会計士の履歴書
宮部 将孝

PwC Japan有限責任監査法人

金融事業部 銀行・証券グループ シニアマネージャー

宮部 将孝

みやべ まさたか

派手さより、誠実な一歩を。金融×会計の現場で、期待に応える力を積み重ねていく。

1990年3月29日生まれ(36歳) 茨城県出身 東京都在住

中央大学商学部会計学科 卒業

宮部 将孝

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キャリアサマリー

2012年4月

あらた監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)入所

2015年7月

国内大手上場企業の経理部に出向

2017年10月

PwCあらた有限責任監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)に帰任

2023年4月

PwCシンガポールに出向

2025年4月

PwC Japan有限責任監査法人に帰任

私は2012年にあらた監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)に入所して以来、銀行・証券会社をクライアントとする監査部門でキャリアを積んできました。軸足は一貫して「金融×会計」です。銀行等の金融機関に対する財務諸表監査・内部統制監査に加え、会計・内部統制・規制関連のアドバイザリーにも幅広く携わり、暗号資産や電子決済といったFintech領域の案件も数多く経験してきました。

監査法人の“監査部門”に所属しながら、監査とアドバイザリー業務の両方を担当してきたこと、そして、大手日系・外資系金融機関の財務諸表監査を一貫して担当する“王道のキャリア”ではなく、金融系スタートアップ企業の支援等を含めさまざまな経験を重ねてきたことが私のキャリアの特徴です。「金融×会計」を軸にしつつ、これまでの多様な経験で培った視点を武器に、クライアントに対して私なりの価値を提供することを考えながら業務に従事しています。

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キャリア選択のきっかけ

茨城県の自営業の家庭に生まれた私は、受験とは無縁の子ども時代を過ごし、姉の母校でもあった地元の公立商業高校に進学しました。
 将来会計の仕事に就きたいといった志があって商業高校を選んだわけではなく、姉が良い学校だったと言っていたため、深く考えずに進学したにすぎませんでした。
 しかし、入学してみると簿記はもちろんのこと、ありとあらゆる資格の取得を奨励していて、勉強してみるとどれも面白く感じました。 
公認会計士という職業を意識し始めたのは高校3年生のときです。私は部員ではなかったものの、商業高校ということもあり、母校には部活に簿記部がありました。運動部に全国大会があるように、簿記部にも全国大会があり、簿記部はそこで一定の成績を納めることを目標にしていました。その年は偶然全国大会に出場する選手が足りず、助っ人を頼まれたことがきっかけとなりました。
 大会に備えて、卒業後に税理士や公認会計士になったOB・OGが後輩たちを相手に対策講義を行ってくれました。生身の公認会計士、税理士の姿を間近で見ることができただけでなく、中には予備校の講師の方もいてお話を伺えたことで、どのような職業や進路なのかがイメージできました。今やっていることを真面目に続けていけば、その先にこの職業がある。そう思って公認会計士を目指すことにしました。
 公認会計士になるのなら大学は商学部だと思い、中央大学商学部に入学しました。中央大学には経理研究所という学内でのダブルスクールがあり、公認会計士試験合格を目指す学生の多くがここに入って合格を目指します。熱心な講師陣と同じ志を持つ仲間に恵まれたこともあり、大学2年生で公認会計士試験に合格することができました。
 私が就職活動を行った当時は就職氷河期と呼ばれる時代で、どの大手監査法人も採用数を絞っていました。当時一緒に勉強していた友人の多くも就職活動に苦戦する中で、1番最初に内定の連絡をもらったのがあらた監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)でした。高校3年生のときから公認会計士以外の職業など考えたことがなかった私を、あの時代に採用してくれ、私を必要としてくれたことへの感謝の気持ちは今も変わりません。

宮部 将孝さん

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今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

