会計士の履歴書
国見 健介

学校法人 東京CPA会計学院

理事

国見 健介

くにみ けんすけ

日本一の学校を目指して。次世代を担う会計士たちを育てる会計士受験界のカリスマ教育者

1978年9月2日生まれ(48歳) 東京都出身 東京都在住

慶應義塾大学 経済学部 卒業

国見 健介

01

キャリアサマリー

私は公認会計士の業務をするためにではなく,実家の家業を継ぐために、知識として公認会計士の資格を目指しました。

大学3年生の時に運よく合格することができ,その後学校法人 東京CPA会計学院でチューターのアルバイトをしていました。最初は週2日の予定だったのですが,会計士試験に合格するために頑張っている後輩を見ているうちに教材の強化・質問対応・レジュメの作成などやりたいことが山ほど出てきたので,気付けば週6日働いていました。

卒業後は大手監査法人に勤務するつもりだったのですが,当時は5月末短答,7月末論文だったため,卒業して最初の論文式試験まではCPAで働き続けました。8月から某大手監査法人に勤務したのですが,CPAから戻ってこないかと誘われ,自分自身も教育の楽しさに惹かれていたため,家業を継ぐのをやめ(家族の反対もありましたが),年末に監査法人を退職し正式にCPAに戻りました。

そこから約18年,講義・教材開発・広報・人事・総務・公認会計士講座統括・組織マネジメントなど,必要な業務を何でもやって現在に至っています。

今では家族も心から応援してくれているので,自分のやりたい道を選んでいくことは大切だなと感じています。

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人では半年ほどしか正社員として監査業務を行っていないので,監査経験はあまりありません。そのため自分としては,公認会計士の仕事と比較したというよりは,人を育てる教育という業務の魅力が自分にとってはとても高かったので,教育の世界で勝負してみたい,自分の人生にとって楽しそうだなという感覚で,CPAで頑張ることを決意しました。

正直,深く考えて決断したというよりは,自分の直感を優先して意思決定したという感覚です。

どんなキャリアにもメリットやデメリットもあり,どのキャリアを選択しても,やりがいを感じている人とそうでない人がいると思います。そのため,世の中の常識に基づく正解のキャリアを探すのではなく,自分自身にとって正解な(楽しいと思える)キャリアを見つけていけばいいと思います。

そのためには,自分がやりたいと思う分野,自分が楽しいと感じられる分野を選択することが重要であり,それは自分がその未知の未来について『何かワクワクするな』という気持ちを持てるかどうかが,とても大切なのかなと感じます。

本気で何年か取り組んでいるとある程度得意になっていくので,まずは好きな分野を選んでもいいのかなという考えを持っています。

国見 健介さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

今現在の業務は,講師としてのプレイヤー業務に4割程度,マネジメントとしての組織マネジメント業務に4割程度,新規事業に2割程度の時間を使っていると思います。

講師としてのプレイヤー業務は,教材開発,講義,質問・相談対応などにほとんどの時間を費やしています。

マネジメントとしての組織マネジメント業務は,組織が上手く回っていくために必要な業務を,全てやっているというイメージです。組織ビジョンの策定,組織文化・風土の形成及び浸透,事業戦略の立案,投資意思決定,講座(商品)体系の改善,校舎運営の改善,人事評価,財務業務,外部企業との交渉・新規契約の締結,人材育成・人材採用など,組織が成長していくために必要なことはなんでも実行しています。

新規事業業務は,10年後・20年後の理想の形を見据え,必要と感じるものについてトライ&エラーを繰り返しながら,試行錯誤しているというイメージです。

仕事を通じて感じるのは,プレイヤーに求められる能力とマネジメントに求められる能力が大きく異なることかなと思います。プレイヤー個人として成果を出すことと,組織・チームとして成果を出すためのマネジメント能力は全く異なるので,キャリアを考える際には,「プレイヤーとして成長したいのか・マネジメントとして成長したいのか」を明確に意識することが必要だと感じます。

また,短期的に重要なことと長期的に重要なこととの時間配分も意識するようにしています。

自分の場合は,今後はプレイヤー業務や短期的に重要なことを徐々に削減し,マネジメント業務と長期的に重要な業務の割合を増やしていこうと考えています。これは,自分がやれることを100→120に増やすよりも,組織メンバー一人ひとりがやれることを100→120に増やすための環境を作っていくことや,組織メンバー自体を増やしていくこと,組織が目指す方向を正しく導く,様々なチャンスの種を蒔くことなどがより重要になってくるためです。そういう意味で,自分自身が一番成長しないといけないという危機感を常に持つようにしています。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

