
邑南町役場
邑南町しごとづくりセンター(おおなんBiz) センター長
三浦 伸太郎
みうら しんたろう
「非」公認会計士として歩む自分の進むべき道。少しでも多くのアウトプットを社会に還元していく
1979年6月17日生まれ(47歳) 愛知県出身 島根県在住
グロービス経営大学院大学 卒業

01
キャリアサマリー
あずさ監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)名古屋事務所入所
ワタナベコメディスクール放送作家総合コース入学
ワタナベコメディスクール放送作家総合コース卒業
あずさ監査法人退所
三浦伸太郎公認会計士事務所開業
ジョブちぇん株式会社設立
グロービス経営大学院大学入学
全国公募でおおなんBizセンター長に選ばれる
ジョブちぇん株式会社廃業
おおなんBizセンター長就任
グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士取得)
現在に至る
小学3年時より親の株式投資に興味を持ち始め、ファミコンで株式投資について学ぶ。獣医師の父のもとに生まれながらも、自身は犬と猫が苦手であったため、親の後は継げないだろうと幼少期から諦めていた。高校時代にはアパレルショップを開業することを夢見ていたが、自分にとって一番興味のある分野が経営や株式投資であることに気づき、一念発起して会計士試験に挑戦し始める。
2005年にあずさ監査法人に入所し、金商法監査、会社法監査を中心に、IPO業務、包括外部監査、私学助成法監査など幅広い業種の監査に従事。社外活動として、公認会計士協会士補会東海会幹事、公認会計士協会愛知県会役員を歴任。2014年に監査法人を退職し、同年7月にレンタルスペース運営や起業家支援を中心とした業務を行う株式会社を設立し、経営者となる。
2014年7~8月にかけてオレゴン州ポートランドにて生き方・働き方のインタビューを敢行し、自らの生き方・働き方について改めて見つめなおす。2015年からは、MBA取得を目指し大学院生となり、経営者、会計事務所としての業務と3足のわらじを履き始める。
2016年7月に現在の師匠にあたる小出宗昭氏の著書『地元の小さな会社から「稼ぐ力」を掘り起こすワンストップ・コンサルティングの実践』と出会い、f-Biz(中小企業の経営相談や起業支援を目的に富士市が開設した「富士市産業支援センター」の略)モデルへの強いあこがれを抱くようになる。2017年7月におおなんBizセンター長に全国公募で選ばれ、同年10月より晴れてf-Bizモデルのセンター長として歩み始める。
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
2005年にあずさ監査法人名古屋事務所に入所し、金商法監査、会社法監査を中心に、IPO業務、包括外部監査などに幅広く従事。会計士試験受験を通じて自分自身が監査や財務諸表論のような会計理論よりも経営学が大好きなのだと気付いた。
だが、会計士試験を突破するうえでは、配点の低い一選択科目に過ぎない経営学の勉強には時間をかけられず、いつかは経営学を学びたいという悶々とした想いを抱え続けたまま監査法人でのキャリアをスタートさせた。
新人時代にとある現場のセカンドインチャージを任されたが、そのクライアントは後に不適切な会計処理で問題になってしまった。当時は新人で現預金や借入金などの科目を担当していただけで、問題となった処理に関わる科目は他の上司たちの担当であったため私自身のアウトプットに非があったわけではないが、名刺交換したクライアントの従業員の方が容疑者として報道されるのを目にした時は大変なショックだった。
入社3年目に会社法監査のインチャージを任されると、翌年には東証一部上場企業の金商法・会社法監査のインチャージを担当するようになり監査一巡のプロセスをハンドリングしていく経験を積むことができた。入社4年目までには税金・税効果も含めすべての勘定科目に対して監査手続をすることもできたため、監査法人で経験できることについて深さはまだまだではあったものの一通り経験して一区切りついた感触を得た。
その後、様々なクライアントの業務に従事させていただく中で気が付いたのは、上場企業や大規模な会社ほど自前で多くのことをできてしまうので、中小企業の方が私たち会計士の指導や助言などがより必要なのだということであった。
