会計士の履歴書
長谷川 宗

EY新日本有限責任監査法人

第3事業部 パートナー

長谷川 宗

はせがわ つかさ

成長企業の伴走者として、世界に羽ばたく起業家を支えるプロフェッショナルを目指す

1979年7月27日生まれ(47歳) 千葉県出身 東京都在住

早稲田大学政治経済学部経済学科 卒業 2002年合格

長谷川 宗

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キャリアサマリー

2002

早稲田大学政治経済学部経済学科 卒業

公認会計士二次試験合格(会計士補登録)

中央青山監査法人入所

2007

新日本監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)に入所 製造業を中心とする監査業務に従事し、IPO準備会社の監査も担当

2011

EYシンガポール事務所に出向 JBS(ジャパンビジネスサービス)所属 日系企業の会計監査、アドバイザリー業務を担当。駐在時に日系企業のシンガポール証券取引所の上場プロジェクトをサポート

2013

日本に帰任 監査部門所属 グローバルに展開するテクノロジー・メディア企業の監査を担当。経済産業省のプログラムでシリコンバレーへ訪問した際に、起業家やエコシステムとの出会いから、世界規模のスタートアップ企業を日本から輩出したいと決心し、IPO支援へ転向

2014

企業成長サポート室、クロスボーダー上場支援オフィスを兼務 テクノロジー企業を含むスタートアップ企業のIPO支援を担当

2016

EY Entrepreneur Of The Year(EOY)運営事務局に参画 世界の優れた起業家を表彰するアワードプログラムの運営を通じて、世界的な起業家の成長ストーリーを日々学んでいる

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監査法人に入所することを選択したきっかけ

大学2年生の半ばころ、自分の進路を考えた際に、何か専門的な知識を身につけたいと思ったことがきっかけで、本格的に公認会計士の資格の勉強を始めました。
もともと商社やメーカーなど、海外に事業展開する会社に就職して、世界各地で働いてみたいという想いがあったので、資格取得後は海外ネットワークを持つ大手監査法人に就職する道を選びました。
EY新日本を選んだ理由としては、何か明確なものがあったというよりは、リクルーターやパートナーの方とお話しする中で、ここでは会計だけでなく、税務やアドバイザリーの様々なプロフェッショナルが集まっていて、自分の会計士としてのキャリアにおいても選択肢が広がることがイメージができたからです。
まずはこの組織の中で、海外ファームを含めてできるだけ多くの経験を積み、その後にもともと志望していた商社や独立の道を考えてみようと監査法人の門をたたきました。

長谷川 宗さん

03

監査法人での仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在、年間業務の約6割を監査部門にて上場企業やIPO準備会社の監査業務に従事しています。過去担当したクライアントは消費財などのメーカーが中心で、アパレル、ゲーム、お菓子、医療機器、石油・化学、外食業など10を超える様々な製造現場を見てきました。
そのような業種を担当していると、製品が世に流通する過程を自分の目で見ることができるので、会社担当者の製品に対する想いや成果を実際に店舗などで体感し、また監査の中で見る決算数値と店舗で自ら得た体験をリンクさせることで、活きた数値として身近に感じることができました。
例えば新作ゲームも、ゲーム雑誌に載っている批評やランキングをチェックしながら売上分析調書を作成するといったような感じです。
社内外で実体験したことを基に自分で仮定を設定し、実際の決算数値を比べて、予実の分析の中で、更に新しい発見をしていくという作業は、クライアントビジネスのダイナミズムを実感する瞬間でもあります。
IPO準備会社の監査では、会社の作成したものをレビューする、というよりも指導的機能をフルに発揮して一緒に作り上げていくという感覚があり、業務フローや統制の設計に関して、自分の知見を活かして指導することもあれば、IPOに向けた経営課題について、経営者とひざ突き詰めて議論することもあります。時には理解を求めて粘り強く説得をすることもありますが、それは、IPOが企業にとっての通過点にしか過ぎず、グローバルに成長を加速するためには確固なガバナンス体制が必要だからです。それができるのも、グローバル企業としてのあるべき姿を熟知する、このファームならではのことです。

