
ファインディ株式会社
社長室 CFO兼社長室室長
河島 傑
かわしま すぐる
公認会計士っぽくない公認会計士
静岡県出身 神奈川県在住
上智大学経済学部経済学科 2008年合格

01
キャリアサマリー
あずさ監査法人入所
株式会社リクルートアドミニストレーション(現リクルート)入社 経営支援グループ兼グローバル経理グループ
Indeed,inc 米国駐在Corporate Development兼HRテクノロジー事業開発室
株式会社リクルートホールディングス転籍 IR資本戦略室
ファインディ株式会社入社 社長室室長
同社執行役員CFO就任
2008年に公認会計士試験合格後、あずさ監査法人に入所。同い年が少ない、監査法人の中でも専門スキルを磨いていきたいという理由で金融事業部を選択。
3年間ほど不動産・アセットマネジメント事業の監査に携わる。より事業会社に寄り添った価値提供をしたいという想いからアカウンティングアドバイザリーサービス事業部に転籍。
IFRS IPOに向けた会計基準対応・開示書類作成支援を中心に行い、クライアントが無事東証一部に上場。
より事業会社の中で自身の知見を活かして事業成長に携わりたいこと、よりグローバルな環境に身を置きたいという理由でリクルートに転職し、経営支援グループ兼グローバル経理チームに所属。海外子会社を中心に会計DD・会計PMIに従事。
翌年Indeed,incに米国駐在し、Corporate DevelopmentチームとしてM&A・PMIプロジェクトを複数担当。Glassdoorなど複数社の買収・統合案件を現地チームの中で推進。
2020年に帰国後はホールディングスとして全社の資本戦略推進室に所属。海外投資家対応や売り出しプロジェクトに従事。
スタートアップフェーズ中心にさまざまな企業の買収・PMIに携わってきた経験から、今度は成長フェーズの小規模組織で手触り感のある中で事業成長を牽引したい、今度はゼロから事業をグローバルに進出することを行いたいという想いでファインディに2021年4月に参画。
事業・組織を大きくするため、ファイナンスにとどまらず、採用・広報を中心に組織づくりに向き合う。
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
監査法人には7年間所属していました。大きく分けると、半分が監査、半分が会計アドバイザリーという経験でした。
監査法人では学生合格をしていたこともあり、社会人としての自覚や考え方が甘い自分に対して、先輩方から厳しく指導をいただきました。 エビデンスをベースにヒアリングをし、論理立てて調書を作ること、きちんと準備をしてプロとしてクライアントに接することなど、社会人としての基礎は監査法人がベースになっていると思っています。
業務を行う中で、監査は重要だとは認識しているものの、もっとクライアントの業務に入り込んで、クライアントを支援したいという考えが強かったことから、公募制度を活用してアカウンティングアドバイザリーサービス事業部へ異動しました。
アカウンティングアドバイザリーサービス事業部では、会計基準の背景をしっかり理解し、あるべき論でどうすべきかを考えクライアントに提案し、どう数字を集計するかといったオペレーションにまで踏み込む経験を積むことができました。このような経験は非常にやりがいがあり、こちらも大事な基礎力となりました。
一方でクライアントから「後はこちらでやっておきます。」といったような、アドバイザリーとして意思決定の中やオペレーションの深くまで入り込めず責任を最後まで取れないところにもどかしさと、自分は事業会社の中では通用しないのではないかという事業会社コンプレックスが事業会社転職へのきっかけとなりました。
03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
現在の私の仕事は、公認会計士っぽい仕事は全然行っていないところに特徴があります。
資金調達や投資家コミュニケーションなどファイナンス業務に加え、採用と広報の責任者をやっています。一見ばらばらに聞こえるかもしれませんが、社内の魅力を整理して、対外部に伝える非連続な事業成長につながる大事な仕事です。
ステークホルダーが株主なら資金調達業務・IRになり、採用候補者なら採用業務になり、メディアなら広報業務・PRになります。前職では、M&A, PMI, IRと会計を超えて自身ができることを広げていったことが、現在の自身の“今”の専門分野に留まらず新しいことにチャレンジするという働き方のスタンスに繋がっています。
スタートアップでは事業・組織を大きくするためにできることはなんでもやるというマインドセットが必要になります。リソースが足りず、会社にとって必要なことに対して、自分でやるか、誰かに任せるかの二択です。後者は、自社内で責任者を決める、外部リソースを活用する、あらたに採用するなど選択肢が出てきますが、いずれにせよ社内で責任を持つ人がコミットしてやり抜く必要があり、足りないリソースの中で、自分の仕事はここまで、と線を引いていては物事を強く前に進められないことが多いです。
組織の皆が、よりやる気を持って業務に取り組む環境を作りながら、それを社外に発信し、株主・メディア・採用候補者に届けていく、発信型CFOとしてキャリアを築いているところになります。