しかし、監査法人の内部で評価されるのはビッグクライアントの業務に携わり監査契約を継続したうえで監査品質を向上させていくことの方であり、監査法人が受け取る報酬も当然ビッグクライアントからの方が多いのである。
個人的には中小企業相手の方が、自分の知見で役に立てることが多いのでやりがいは断然あると思いながらも、中小よりも大企業が前提の監査法人という組織と自分個人がマッチしていないという違和感を抱くようになっていった。
そもそも監査法人から見た中小企業は、日本全体の企業群の中でみれば決して小さくはなくむしろ大きい方なわけで、名もなき小さなチャレンジャーこそ本当に困っている人たちではないのかと気が付けるようになっていった。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
現在は、おおなんBizという公的な中小企業支援機関のセンター長として従事している。おおなんBizを含む全国各地のご当地ビズは、通称「ビズ・モデル」と言われる。10年前にスタートし、現在は全国約20の地方自治体が導入し、導入を検討中の自治体も増えている。ビズ・モデルの中小企業支援においては、「カネより知恵を出して“流れを変える”」、「面談重視“1時間1本勝負”」、「問題点より“いいところ探し”」が大きなポイントになっている。
センター長は30代から50代が多く、前職のキャリアはバラエティに富んでいる。私の場合は、たまたま公認会計士という資格を持っているが、「資格よりもビジネスセンス」という観点で全国公募した中から選ばれている。
1時間という人間の集中力の限界の中で、特に傾聴することによって、問題点の指摘よりも、むしろ本人が気付いていないセールスポイントを発見していく。それをベースにしながら、具体的に生かす方向性を決める知恵を出していこうとするモデルである。
中小企業は、ヒト・モノ・カネのすべてに課題を抱えている場合が多い。その中で中小企業の売上を上げていくことにコミットし、知恵を絞ってお金をかけなくてもできる打ち手を考え、小さなイノベーションを起こしていくのが我々の仕事である。
このように経営相談に応じる経営コンサルタントとしての業務が主たる仕事だが、おおなんBizセンター長は、この組織の経営者としての役割もあるため、相談件数の増加のためのPR、セミナーの企画・運営、各連携機関との折衝、視察対応なども担当している。
この他にも起業セミナーの講師、『しごとバー』のゲストバーテンダー、自治体から依頼を受けての講演、地元ケーブルテレビでのレギュラーコーナー担当、マーケティング講師など、さまざまな仕事を行ってきた。
セミナーの企画・運営においては、おおなんBizチャレンジセミナーとして藻谷浩介を招聘し、藻谷氏の講演の中で掛け合いを演じることもできた。視察も大小さまざまではあるが、現公明党幹事長の斉藤鉄夫先生にも視察していただき、おおなんBizの取り組みについてプレゼンし、斉藤先生からの質問にお答えするなど貴重な経験ができている。地方創生大臣との意見交換も行うことができ、はじめてのことばかりだが新しくチャレンジングで貴重な経験ができている。
Bizモデルのセンター長は全国公募で選ばれるが、約100~400名の応募者を書類審査でふるいにかけ5人にしぼった後で最終審査を行って選出している。特徴的なのは、学者や資格持ちが選ぶのではなく、地域の事業者が実際に相談したいことを候補者にぶつけて一番相談したいと思える人を選んでいる。
年収1,200万円の単年度契約という契約形態も特徴的である。あたかもプロ野球の助っ人外国人のように初年度から活躍できなければいきなりクビになってしまうことさえ覚悟しなければならない厳しいものである。だが、だからこそプロとしての厳しさと向き合って仕事ができているのかもしれない。
04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
今現在の仕事では、①ひらめきを課題解決に結びつける「ビジネスセンス」、②信頼を構築し、行動に結びつける「コミュニケーション力」、③相談者のために行動する「情熱」の3点が強く求められている。その中で、①「ビジネスセンス」については先天的に独自の強みがあると自信を持てるところである。
私の母方の伯父2人が今もなお作曲家として活躍しており、母方の祖父も音楽家だった。彼らと同じ血が流れており、クリエイティブな仕事をしている人と幼少期から関わる中で培われたビジネスセンスが公認会計士の中では出色なのではないかと感じる部分である。
