
株式会社K Village
代表取締役
桑原 元就
くわはら もとなり
事業のできるカッコイイ経営者
1980年1月7日生まれ(46歳) 茨城県出身 東京都在住
東京都立大学経済学部 2002年合格

01
キャリアサマリー
公認会計士合格、監査法人トーマツ入所
株式会社IBJ常勤監査役に就任
株式上場し、取締役CFOに就任
事業担当取締役に就任
取締役関西支社長に就任
株式会社K Village代表取締役に就任(現任)
「ベンチャー企業のカッコイイ経営者になりたい」。
当時大学3年生だった私がそう思ったのは、藤田晋社長率いるサイバーエージェント社が設立2年で上場することが話題になったことがきっかけでした。世の中のビジネスの仕組みを学ぶべく、会計士の資格を取り監査法人に就職。上司や同僚に恵まれたこともあり、当初自分が想定していたよりも長く勤めることになりましたが、会計士予備校時代の友人経由での声掛けを機に、8年勤めた監査法人を退職し、事業会社に。年収は30%近く下がりましたが、事業経験も皆無だったことから、自身の待遇に不満を持つどころか高いくらいだと思っていました。当時独身だったことで、自分の直感のみを信じて動けたことも、チャンスを逃さなかった要因かもしれません。
常勤監査役という役割は想定していなかったですが、取締役会や経営会議など、あらゆる会議体に出られることや、実務経験がないことの影響が少ないということで、経営を学ぶには実は理想的なスタートだったようにも思います。上場したら取締役になることを言われてはいましたが、「そんなの自分次第でどうなるかわからない」と考え、何でもいいから貢献したいという想いを持って必死に働いていました。その後、CFO、事業担当取締役、関西支社長を経て、M&Aしたグループ会社の代表に。まったく異なる事業ドメインで、安定した基盤創りからスタートし、現在5期目になります。
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
国内上場企業の監査がメインで、最終的にはいくつかの上場企業の現場責任者を掛け持ちしていました。
元々おせっかいが好きだったのもあり、自主的な会計監査の勉強会(半分は真面目に勉強し、半分は飲み会で楽しく交流)を企画運営するなど、同僚とも日々楽しく過ごしていました。
マネジャーになると、部門の間接業務も任されるようになり、クライアントへの人員アサイン調整や、研修講師などをやる機会も多くありました。この辺りの経験を通じて学んだ間接業務の重要性は、今でも生きているように思います。
ただ、元々やりたかったIPO支援業務については、部門としても携わる機会がほぼなく、「このままでいいのだろうか」とどことなくモヤモヤしたものが溜まっていっているのを感じていました。
そんな中で、会計士の予備校で知り合った友人からふと連絡があり、「上場目指しているベンチャー企業が若手会計士を探しているが、興味ないか」と言われたのが転職のきっかけでした。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
現在は、K Villageという、韓国語教室を軸とした日韓ビジネスを運営する会社の代表をしています。
代表者として、会社の経営方針を定め、従業員に説明したり、ときにはM&Aのような重要な意思決定など、やることは多岐に渡ります。主に「決める」「伝える」が仕事ですが、まだまだ自分で手を動かすこともあり、それを減らすのが目標の一つです。
また、IBJという上場企業の親会社がありますので、グループ会社としての親会社との調整などは率先して行っています。ありがたいことに、グループ会社の代表になるまでに事業担当、CFO、支社長というキャリアパスがあったので、そこで学んだスキルや経験が大きく役に立っており、自分自身の価値にも繋がっていると感じています。
会計士として、監査法人での経験がアドバンテージになっていることとしては、
・会社全体を俯瞰してみることに慣れていて、数字を見て異常値に気付けること
・何か会社がアクションする際に、それが数字にどう影響するのかを想像できること
・内部統制の知見があるので、社内で問題が起きた際に、再発防止策をいくつか考え出せること
があると思います。
一方で、監査法人では経験できずに、苦労したこととしては、
・事業未経験だったので、判断軸が定まらない中でも、あらゆる意思決定(=前に進める)をしないといけなかったこと
・良くも悪くも「当事者」なので、予算未達など、思うようにいかない中ではプレッシャーを感じることもあること
・無理難題を投げかけられても、「こうだからできない」という返事はイラナイと言われたこと(笑)
です。
こうした苦労は今でも感じることはありますが、それを上回る達成感や成長実感があるので、自分で選んだ道でもあり、後悔したことはなかったし、もう一度人生やり直してもまた事業をやりたいな、と思っています。
04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
私自身には突き抜けた営業力や卓越した技術力もないです。