あらた監査法人に入所後、最初に配属されたのは金融機関の監査を担当する部署でした。最初の担当クライアントは外資系投資銀行の日本法人。クライアントの担当者や幹部、その取引先にいたるまで外国人ばかりの環境でした。私は英語に苦手意識もあったため、慌てて語学学校に通い始め、クライアントとのやり取りで分からないところを必死に調べる日々を過ごしました。
その後、国内の地方銀行の担当として3年を過ごしましたが、事業会社の監査を担当する部署から、とある上場会社の経理部への出向を打診されました。その会社は会計基準をIFRS(国際財務報告基準)に変更したばかりで、M&Aにも積極的で、多くの子会社を持っていました。私はその会社の経理部で連結経理を担当しました。
 実は私は学生時代に連結会計の面白さに目覚め、卒論も「連結会計制度の変遷」をテーマに選んでいました。当時はまだ大手監査法人の中でもIFRSに対応できる会計士は少数派だったため、IFRSで財務諸表作成の実務を経験できただけでなく、もともと関心があった連結会計業務にも従事できたことは良い経験となりました。
 充実した2年間の出向期間が終わって古巣の金融部門に帰任すると、今度は金融サービスを提供しているIT企業の監査担当になりました。その会計基準がIFRSだったため、出向期間中に身に付けたスキルが生きました。
IT企業が提供する金融サービスは、その事業・サービスの特性から、次々と解決しなければならない課題が出てきます。目の前の仕事を必死でこなすうちに6年もの月日が経ちました。
 そんな折、入所当時に10年後の自分が国際舞台で活躍している姿を思い描いていたことをふと思い出し、海外出向に志願しました。上司が強く推薦してくれ、PwCシンガポールへの赴任が決まりました。
 PwCシンガポールでは現地のローカル企業の監査と、シンガポールに進出している日系企業のサポートをするジャパンデスクの業務を兼務しました。ジャパンデスクは基本的に日本語での対応となりますが、監査は現地の企業がクライアントなので英語で対応し、特に英語を聞く力は磨かれたと思います。シンガポールで充実の2年間を過ごし、2025年4月PwC Japan有限責任監査法人に帰任しました。
ここまでのキャリアを通じて多様な経験を積むことができましたが、自分自身が全く経験したことのない業務であっても、チャレンジすることを後押ししてくれた周りの皆さんの期待に応えたいという想いが、常に私の原動力になっていると思っており、必要とされている場所で働きたいという想いを持ち続けたことが私のキャリアパスの特徴であったと思います。
私が大きな課題や困難を抱えているときに、常に手助けを提供してくれた人たちがいたというのも非常に大きかったと思います。同じ部署だけではなく、他の部署や他のPwCのメンバーファームの方々にもとても助けられたと思っています。これからは私も、同じように何か大きな困難に直面している人がいたら、何かしら手を差し伸べられるような存在になりたいと思っています。
また、PwCには誰もが参加できるクラブ活動があり、テニス部の活動に入所以来ずっと参加しています。社内外の交流や人脈づくりにもつながる貴重な場だと感じていて、私がPwC Japan有限責任監査法人で長く働いているモチベーションの1つとなっています。

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あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

明確に自覚しているものはありませんが、新しいことへの対応力かと思います。キャリアの中で事業会社への出向は偶然が重なったからこそ得られたチャンスでしたが、そこでIFRSの実務やIFRSで財務諸表を作成する実務を手掛けることができました。偶然得た機会を私は「新しいスキルを身に付けることができるチャンス」だと捉えることができ、新しいことを覚えることも楽しかったです。この出向がなければ、金融サービスを提供しているIT企業の監査という新分野を手掛ける機会も得られなかったと思いますし、シンガポールへの出向機会もなかったかもしれません。

現在は、金融機関向けの会計監査に従事しつつ、内部統制関連のアドバイザリー業務を中心に担当しています。アドバイザリー業務では依頼人の立場に立って、依頼人が抱えている課題をどのように解決するのが良いのかを常に考えながら業務に取り組んでいます。依頼人が抱える課題や依頼内容はさまざまであり、提供するサービスの内容は案件によって異なります。依頼内容が曖昧であったり、自分が経験したことのないような業務を担当することもあったりしますが、これまでの自分の経験が糧となり、何らかの価値を提供することができると信じています。

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

心が動いた瞬間は多くありますが、事業会社への出向から戻った後、金融サービスを手掛けるIT企業を担当していた時は特に心が大きく動きました。
 とにかくやっていることが新しく、今までのノウハウだけでは到底解決できない課題が次から次へと浮上してくるため、PwCグローバルネットワークのメンバーファームに相談することも多かったです。状況の説明と知りたいことを英文で送付して回答をもらうというやりとりが何往復にもなることがありますが、提出期限もあるため、時間との戦いになります。
 監査は1人で終わらせることは絶対にできず、チーム一丸となって重要な間違いを見逃さないように神経を張り巡らせる必要があります。それだけに、期限通り無事仕事を終えたとき、チームのメンバーと分かち合う達成感は格別です。

