きた問題も仕事の一部であるとし、プライベートの主観的な悩みになってしまうのではなく、客観的に捉えて冷静に解決策を考えることができています。
これらの考え方から深く悩むということがなく、すべてが成長の機会として喜びを感じながら仕事ができているのだと思います。

07

人生の目的と公認会計士という資格

私の人生の目的は、「楽しい毎日を送る」ということです。この目的を掲げている理由は、仕事の時間も楽しさを感じながら生きていきたいという思いがあるからです。公認会計士という資格は、仕事の時間も楽しいと思えるきっかけを作ってくれるため、人生の目的の達成に役立っていると思います。
公認会計士の資格が仕事の時間を充実させていると感じるのは、専門性が高く、仕事の範囲も広いため、毎日新しいことに出会える監査法人での仕事ができるからです。好奇心が旺盛で、知らないことを知れたときに喜びを感じる私にとって、とても充実した楽しい時間を送ることに役立っています。また、監査法人での仕事は、日々の生活でドラマを見ていることがクライアントとの会話で役立つときがあったり、学生時代のアルバイトの経験がクライアントとの話で役立ったりと、日常生活を含めてすべてのことが仕事にもプラスになっており、すべての時間を充実させることにつながっています。そのため、公認会計士という資格は私の人生の目的の達成にとても役立っていると思います。

中村 友美さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

私の将来の夢は、グローバルとデジタルに強い公認会計士になることです。
私は幸運なことに、金商法監査や会社法監査だけでなく、SECへのファイリングに対して行うPCAOB基準の監査業務や、IFRSで作成された財務諸表の監査業務にも携わることができました。以前からグローバルに活躍できる公認会計士になりたいという思いがありましたが、その思いを上司含め法人内の様々な方とキャリアの話をする際に伝えていたことから、PCAOB基準の監査などに携わることができたのだと思います。PCAOB基準のクライアントを経験するまでは、具体的な近い将来の夢が描けていませんでしたが、この経験でアメリカのEYで監査経験のあるマネージャーと一緒に仕事をしたことをきっかけに、より厳しい基準の監査をアメリカで経験したいという思いが大きくなりました。EYはグローバルファームのため、海外への出向もしっかり努力をすれば叶えられるチャンスがあります。そのため、監査トレーニーとして働きながら試験勉強をしていた経験を活かして、自らの語学のスキルアップを含め日々努力をしていきたいと思います。
また、今後は効果的かつ効率的な監査のためにAIなどを活用した監査が発展していくと思われるため、デジタルに強い公認会計士になりたいと思っています。EYはデジタル監査に力を入れているため、積極的にデジタル監査を取り入れることや、システムでの業務改善を率先して行いたいと思っています。

中村 友美さん

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス:「理想の自分」に近づくにはまずはこのアクションをしよう

「理想の自分」に近づくには、まず「理想の自分」を思い描き、そこから逆算をして、どうすれば「理想の自分」に近づけるかを具体的に考えて行動をする、というのが効率的でよい方法だと思います。
逆算するにあたっては、「今の自分」を客観的に自己分析して、「理想の自分」と「今の自分」を比較して何が乖離しているのかを確認します。そして、この乖離をなくしていくためにはどういう能力が必要かを考えて、対応策を具体的に挙げていき、優先度を判断しながら実行していきます。実行するときは、監査論のリスク・アプローチのように、「理想の自分」と「今の自分」に乖離の少ない部分に対しては時間をかけ過ぎず、大きく乖離している部分により多くの時間をかけることで、より効率的かつ効果的に「理想の自分」に近づけると思います。
特に会計士受験生の方には、アウトプットから理解不足を探して苦手をなくしていくこと、自らの意見を考えてから質問をすることの2点をお勧めしたいです。大学在学中に合格できずEY新日本有限責任監査法人の監査トレーニーとなり合格できた私の経験から、大学生の時に足りなかったものは、アウトプットと能動的に勉強することであると思いました。試験に合格するにはアウトプットができなければならず、また答練などの問題が解ければ合格できるのであれば、そこから苦手を探す方が効率的であるからです。また理解できないところを予備校の先生などに質問をするときは、「私は〇〇だから△△と思うのですが、なぜ間違いなのでしょうか。」というように、自分の意見を考えてから質問をすることで、間違えた理由の理解が進み、定着すると思います。試験に合格するとキャリアの可能性が広がりますし、努力したことは自信にもつながります。前向きな気持ちで頑張ってください。