監査業務のほかに、世界に羽ばたく起業家を支援したい、日本がリードする新たな産業創出に貢献したいという想いから、法人内で企業成長サポートセンター、クロスボーダー上場支援室、EOY運営事務局という組織での活動をしています。
企業成長サポートセンターは、創業期の企業、IPOを目指す企業、新たなイノベーションを志向する企業に、成長過程に応じた課題解決をサポートする組織なのですが、私はここでアーリーステージの会社へ設立相談、資本政策やストックオプション設計にかかる支援、株式公開のためのショートレビューなどを業務として行っています。また、国立大学における大学発ベンチャーの外部協力者として経営相談や学生起業家の支援を行っています。
クロスボーダー上場支援室は、海外起業家の国内上場サポート、国内企業の海外上場サポートを支援する部署で、ここでは上場準備支援のほか、執筆活動などの情報発信を行っています。

またEYには、EY World Entrepreneur Of the Year(以下EOY)という、世界の優れた起業家へのアワードプログラムがあり、私はその日本大会の運営事務局にて、エントリー企業の募集活動や、審査・大会の運営などを行っています。EOYは起業家個人にスポットライトを当てた表彰制度で、この取り組みに携わることで世界を代表するような起業家にもそこにたどり着くまでの成長ストーリーがあり、それを支えてきた支援者がいるということを実感できます。そして、いつか日本からもそのような起業家を輩出したいという想いを常に持ち続けています。
こういった業務は、私の希望に対して上司の皆さんが様々な機会を下さり、キャリア形成につながったものであり、そういった意味でも今の組織には大変感謝をしています。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

強みと呼べるかはわかりませんが、昔から、興味があることが見つかると「とりあえず走ってみよう」と衝動的に動き出すところがあります。そういった点では、フットワークが軽く、現状の枠組みにとらわれずに素直に実行に移せるタイプだと自己分析しています。
EYシンガポール事務所での駐在時代は、現地に事業展開する日系企業をサポートするため、アシュアランス・税務・アドバイザリー・トランザクションの4つの分野において現地のEYプロフェッショナルと共にサービスを提供する「ジャパンビジネスサービス」という組織で活動していました。当地は、ほぼ全ての会社が法定監査の対象となっていることもあり、数え切れないほどの会社を担当していました。お話しするのは現地法人のマネジメントの方が多く、会計・税務の枠を超えて毎日のように様々な経営課題に関する相談をいただきました。また、監査チームからの問い合わせや問題解決のためにクライアントと現地EYチームとの間を奔走していましたが、未経験のことが殆どで、まさに、「とりあえず走ってみてから考えよう」を地で行く生活をしていました。
アクションを繰り返していくうちに周りの環境が展開し始めて、最初は見えなかった解決策が見えてきたり、結果として解決できなかったことも、私の努力の過程をクライアントの方が認めて感謝の言葉を頂いたりすることもありました。このような出来事や、PDCAサイクルを高速でまわし続けたことで培われた問題解決やコミュニケーションのスキルは、今の私の財産になっています。
また、クライアントとの成功体験の共有、会社が成長していく過程に貢献することで、自分の成長を実感し、それ以来、企業の成長変革を求める経営者のパートナーになりたいと思うようになりました。

長谷川 宗さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

私にとって心が大きく動く瞬間とは、他人の成長に自分が貢献し、それにより自分の成長も実感できた時です。
以前、US企業からグローバル事業の事業譲渡を受けたクライアントのPMI支援業務に参加する機会があり、会計アドバイザリーメンバーと合同チームを組成して、米国に3ヶ月ほど滞在し、現地子会社のシステム統合作業や決算・報告プロセス整備、JSOX体制整備・文書化のサポート、さらには、現地監査チームとの監査体制整備のためのコミュニケーションを行いました。
カーブアウト後のグローバル事業部門を、親会社の財務報告プロセスに統合するため、決算スケジュール、月次や四半期決算タスク、それを実行するための人員計画の策定など、現地子会社や親会社の経理チームと、イチから見直していきました。収益認識などの会計処理をシステム設計に反映する、各プロセスで求められるコントロールの識別を、JSOXの文書作成に反映するため、細部にわたる議論を繰り返しました。異国の地で、時には深夜まで作業が続くとてもハードな業務でしたが、PMIを完了した時にクライアントやチームメンバーと共有した成功体験、また、クライアントの成長に大きく貢献できたという充実感は、今でもはっきりと覚えています。
また、この経験を通じてもう一つ実感できたことは、会計監査人の仕事は机上で決算数値と帳簿とチェックすることというイメージを持っている方も多いかと思いますが、それは一つの側面に過ぎないということでした。
監査を受入可能な体制をつくるということは、会社の財務報告体制やガバナンス体制を整備するという側面もあり、このような業務も会計監査人としての役割の一つであると考えるようになりました。そのような広い枠組みで捕らえると、会計監査人の仕事はとても広い可能性があると思います。
監査は会社のインフラの一つであって、会社の機関でもある会計監査人を中心に、チームスタッフ、海外ファームメンバー、IT・税務専門家、さまざまなプロフェッショナルが共同して作り上げる、それが会社の成長に寄与していると信じていますし、実際にやり遂げた瞬間には、大きな充実感があります。
これは、資格保有者である会計士、そして、グローバルファームである大手監査法人にいることの最大の魅力だと思います。
成長や変革を目指す企業の監査インフラを支えることは何でも提供できる、そんな信頼関係を築けるような、プロフェッショナルチームを作りたいと思っています。

