会計士の履歴書
水野 智博

株式会社グローバル・リンク・マネジメント

経営企画室 経営企画室 次長

水野 智博

みずの ともひろ

ベンチャー企業に評論家はいらない。自ら率先して行動することでプレイングマネージャーを実践

1977年12月23日生まれ(48歳) 愛知県出身 東京都在住

一橋大学 社会学部 卒業

水野 智博

01

キャリアサマリー

2005

監査法人トーマツ(現:有限責任監査法人トーマツ)入社 金融インダストリーグループにて、銀行監査に従事。

2012

愛知製鋼株式会社入社。内部監査に従事。

2014

某ゲーム関連ベンチャー企業に入社。最初の2年は経営管理業務全般、残りの2年は経理をメインとして業務に従事。

2018

株式会社グローバル・リンク・マネジメント入社。経営企画業務に従事。

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人時代は銀行監査に従事していました。その当時は同期と飲みに行くと「いつまで事務所にいる?」といったようなことも話していたことを記憶していますが、別に将来のキャリアについて真剣に考えていたわけではなく、「今の仕事が面白いわけでもなく、本当に我慢できなくなったら仕事がないわけでもないし、転職も選択肢としてはあるかな。」程度の考えしかありませんでした。

そんな折転機となったのが、自分が監査に従事していたクライアントが他の銀行と合併することとなり、合併後の銀行を他法人が監査することとなり、事務所内での仕事がなくなってしまったことでした。その時にはじめて自分の今後のキャリアについて真剣に考えるようになりました。そして転職を決意し、同時に大好きな地元の名古屋へのUターンも実現させたのが、愛知製鋼への入社でした。

愛知製鋼では内部監査に従事しておりました。事業会社ならではの経験も積めましたが、同時に「監査」という意味では監査法人時代の仕事と変わらず、自分の成長という点において強い危機感も持つようになりました。そんな折、あるイベントでとある会社の社長に出会います。その社長は、東京ではよくあるような短期間で会社をスケールアップさせIPOまでもっていく会社を名古屋でも作りたいと話していました。私は単純なので非常に面白いと思い、その社長に「チャンスがあったら働かせて欲しい」と言いました。その2か月後にその社長にお声掛けいただきました。そしてその社長の会社への入社を決めました。それが次に転職した某ゲーム関連ベンチャー企業でした。
某ゲーム関連ベンチャー企業では経営管理部を発足させ、経営管理に関わる仕事を何でもこなしました。まさにドベンチャーでした。某ゲーム関連ベンチャー企業では何ラウンドも資金調達を重ねました。ただ、明るい業績は一向に見えず、IPOは程遠く見えました。「このままでは自分のキャリアが終わってしまう!」と危機感を持ちました。そしてまたしても転職を決意しました。そして現在のグローバル・リンク・マネジメントに入社しました。図らずもまた東京に出てくることとなりました。

水野 智博さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

今現在の仕事は経営企画になります。具体的に申し上げますと、予算編成、予算統制といったところが今の仕事の大きな柱になっています。その他にも会社からいただいている「お題」はあるのですが、それだけ取り組んでいればよいということではないと理解しています。実は会社は東証マザーズに上場したばかりで、私が今所属している経営企画室も私の入社と同時に発足した部署であるため、今の仕事は定型的に定まっているわけではありません。また会社はこれからも大きく成長していくと思いますし、自分のミッションもその時々に合わせて大きく変わっていくと思いますので、臨機応変に対応していかなければならないと考えています。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私は仕事で特に心掛けていることというものが1つあります。それは評論家にならないということです。責任を持って発言すること、提案するのであれば自分がちゃんとコミットするといったことです。またそのことと多少関連があるかもしれませんが、一度は自分の手を使って作業をする、体を使って腹落ちさせるということを心掛けています。私は不器用なタイプなのかもしれません。ただ、よく分からないからすぐ外注しようという発想を持つ人はちょっと違うなと思ってしまいます。ベンチャーで働いているのにそういう発想になってしまう人にはなおさら違和感を感じます。もちろん業務効率を考えればそうしなければならない場面は多々あると思いますが、自分が経験できる貴重なチャンスを逃してしまうことになりますし、そういう態度ではいつまで経っても自分の頭で考えられるようにならないと私は考えています。

そういう姿勢で仕事をしてきた結果、経営管理全般については一通りできると自負しています。ベンチャーCFOでしたら務まるスキルを持っています。
このようなマインド・スキルが私の強みです。