また、③「情熱」についても小学生の頃から児童会長を務めるなど活発に活動してきたことで自信を深めて来た強みだといえる。一方で、②「コミュニケーション力」については、先天的に優れていたわけではないが、監査業務で「聴く」、「傾聴する」ということを身に付けてきた自負はある。加えて、裏付けを示すことで腹オチさせたり、動機付けしたりできるようになることを現在の仕事の導入研修の中で身に付けてきた。
このように、今現在の仕事においては上記①~③のように必要な資質がはっきりしている中で、私独自の強みと、後天的にキャッチアップしてきた資質で成果に結びつけているわけである。
加えて、私と同様に公的産業支援機関のTOPを務める人たちとの比較で言えば、公認会計士として監査法人で身に付けた知見が独自の強みになっている。具体的には、多くの業種について知っていることが多いこと、全体像を俯瞰して見たり比較分析などを容易にできたりすること、数字に強いことなどであるが、これだけに留まらず公認会計士としてのキャリアが後押ししている部分は非常に多いと言える。

05
仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
私が仕事をしている中で、心が大きく動いたと感じたのは、やはり相談に来た事業者の方が元気になって帰っていく姿を見られた時だ。おおなんBizに経営相談に行くと売上UPするというのを一義的には目指しているわけだが、究極的には、相談に来てくださった事業者の方の人生を好転させることができるのがこの仕事の醍醐味であるため、その状態を作れた時は感動を得られる。
実際に売上がUPしたという相談事例はわかりやすく周囲にも評価されやすいのだが、おおなんBizにリピートして相談してくださっている事業者の方が、少しずつでも変わってきている、前向きになってきていると感じられた時はとても嬉しい気持ちになれる。
また、監査にしても税務にしてもクライアントに喜んでもらうことはできるが、制度で規定されているため仕方なくクリアしなければならない中でクライアントの不便を解消しているという性質であるのに対して、現在の売上UPにコミットした中小企業支援の仕事においては便益を増やしているという感覚が得られている。
どんな事業者でも、今よりも自分のビジネスや活動をよりよくしたいという想いは根底に抱いており、その実現のための知恵出し・アイディア出しをし、具体的な提案をし実行に結びつけていけることにやりがいを感じることができる。
06
公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
私は、公認会計士法第1条に謳われている「国民経済の健全な発展に寄与する」という公認会計士の使命について、監査法人に在籍していた頃には、自分がそれを果たせているという自信が全く持てなかった。そもそも「健全な」発展というものがどういうものかモヤモヤし続けていた。
現在の資本主義経済において、企業の発展のために人間を手段として取り扱う状況が圧倒的に多いと感じられる。そのような経済が健全なものだとは到底思えなかったため、「健全な」経済を実現したいと思ったが、監査法人に勤め続けている以上は、それが実現不能ではないかと思えた。
公認会計士の仕事が、数字を読んで「はい、合格です!」、「これだったらOKです!」とお墨付きを与えるだけ、追認するだけの制度に成り下がっていないかという疑問を常に抱いた状態で監査法人に勤務しており、それは監査法人を退所しても乗り越えることができなかった。国の制度に守られ、金融庁の監督下に公認会計士が存在し、制度で解決しようというレールが敷かれている状態が果たして健全なのだろうかと葛藤し続けていた。
加えて、公認会計士として監査や財務・税務という分野に関わっているとクリエイティビティを発揮できる場面に乏しいという点も深く悩んだ点だ。試験勉強を頑張って良い点を取ることもそれなりに得意だが、クリエイティブな発想・思考ができる点も自分の強みだと思っていたので、このまま前者の能力を換金して生きるような生き方を続けることに対する疑問を抑え込むことはできなかった。
たった一度の人生だから、やりたいことやったもん勝ちだと思い切って、自分の信じた道を進むことで、この点については乗り越えられたと感じている。