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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

最も悩んだことは、PwCシンガポールに出向し、ジャパンデスクのメンバーとして日系金融機関の支援を行っていた時に、なかなか思うようにビジネスデベロップメントとプロジェクトディベロップメント(BD/PD)の役割を果たせなかったことです。
 依頼人の抱える課題を理解し、それを解決するためのソリューションを提案することが主な役割になりますが、当時の私は会計監査や会計アドバイザリー業務の経験しかなく、それ以外のソリューションに関するBD/PDのイメージが湧いていませんでした。加えて、出向当初は現地の日系金融機関の方々とのリレーションもなく、言語的・文化的な違いから現地のPwCのメンバーとも連携ができておらず、効果的なBD/PD活動を行うことができませんでした。
しかし、ジャパンデスクのメンバー(PwCコンサルティング合同会社やPwC税理士法人からの出向者を含む)やシンガポールの周辺国のPwCのジャパンデスクのメンバーがさまざまなアドバイスや情報を提供してくれ、徐々に能動的に動くことができるようになり、成果も出るようになってきました。そうして一生懸命に取り組んでいるうちに、現地PwCのメンバーとも良好な関係を構築することができるようになったと思っています。

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人生の目的と公認会計士という資格

どちらかと言うと私は不器用なので、何でも要領良くこなしたり、人とのリレーション構築が得意なタイプではないと思っています。そのような私が何らかの形で社会へ貢献するということを考えた場合、公認会計士という資格を持っていることには意味があると思っています。公認会計士という資格は1つ1つの積み重ねが報われる職業です。目の前の仕事に誠実に、懸命に取り組むことが唯一自分のできることだと考えていますので、公認会計士という資格自体が非常に自分の性に合っていると感じています。

宮部 将孝さん

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これから成し遂げたい事、将来の夢

これまで壮大な人生設計などは立てたことがなく、ひたすら目の前の仕事を必死にこなしてきました。その中で、就職氷河期の時代に新人として私を受け入れてくれ、機会を与えてここまで成長させてくれたPwCという環境には大変感謝しています。
 私は、自分と同じように新しいことへチャレンジしようとしている方を手助けできる人になりたいと思っています。特に若い世代の人材を育成し、より活躍できるような環境を作っていくことにも注力していきたいです。
 また、これまでの自分自身の経験を踏まえ、依頼人の抱える課題1つ1つを誠実に解決していくことが、他者への価値提供になると考えています。
 これまでの自分のキャリアを通じて社内外のたくさんの方に助けていただいたので、今後は、他者を親身にサポートすることでその恩返しができると良いです。

宮部 将孝さん

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

私は公認会計士を目指すと決めた高校3年生の時から今に至るまで、公認会計士以外の職業は考えたこともない人生を送ってきましたが、公認会計士資格によって、私は自信と言えるものを得られたように思います。公認会計士の資格があることで、人から期待をしていただき、その期待に応えるべく目の前の仕事に誠実に一生懸命に取り組んできました。その結果、多様な経験を積む機会に恵まれたと思います。
 自分の関心のあること、やりたいことを仕事にするということも大事ですが、必要とされている場所で働くということも必要な観点だと思っています。監査法人において採用活動に関与したことや若手職員のコーチングを担当した経験もありますが、若手の中には、自分自身のやりたいことができるかどうかという点を強く意識されている人を多く目にします。自分自身のやりたいことを明確に持っているということは非常に素晴らしいことだと思いますが、やりたいことだけをやるのではなく、周りの人から期待されていることや必要とされていることにも感度を高めて、チャレンジしていってほしいと思っています。
昨今、公認会計士の活躍の場はどんどん広がっています。上場会社の監査人、事業会社の財務経理担当、コンサルタントなど、どの業務も公認会計士資格を持つ専門家だからこそ期待されるものだと思います。
 期待され、期待されたことにチャレンジし、達成する喜びを味わえる。その良いサイクルが、公認会計士という資格の魅力なのではないかと思います。