水野 智博さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

あまり具体的に書き出すと誹謗中傷になってしまうので避けますが、事業会社に入ってからは仕事で関わっている人に対して本気の怒りを感じることが多くなりました。真剣に仕事をしていない人や責任ある立場にいるにも関わらず低い目線しか持てない人に対してです。監査法人にいる時には感じたことがない感情です。たぶん監査法人にいる時は真剣に仕事をしていなかったのだと思います。

ちょっとネガティブな感情面のことを述べましたが、ポジティブな感情面についても述べますと、自分の仕事が会社の資金調達に貢献できたときは非常に感動を覚えました。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

事業会社に入って活躍される公認会計士も増え、公認会計士が評価される記事も多く見受けられるようになってきたと感じます。ただ、私自身はまだ公認会計士に対する世間の評価は低いと思っています。
ベンチャーCFOで公認会計士の方も少なくないですが、まだまだ絶対数は少ないと思います。公認会計士のCFOの世間的な評価はそれ程高くないように感じられますが、自分も含めて能力的に公認会計士が劣っているとは私には到底思えません。このような状況を乗り越えるには、仕事でひとつひとつ実際に成果を上げていくしかないと思っています。今もそれを実践しているところです。

07

人生の目的と公認会計士という資格

人生は楽しく過ごしたいと思っています。それには最低条件としてある程度は経済的にも余裕が必要になります。私の人生において、今のところ公認会計士という資格は経済的に恵まれた仕事にアクセスするのに役立ったと思っています。
また人生において仕事の時間というのは大きな割合を占めることとなりますので、自分が満足の行く仕事に就くというのは人生を楽しく過ごすために大きな要素になってくるように思います。
私は図らずもこれまで3回転職しています。私が今まで経験した4社全て異なる業界です。今の会社の前の直近2社は在籍期間が短かったですが、2社とも毎日充実した日々を過ごせ、この2社に籍を置けてよかったなと感じています。公認会計士の資格がなかったらこのような全く異なる業界への転職はできなかっただろうなと思います。

また公認会計士資格を持っていることで、同じ資格を保有している素晴らしい先輩、後輩に出会うことができました。監査法人を辞めた後の方が同じ資格を保有している者同士のつながりをより強く意識するようになり、良い出会いが多くなったと思います。公認会計士という資格を持っていることで人生が楽しくなった一面であると思います。

水野 智博さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

目先は今の仕事をひとつひとつ確実にこなしていきたいと考えています。当たり前のことですが、それしかキャリアでの成功への道のりはあり得ないからです。

あと会計の勉強をちゃんとやっていこうと思います。現状会計とは関わりのない仕事も増えており、意識的に勉強するようにしないと会計の分野で取り残されてしまうと危機感を感じています。このようなことを書くと「最終的に経理部長になりたいのね」と言われそうですが、そうではなく、公認会計士資格を保有しているものとして人並以上に会計に関する知見を備えておくのは当然だと考えています。
以上のような地道な積み重ねをしていけば、しかるべきポジションに辿り着けるものと信じています。そしてポジション的にも経済的にも成功する、それが将来の夢です。

水野 智博さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

会計士としてキャリアをスタートさせる場所として、監査法人がやはり最適ではと思っています。その理由は、下記の通りです。
①さまざまな会社の会計処理、ケースに携わることができ、会計に関する知識、経験を自分の血肉とすることができる。
②ロジカルに考える、説明する訓練を積むことができる。
③監査法人が考えていることを体得できる。
シニアの中盤ぐらいになれば、監査に関する限りパートナーと同じ目線で仕事できるようになると思いますので、それ以降ネクストキャリアを模索すれば良いと思います。

また監査法人の外に出てキャリアを積む設計をしているのであれば、そんなに長くいるのも良くないと思います。その理由は下記の通りです。
①長くい過ぎると先生仕事の匂いを消し去ることができなくなる。
②監査法人のキャリアは大概の場合、ネクストキャリアにおいてサラリー面では評価されない。
③自分が目指しているキャリアの経験を積む時間がその分短くなる。

ネクストキャリアとして事業会社を考える人もいるかと思いますが、時間のある若い人であればいきなり事業会社に入るのではなく、FAS・戦略系コンサルティング会社に入るのもいいのではと思います。事業会社で財務会計だけやっていれば務まるなんてことはまずありえません。CFOになろうという人であれば、社長と他の経営陣と対等に議論し意思決定をしていかなければならないので、財務会計以外の付加価値をつけておかなければならないのは尚更だと思います。
私は実際にFAS・戦略系コンサルティング会社で働いた経験はないですが、働いた経験がある方から何人もお話を伺ったところ、良い経験を積めたという方がほとんどで、羨ましくもあります。