自分の強みを敢えて挙げるとすれば,リーダーシップと,常にポジティブに考えられることかなと感じています。

全ての業務で自分より優秀な人というのは沢山います。組織が強くなり,成果を出すためには,優秀なメンバーが一致団結して目標の達成に向かうことが大切です。スポーツチームでも強いチームは,優秀な人が集まっているだけでなく,メンバーの団結力が強いものです。そのような組織を創り上げていくのがリーダーシップだと思っています。

そのために自分が行っていることは,まず,メンバーみんなにとって幸せなビジョンを創り上げること,それを実現する仕組みを作り上げることです。自分よりも優秀な方が,組織の掲げたビジョンに共感し,そのビジョンを達成すれば一人ひとりも満足感が十分に得られるビジョンを創り上げることで団結力が生まれます。

また,一人ひとりのメンバーとなるべく本音をぶつけ合うことも心掛けています。何を考え,何を望んでいるのかを共有することで相互理解が生まれ,信頼感と団結力が高まります。そのため,なるべくすべての情報をオープンにすることと自分の意見をさらけ出すことで,メンバーが「国見はこう考えているよね,国見は何を目指しているよね」と共有でき,また私自身も「メンバーがこう考えているよね,メンバーが何を目指しているよね」と理解できると考えています。

このように、組織全体としてのパフォーマンスと価値最大化を実現するために必要なリーダーシップを心掛けています。

次に,常にポジティブに考えることを意識しています。
様々なチャレンジをしていると,成功するよりも圧倒的に失敗の方が多くなります。また,組織全体で見れば無限の課題を抱えています。その時その時は最善を選択したつもりでも,改善するべき箇所が無限にあるのが現実ですし,一つの課題を解決しても,また次の課題が生じてくるのが組織です。

そのため,失敗をするたびに落ち込んでいては何もできなくなってしまいますし,やることが無限にあるからといって呆然としてもしょうがないので,すべての失敗を成功のために必要なプロセス,課題を一つ解決するごとに組織が強くなるんだと捉える努力をしています。

・失敗しても,そこから学んで次に活かせばいい。
・失敗したからこそ,このやり方で駄目だと気付けた。
・失敗した原因分析をすることで,もっとこうやれば上手くいくことを学べた。
・批判を受けることで,そういう不満を持つ人がいるのかと気付けた。
・今できないことが一つできるようになることの積み重ねが未来を創る

全ての失敗から学ぶ意識を持つことで,成功する確率はどんどん高まると思います。また失敗した数ではなく成功した数で未来は決まってくると考えています。そのため,失敗を恐れるのではなく,失敗はいいものぐらいの感覚で,いかに数多くのチャレンジをして成功する回数を増やすか、ということを大事にして日々取り組むように意識しています。

ただ,リーダーシップも,失敗から学ぶということもゴールはないものです。日々未熟な自分を突き付けられる中で,どうしたらもっとうまくできるようになるのかなと前向きに切り替えることの繰り返しです。
折れないメンタルと,チームとして最大の成果を出すことは,今後も追い続けていきたいです。

国見 健介さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

仕事だけではないですが,人生すべてで心が大きく動く瞬間は,自分が誰かのために大きく貢献でき,その感謝を伝えられた時だと思います。
受講生の皆さん,OBの皆さん,仲間,家族,その他すべての周りの方の役に立った時に心が大きく動くと感じています。
そのためには,自分自身の実力を高めること,組織としての実力を高めること,相手が求めていることを理解することがとても重要になると感じているので,そのために必要な力を日々研鑽して強化しようと思っています。
自分が死ぬときに,一人でも多くの人に,「国見に出会えてよかった」と言ってもらえる人生が幸せかなという想いを大切に生きています。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

人生や仕事で深く悩むことは,「何がみんなにとって一番望ましいのか」「そのためにはどのような仕組みを作り,何を実行すればいいのか」を考えている時です。多様な価値観の人がいて,様々な制約や壁がある中で,どうしていくのが一番望ましいのかを考えている時が,一番苦労しているかなと思います。それさえ決まれば,あとはどんなに失敗しても実行あるのみなので,その段階では大きく悩みません。それよりも,目指す方向性や動き出す方向性を考えている時は一人で悶々と考えています。
ただ,考えた分だけ色々な思考に気付けるので,考えることは非常にパワーを使うのですが,一人で考える時間はとても大切にしています。

考え事をする際に,自分が大事にしていることは3つあります。

① 木を見て森を見ない状態にならないこと
 どうしても日々の課題を考えていると,最終的に目指しているものは何だっけ?という大局を忘れがちになります。そのため,具体的事象について考えるときにも,ビジョンや目標などの大局を意識するように心がけています。

② 色々な人の意見を聴くこと
 色々な関係者の素直な意見を沢山聞くようにしています。人によって感じ方や意見は異なるので,多くの人の意見を聴くことで,「そういう視点は自分にはなかったな,なるほどそういう風に考える人もいるんだな」などの視野を広げるようにしています。