なので、そういった人たちを巻き込んで、気持ちよく働いてもらえるような組織創りには日々力を入れています。
社内では「協働・共創スキル」と呼んでいます。
たとえば目標設定はもちろん、人事制度の設計や会議体の見直し、あいまいな役割の明確化、などです。
事業もうまくいっているところは経営会議で報告受けるくらいで、基本的には任せていきますが、うまくいってないところは事業戦略、人事、企画などを一緒になって考えていきます。
自社でM&Aもやりますが、ディール前後は自身が先頭に立って、意識してコミュニケーションを多くとるようにしています。
あとは「仕組化・基準化」も数多くやってきた分、強みになっているかもしれません。
ルーティン業務ほど、いい意味で「曖昧さを排除」し、「徹底」することで、現場が効率化し、ラクになるというのを身をもって実感しています。

05
仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
韓国人向けの新人研修でのことです。
ある韓国人の幹部メンバーから、新人に向けたメッセ―ジの中に、
「以前、韓国料理店でも働いたことがあるが、韓国料理は好きでも、韓国が好きな日本人ばかりではなく、接客をしていると(当時の政治的背景から)不必要に心ない言葉を浴びせられることもあった。外国で働くことは大変だとわかっていても、日本が好きで来ている自分には辛いと思うことはあった。K Villageは、韓国好きの日本人を相手にビジネスをしており、社内はもちろん、ほぼすべてのお客さまが韓国人に対して好意的であり、自分を同じ人間として接してくれる。こんな幸せなアタリマエはない」というのがありました。
当社では政治と宗教は一切扱いませんが、そうであるからこそ、こういったアタリマエにはこだわっていきたいと思っています。
06
公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
私自身、職業的専門家としては決して優秀ではなかったと思います。
理由の一つは、資格は取ったものの、本質的に会計や監査を突き詰めていくこと自体にどうにも関心が持てず、「こう書いてあるから、こうなのだろう」という受け身でしか見ていなかったことにあります。
なので、自身の中での「こうすべきだ」という確固たる意見がなく、言い回しなど小手先のテクニックなどで乗り切ろうとしているフシがあったように思います。この頃を象徴していますが、忘れられない上司からの一言としては、「お前には“実”がない」でした。クライアントに迷惑はかけられないので、自分なりに必死にハードワークはしていましたが、根本的には解決できず、転職という形で区切りをつけたということになります。
07
人生の目的と公認会計士という資格
“事業のできるカッコイイ経営者“になりたい。子どもじみた言い回しに聞こえると思いますが、ただそれだけを目標にキャリアステップを踏んできた気がします。同じ会社にはいましたが、監査役からCFO、CFOから事業担当、関西支社長、グループ会社代表、と、与えられた責任と権限の中で、足りないスキルや経験を一つ一つ幅を広げてきた実感があります。
そして、それが実現できたのも会計のバックボーンがあったからだとも思います。
何か一つの領域で強みを発揮できることは、自身の居場所を創る大事な基礎となりますし、それを客観的に証明してくれるのが資格だと思っています。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
今の会社でIPO実現したいと思っています。
K-POPをはじめとする韓国コンテンツが、一過性のブームではなく、定着してきたと思っています。
近くて遠いと言われ続けてきた韓国とは、若年層ほどその距離が近く、これからよりその流れは加速するとみています。
個人的にも、誰よりも当事者意識をもって取り組んできたと自負していますし、この数年で、収益基盤も安定してきました。自身のスタイルも確立してきたように思います。
上場することで、弊社の経営理念に一歩近づくのもありますが、それだけではなく、働いている従業員に「この会社で働けて良かった」と思えるような会社にしていきたいです
そのためにIPOのメリットも活用して「知名度」「待遇向上」「新たな事業展開」も実現していきたいと思っています。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
ここまで読んでくださった方で、事業会社に興味があるなら、とにかく一歩踏み出すことをお勧めします。
監査法人に勤めることで得られるメリットも多くありますが、事業会社での生きた経験が手に入ることはありません。
また、若さは転職活動で大きな武器になります。スキルや経験を補うだけの材料になります。
採用側であるベンチャー企業の社長の多くは、自身が足りていないことを自覚しつつも、成長意欲の旺盛な人が好きなので、去年と同じようなことをやっているな、大きくは変わってないな、と感じたらタイミングかもしれません。「あのときやっていればよかったかな」と後悔しないように、気になるキャリアを歩んでいる人に話を聞いてみるなどのアクションをしてほしいと思います。