命を使うと書いて「使命」であるわけだが、私は、人生の目的として少しでも多くのアウトプットを社会に還元しようとする中で、自分の命をどう使ってそれを成し遂げていくのかを日々模索したいと考えている。だが、その道筋が明確に見えているわけではなくtrial and errorを繰り返す日々である。
公認会計士として使命を果たせていないという感覚は、未だに乗り越えられたとは思っていないが、このような既存の公認会計士の枠組みを超越した「非」公認会計士として取り組んでいくことを決意し、独立し、グロービス経営大学院で経営学を学んだり自らの志と向き合ったりする中で、少しずつ自分の進むべき方向性が見つかり始めてきた。
07
人生の目的と公認会計士という資格
私の人生の目的は、三浦伸太郎という人間がこの世に生を受けたことによって、少しでも多くのアウトプットを社会に還元できた状態を作って死ぬことである。現代では、ビジネスパーソンの機会の格差が拡大する一方だと感じるが、公認会計士の資格があるだけで機会を得やすくなることがあると感じており、この点は大いに積極活用していきたいところである。
人生の目的がある中で、生活費を稼げなくなったら目的達成する前にゲームオーバーになりかねないのは誰でも同じわけだが、公認会計という資格を保持していることが、保険として非常に効き目があるという点は大いに意識している。
つまり、最悪、公認会計士の資格を活用し、公認会計士のスタンダードな業務をする働き方に戻れば生活をしていくうえで困らない可能性が高いため、このような手段を持ちえない他のビジネスパーソンと比較して、圧倒的に自分のやりたいことへのチャレンジをしやすい状況を作り出せているのだといえる。
公認会計士の資格があれば社会に多くのアウトプットを還元できるわけではないが、公認会計士試験で自ら考え合格に至ったプロセスや監査法人での経験から得たものは人生の目的を果たすうえで非常に有用だと感じている。
1年でも早く合格するという目的に対して目的志向を徹底し、手段が目的化していないか自分を俯瞰できるようになったのが会計士試験で得た最も大きなものだった気がする。もちろん、毎日努力し続けるという姿勢も他の受験生たちの姿勢から学んで自分のものにすることができた。
監査法人でも全体像を俯瞰して比較・分析する能力を高めることができた。これは、社会に横たわっている課題を発見したり、自分なりの問いを立てたり、その問いに対して立てた仮説を検証するプロセスを繰り返していくうえで非常に役立つ能力だと確信している。これは、公認会計士という資格があったからこそ培ってくることのできた能力だと断言できる。
一方で、ビジネスの最前線で個別具体的に解決を図るべく行動したり、トレンドを読んで適応していったりする能力は、監査法人に勤務していた時には高めることができなかったと自省するところだ。個別具体的な行動をできるか否かが社会にアウトプットを出せるか否かを決める最大の要素であると感じるし、環境変化の激しい現代においてはトレンドへの適応力も極めて重要な要素だと感じている。
ゆえに、監査法人退職後にグロービス経営大学院で経営学を学び経営学修士(MBA)を取得し、最も泥臭いビジネスの最前線だと実感できる中小企業の現場に戦いの場を移して総合格闘技で勝負し始めたのが今の私である。
今後は、ビジネスセンス、コミュニケーション能力をさらに磨き上げることで、公認会計士が社会から期待されてきた役割だけではなく、自ら感度の良い問いを立てて解決していけるような、公認会計士の枠に収まらない「非」公認会計士として1つのロールモデルをつくりあげていくつもりだ。
私がビジネスの最前線で活躍し、新しい価値を生み出すことによって、頭脳明晰だが自信がなかったり行動力がなかったりして歩みを止めている同業者たちをビジネスの最前線に引きずり出す役割も果たすことを通じて、私1人の直接的なアウトプットにこだわり過ぎずに間接的な影響から生まれるものも含めてより多くのアウトプットを社会に残していくことを人生の目的として成し遂げていきたい。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
私が成し遂げたいのは、公認会計士の能力がもっといろいろな分野・状況で発揮される社会に変革していくことだ。会計士試験の受験生時代、監査法人時代を通じて感じたのは、周囲に頭の良い人がたくさん集まっていてすごいなーということだった。