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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

会計監査人の業務は責任の大きい仕事ですので、企業不祥事が起こり、これに対する監査法人への批判を目の当たりにする時、自分はこの重責に耐えられるのか、とキャリアを続けていくことに悩むこともあります。しかし、それを乗り越えてこられたのは、会計監査という仕事に強い社会的な意義を感じているからです。会計監査は会社の成長に必要不可欠なキードライバーであり、誰にでもできる仕事ではないからです。

また、スタートアップで働く方に囲まれて過ごしていると、ビジネスへの熱意や成長意欲の強さに刺激を受けることが多い一方で、自分は今の環境で果たして成長できているのだろうか、という焦りを感じることがあります。

監査法人の中にいると、公認会計士という個性を見逃してしまいがちですが、数多くの会社とお話をする中で、クライアントが自分を頼りにしてくる時、やはり自分は会計・監査のプロであるということに気づきます。今の自分の個性に磨きをかけ、自信を持つことが大事だなと改めて感じています。

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人生の目的と公認会計士という資格

仕事は人生の多くの時間を費やすものだからこそ、私は仕事を通じて自己実現を果たしたいと強く思っています。私にとっては、プロフェッショナルとして社会に貢献していくというのが一つの自己実現の形なのですが、その想いは経験を重ねるにつれ、大きくなっていると感じています。
近年は、新しい技術や素材、サービスがスタートアップから芽生え、大企業との連携で成長し、新しい産業が創出される時代です。世界をリードする産業やその産業を代表する世界的企業が日本のスタートアップから生まれてくることを期待しています。
私は、イノベーション創出そのものに関わることができるかはまだわかりませんが、そのイノベーションの芽が育ち、大きな事業に成長する過程にプロフェッショナルとして貢献することができると思っています。公認会計士という資格は、会計監査人として企業に深く関わることができるもので、目に見える信頼の形です。そして、それに見合うだけの研鑽を続けなければなりません。
自分の成長という意味でも、様々な経験にチャレンジして、自分にいろいろなタグをつけていきたいですが、公認会計士としての資格は組織の中でも自由に、やりがいに向かって行動できる武器でもあります。

長谷川 宗さん

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これから成し遂げたい事、将来の夢

IPO支援や成長企業のサポートを通じて、夢をもって頑張っている人や素晴らしい能力を持った経営者と出会え、毎日とてもワクワクしています。
これからも、自分の得意分野である会計・監査の経験を活かして、多くのスタートアップが世界的企業に成長していく過程にできるだけ多くの貢献をしていこうと思います。
そして、私の関わってきた起業家の中でもしEOYの日本代表となり、世界一の起業家として表彰される方が出るとしたならば、それが私の夢が叶う瞬間かもしれません。
また、企業がクロスボーダーに活躍することで、国家のみならず、企業が世界的な社会問題を解決する可能性を持つようになりました。漠然とした目標ですが、そのような企業の取り組みに、クロスボーダーに活躍できる会計監査人として、一翼を担っていくことができたらとも思います。

長谷川 宗さん

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

公認会計士の世界には、多様な活躍の場があり、様々な企業や人と関わることができますので、将来、経営者としてイノベーションを創出する人にもなれれば、プロフェッショナルとしてそれを支える人にもなれます。
キャリアを模索している皆さんには、まずは一歩ずつ、自分の興味に率直にアクションしていくことをお勧めします。小さな変化を重ねていくうちに、通常では得難い経験が舞い込んでくることがあり、それが自分を大きく成長させてくれることと思います。
私はドラスティックに環境を変えることが得意ではなかったので、身の回りの興味のあることに何でも飛びついて、声がけできる方一人ずつに自分の関心ごとを伝えていました。それが新しい人とのつながりを生み、今の仕事につながっています。
グローバルな会計事務所では、本当に多様なプロフェッショナルがいて、自己実現の場が用意されています。皆さんも、数え切れないチャンスにぜひ飛び込んでみてください。