③ 最後は自分で決断すること
 森を見て,人の意見を数多く聞きながら,最後は自分で納得いくまで考えます。その上で,最後は必ず自分自身で決断するように心がけています。前例がこうだから,〇〇さんがこう言ったからという意思決定をしないようにすることで,自分の決断に責任を負う意識が高まります。それでも,決断をすればするほど誤った判断もすることになります。そのため,判断が間違っていた場合には,すぐに謝り,方針を転換することも重要だと思います。失敗は誰でもするので,失敗を早く修正することも大切にしています。

上記3つの意識して決断していると,たとえその時の判断が間違っていても,失敗経験から多くを学べるので,長期的に判断に正確性が高まると思っています。

07

人生の目的と公認会計士という資格

自分が死ぬときに,一人でも多くの人に,「国見に出会えてよかった」と言ってもらえる人生が目標なので,そのために,自分の可能性を広げること,いつでも自由に自分のやりたい選択をすることを大切にしています。

公認会計士の資格は,勉強した知識や勉強中に養ったソフトスキルがとても役立っていることと,圧倒的にリスク許容力が高まったなと感じています。会計士の学習で学んだ知識は,どんなビジネスでも役立ちますし,論理的思考力・計画立案力・修正力・本質見極力・優先順位・時間管理能力・継続力・忍耐力など多くのソフトスキルを強化してくれたと感じています。
もちろん,上記の力は合格後に強化し続けるのですが。

また,何かにチャレンジするときに,公認会計士ということが心の安定剤になっている部分もあります。何があっても食べていくのには困らないだろう,何かあったら会計士としての業務を行えば,このくらいの収入は確保できると思える安心も大きいかなと感じています。

そして,公認会計士に合格したからといって,会計士の枠に閉じこもる必要はないと強く感じています。会計士を取った後に起業してもいいし,芸術家になってもいいし,世界中を放浪してもいいと思います。あくまで自分の人生を豊かにする一つの手段が公認会計士であり,可能性を広げるためのものです。それがいつの間にか,思考が会計士の枠内に狭まってしまい,結果として人生の可能性を狭めてしまうリスクには気を付けたいと思います。

国見 健介さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

まずは,日本一の学校を作りたいです。学び手にとって最高の学校,CPAのメンバーにとっても最高の学校を目指したいと思っています。そのためには卒業生の皆さんが,卒業生であることを誇りに持ってくれる学校にしたいですし,メンバーからCPAで働けて最高に嬉しいと言ってもらえる組織を目指したいと思います。

具体的に何をするかは,その時その時で考えてベストな選択をするというのが自分の考えですので,具体的に絶対にこれをやりたいというのはありません。その時その時で楽しそうなこと,やりがいを感じる方向を選んでいきたいです。もちろん,5年・10年後の目標はイメージしていますが,状況は刻々と変化しますし,新しいことを学び気付くことでやり方は無限に広がります。そのため,日本一の学校を作るという夢は変わらないですが,その時の自分たちの想いに素直に生きていき,我が人生に悔いはなしという人生を送りたいと思っています。

国見 健介さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

キャリアで悩んでいる会計士の方へのアドバイスは,1万通り以上あるキャリアの中から正解を探すことをやめるということです。
自分にとって何が正解のキャリアなどやってみないとわかりません。自分の直感を信じて進んだキャリアを正解にしていけばいいので,キャリアを探すのではなく,直感で本気で取り組みたい,楽しそうと思うキャリアに本気で挑んでほしいと思います。

本気で取り組まないと,そのキャリアが本当にやりたいことなのか,そのキャリアの本当のやりがいは何かに気づけないことが多いと感じています。そのため,沢山の扉の前で立ち止まって,その扉が正解かなと悩むのではなく,一番よさそうな扉を開いてまずは飛び込んでみる。そこで本気でやってみた結果,違うなと感じたら別の扉を開いていく感覚でいいと思っています。本気で取り組んだキャリアの中から,本気で取り組み続けたいキャリアが見つかっていくような気がしています。

50年も社会人生活はありますので,最初から正解のキャリアを選ぶなんていう発想を捨て,最初の10年でいろんなことに本気で取り組んで,自分が本気でやりたいことを見つけるぐらいの感覚で選択をしてほしいです。
一度の人生なので,やった後悔よりも,やらなかった後悔をしないように,“やりたいな,楽しそうだな”と心が感じたことに素直に生きていく人生が楽しいと思います。

自分も40歳になりましたが,これからの人生もやりたいことをやり続けたいと思っているので,是非皆さんも,やりたいことを思いっきりやり抜く人生を送ってください!
どこかでお会いした時に,皆さんがこれからやりたいことを熱く語ってくれるのを楽しみにしています!!