一方で、ここまで同じところにそのような人たちを集めておくのは社会的・経済的には損失なのではないかと感じるようにもなった。21世紀になってから情報化社会が進展したことも影響しているかもしれないが、高学歴層が大企業勤務以外の働き方を選択し、成果を出す事例がかなり増えて来たと感じている。
本来は頭の良い人材の多い公認会計士が思考停止・感情停止しているとしたら非常にもったいない話であり、他の分野に飛び出してこれまで実務を通して得た知見をアウトプットにつなげて行って欲しいと思っている。
私自身も、自分自身のキャリアのタグを増やし、その掛け算でオンリーワンの人材となって自分だからこそ出せる価値を出して仕事し、社会に少しでも多くのアウトプットを産み続けていきたいと思っている。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
私がアドバイスできることは、迷ったらやってみようということだ。公認会計士の資格を保持していること、また監査業務など会計士にしか得られない知見を貯めていることはオリジナリティが高いため、生活の糧を得ていくうえで非常に有用な保険となり得るのではないか。
監査法人のような公認会計士ばかり集まっている環境に居続けると、そのオリジナリティを認識しにくくなってしまうが、公認会計士というだけでありがたがられる環境はいくらでもある。私自身も愛知県からIターンして島根県邑南町で働いているが、この町には公認会計士が一人もいなかったため、いきなり移住した瞬間からオンリーワンになれたのである。誰もできないことができて地域社会のインフラとして機能できるという喜びも得やすかった。
公認会計士の資格を取れれば一生安泰という価値観もかつてはあったのかもしれないが、人生100年時代でテクノロジーの進展も目覚ましくAIに代替される可能性も指摘されている現代においてはおそらく通用しない価値観ではないかと思う。
どうせ安泰じゃないのであれば、留まり続けることこそリスクで、挑戦し続けて適応していくことの方を選択すべきだと私は強く感じている。
私の場合は、地域の中小企業の売上UPを通じて雇用創出や税収増加などによって地域を活性化させられる究極の地方創生に携われているわけだが、このような地方創生コンサルタントを目指すうえでは、公認会計士の資格を持っているだけ、監査法人での経験だけは難しいといえる。
キャリアを模索する会計士の皆さんには、日々、色々なものや事象に興味を持ち続け、アンテナに引っかかったものをその場でスマホを使って、家に帰ってPCで調べて答え合わせをしていくことで本質を抽象化して自分の中にストックしていくというアクションをオススメしたい。
そのためにはまず、野次馬根性を発揮し、自分の目で見て触れてみて、自分の頭で考えるという習慣を付けることを第一歩のアクションをすることから始める必要がある。
また、会計士受験生の皆さんには、試験合格を目指して目的志向で合格のために必要な勉強を目指していただきたい。マニアックな論点をカバーするよりも他の受験生が間違えない問題を自分も間違えないこと、忘れやすい理論科目よりも体に染み込ませやすい計算科目を先行して取り組んで試験の近い時期に理論科目に比重を移していくことなど、自分なりに目的志向で考えてきたことがビジネスパーソンとして大きな強みとなり今の私を支えてくれている。
皆さんにも、せっかくの受験生時代を後ろ向きに取り組むのではなく、将来のビジネス力UPの場としても意識して取り組んでもらえたら同じ道を先に通った者として嬉しい限りだ。
監査法人の一構成員として優秀という概念と、一人のビジネスパーソンとして優秀という概念は共通する部分もあるが必ずしも一致しない。受験生として資格取得を目指す目的が、監査法人に就職して法人内で出世することであればそれを目指せばよいが、独立開業や他のジャンルで活躍したいという私のような公認会計士の場合には、目的志向で必要な能力を積み上げ、行動を起こすことで次なる打席を自ら獲得し続け進化していくことこそが求められているのではないかと思う。
公認会計士の資格を時には保険にしながらも、自分の信じた道にチャレンジし、チャレンジしたからこそ見えた景色の中でまた新たなチャレンジを繰り返し、他の分野で活躍する公認会計士が増えて来た時にこそ「国民経済の健全な発展」という公認会計士の使命が今よりももっと果たされるのではないかと考えている。