04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
専門分野や国や働く人種にかかわらず、新しい事象に対してやり抜く力を持ち、全てに当事者意識を持って実行できるというのが自分の強みだと思っています。
監査法人からリクルートへ環境を変え、さまざまなバックグラウンドがいるメンバーの多様性に驚きました。自身が携わってきた会計業務は全体で見ると、本当に一部なのだと感じました。新しく拠点を作る、会社を買収する、システムを導入する、全社でイベントを行うなど、新しいことにどうやって取り組めばいいのかとまどいながら、必死に考え、手を動かしていきました。
アメリカ駐在後は、国を変え、働く言語を変え、役割も投資担当とすべて変わりました。知らない国の人たちと、慣れない言語で、慣れない仕事をする。最初の1年間は生きた心地がせず、どうすれば価値を発揮できるのか、いつ帰国させられてもおかしくない恐怖の中で必死にもがきました。
そういった経験が、たいていのことでは驚かないメンタルタフネスに繋がったのではと振り返っています。
スタートアップに転職後、ファイナンス以外で自身の価値を発揮することが求められていました。社長や部長陣と話していると年々社員が増える中で組織イシューや採用に課題があることが見えてきました。そこで社員一人一人と話し自分がやるべきことを整理し取り組んでいきました。
中国、アジア、インド、アメリカ、ヨーロッパ出身といったダイバーシティな人たちと働いてきた経験は自身の仕事をする上での大事な価値観として根付いており、知らない国で予想できないハプニングに対処していたときの経験に比べたら、登場人物はすべて日本人、言語も日本語であり、このスタートアップへの環境変化は自分にとって、もはやたいした環境変化ではないくらいのマインドになっていました笑。
公認会計士という枠にこだわらない戦い方をしつつ、会計士であることも活かすという自分の強さのユニークネスは、ここまでの経験の積み重ねだと思っています。
05
仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
事業を前に皆で一致団結して動かしている感覚は常に楽しいです。言うなれば、大きな学園祭の実行委員みたいなものをしていて、いろいろな役割に分かれて皆が楽しそうに作業している。そして、だんだんと形になってくる。
道程で大変なことはあっても、登ったときの景色が気持ちいいのを知っているので頑張れる。そんな感じです。

06
公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
公認会計士であるなしにかかわらず、自分が求められている役割をきちんと果たすということがどこでも求められます。その環境の中で、どうしても自身の力が足りず、またそれを心の底では認められずあがくことが、かえって逆効果になることもありました。
3年おきくらいに自分自身で感じている好不調に関わらず、周りからは期待にうまく応えられていなく、なんかうまくいかないなという時が起きていました。
不調のとき、それを一瞬で乗り越える特効薬はないので、不調なら不調だと認めた上で、1つ1つ丁寧に物事を進めていくしかないと思います。
悩み続け、周囲にフィードバックやアドバイスをいただき、それを素直に受け入れ続けることで、乗り越えてきたと思っています。くすぶっており不調であった自分に温かいアドバイスをしてくださった先輩・上司・友人には本当に感謝をしています。
07
人生の目的と公認会計士という資格
私にとって、公認会計士という資格は相手から信用を得るために使うチケットのようなものです。公認会計士登録をいったん停止したこともありますが、結果として公認会計士という資格に救われることは何度もあったと思っています。
学生時代に公認会計士試験に合格したこともあり、公認会計士であることにそこまでこだわっていないことが自身の業務を広げることに躊躇がなく挑戦できることにつながっていると感じています。
公認会計士試験はあくまで資格でしかないので、この資格をどう活用するかは個人の自由です。会計監査を極めるもよし、コンサルに行くもよし、事業会社に行くもよし。会計監査にこだわる必要はまったくないと思います。
大事なことは事業活動を行うための1つの知識であるということ。そこの本質は何をするにしてもぶれてはいけないと思っています。
私の場合、リクルートに転職したときに、公認会計士試験に学生合格したことで評価されたくないと思い公認会計士登録を停止しました。結果、アメリカでのCorporate Developmentの経験、IRの経験、今スタートアップでCFOの経験と幅を広げることができました。
ただ、海外で仕事をするにしても新しい環境で仕事をするにしても公認会計士であることは他者から信頼される証明になる。それが仕事を進める上でプラスになっていることを実感しました。
スタートアップに転職し、今一度公認会計士であることは会社の経営陣として対外部として接する上でプラスに働くと思い直し、再登録を行いました。今後も自分らしい会計士像を突き詰めていきたい所存です。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
今はファインディというスタートアップの事業組織を大きくすることに全力を注いでいます。この会社をグローバル企業にするためにできることをなんでもしたいというのが今直近で成し遂げたい事になります。
長期ではあまりキャリアを考えていなかったりします。これはめまぐるしく挑戦をする日々で生きていると趣味嗜好はどんどん変わるので、長期をあまり見据えてもどうせ変わると思っていること、目の前のことをやりきりつづけることが新たな挑戦の機会につながるという計画的偶発性理論が自分に当てはまると思っているからになります。
引き続きチャレンジを楽しみ、どこの国でも事業成長に向けたバリューを発揮できるグローバル人材になっていきたいと漠然と思っています。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
公認会計士はビジネスパーソンとして仕事をする上で役に立つというのが私の経験です。公認会計士にこだわらない生き方をするにしても役に立ちます。ぜひ自分らしい生き方をするための1つの選択として公認会計士資格を活かすのがいいと思っています。
こういう公認会計士がいるんだと思っていただき、人生長いので、色々な道に進んでみると面白いかもしれません。
公認会計士受験生の方は、自分自身の勉強法に捉われず戦略的にインプットアウトプットを繰り返し、脳に染み込ませるために効率的なやり方を模索することをお勧めします。勉強時間が多くあるのにうまくいっていない方は、だいたいやり方に問題がある傾向があるので、見つめ直し、何事もアドバイスを素直に受け入れ、実行していきましょう。そのスタンスは、実際に働いてからも必ず役に立ちます。
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