
MAMORIO株式会社
Corporate Div, 取締役CFO
川村 卓哉
かわむら たくや
学生時代から夢は“ベンチャー企業のCFO”。上場準備とベンチャー企業支援ひと筋で夢を実現
1980年代生まれ 青森県出身 東京都在住
早稲田大学大学院 会計研究科 卒業

01
キャリアサマリー
慶應義塾大学商学部卒業後、早稲田大学大学院会計研究科に入学。
公認会計士試験合格後、会計大学院在学中に有限責任監査法人トーマツに入所。 上場会社及びIPO準備会社の監査、コンサルティング、ベンチャーサポート業務に従事。IT業界を中心としたクライアントの新規上場支援、財務デューデリジェンス、東南アジアでの業務も経験。
民泊・旅行ビジネスを手掛けるベンチャー企業に参画し資金調達、IPO準備をはじめとした管理業務全般に従事。
7月よりMAMORIO株式会社にCFOとして参画。 公認会計士・中小企業診断士
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
学生時代からベンチャー企業で経営幹部として働くキャリアに魅力を感じており、監査法人では、上場準備会社に対する業務を希望していた。有限責任監査法人トーマツ入所後、IPOやベンチャー企業支援に興味を持っていたため、当時のトータルサービス部を希望した。主に、TMT業界(テクノロジー・メディア・通信)を中心に上場会社、上場準備会社の監査、コンサルティング、財務デューデリジェンス、さらに東南アジアでの短期派遣など通常の法定監査業務以外の幅広い業務に従事することができた。対象クライアントについても、東証一部、東証マザーズ、ジャスダック上場の監査業務だけではなく、上場準備会社でのコンサルティングをすることで、クライアントと近い位置で仕事をすることができたと考えている。
また、ベンチャーサポート業務に従事し、ベンチャー企業へのアドバイスやイベントの運営等にも関与した。ここでは、様々なベンチャー企業の社長、そして、外部のベンチャービジネス関係と交流することで、ベンチャービジネス業界への知見も広がり、より興味を持つきっかけとなった。
キャリアチェンジのタイミングが訪れたのは、上場準備会社の主任、現場主任(インチャージ)としてクライアントが上場した後であった。ベンチャー企業への転職を決める2014年夏まで、約5年間の監査法人でのキャリアではあるが、上場準備会社に対する業務だけではなく、海外での業務経験など、多様な経験を積ませて頂いたので、次へのステップに進むことを決意した。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
学生時代からベンチャー企業で経営幹部として働きたいという想いがあったため、CFOを募集しているベンチャー企業の面接に挑戦すると決意した。転職先を探す上で、“面白い事業かどうか”と“ともに働きたい経営者か”という点を重要視していた。また、当時非常に興味を持っていたIoTという成長分野にあるベンチャーを探していた際に、現在の職場の代表と出会った。
入社後は、取締役CFOとして、資金調達、管理業務全般に従事している。ベンチャー企業の中でも、製造業的要素があるIoT製品を取り扱っているため、純粋なITベンチャーと異なり製品在庫を抱える事業形態となっている。そのため、生産・管理に対する計画が非常に重要であり、単なるKPI管理だけでなく、製品原価算定や原材料調達・生産・製造業務の調整及び交渉にも関与していることが現在の業務の特徴である。
現在のキャリアパスとしては、当社の成長及び上場にむけて全力を尽くしたいと考えている。単に上場を達成すれば良いと考えているだけではなく、会社を”パブリック”にするという意志を持ち、代表と共に上場を目標にしながら、CFOとして彼をサポートしたい。
04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
①ベンチャー、上場準備支援という業務に監査法人で重点的に携わってきたこと
②業種としてTMT、特に最新のIT業界の動向にアンテナを張っていること
③中小企業診断士取得や海外業務など幅広い知見を得る努力をしてきたこと
以上の3つが強みであると考えている。
まず、①については、上場する企業が直面するファイナンスの問題、組織・管理体制の問題など、内情を見聞きすることができ、実際の現場に近い立ち位置で業務を遂行することができる。また、上場する会社の情報、Ⅰの部や目論見書等の情報を分析して、自社の資金調達や資本構成等のファイナンス業務、上場準備までの具体的な道筋を立て、実行できると考えている。
②の業種としての知見については、最近のIT業界で話題になっていることや実際に使っているWebサービス等の情報にアンテナを張っていることで、事業に活かすことや社内のエンジニア、他の経営層と対等にディスカッションすることが強みだと考えている。
最後に、③については、おまけのような部分も大きいですが、現職がモノの製造がからむIoT企業という点、海外の事業者とのやりとりが発生する点など、中小企業診断士を取得する過程で吸収した製造業に関する知見や海外事業者とのやり取りの経験が活かせる場合も多くある。

05
仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
現職のベンチャー企業の事業内容、提供するサービス、そして、実際に代表の事業理念をヒアリングし、入社を決めたときが最も心が動いた瞬間であった。CFOの転職活動の際に、MAMORIOのミッションに感心し、代表の増木と会うことになった。出会ったその日のうちに共に食事をし、歳が近いだけでなくて、出身大学も学部もサークルまで一緒ということも判明した。その結果、増木からオファーを受けた。現職企業は、『なくすを、なくす』をミッションに掲げていて、IoTやテクノロジーの力で、その問題を解決するアプローチを事業内容としている。監査法人時代や自分個人としても、落とし物で困った経験、それを防止するために多大な心理的、物理的なコストを払う状況を見聞きしてきた。そのため、私は「この事業は、真に世の中のために役立つサービスである」と強く感じた。さらに、今まで監査法人でのベンチャー、上場準備支援及びベンチャー企業での管理業務での経験という自分の3つの強みを生かして、会社や事業に貢献できる部分が多いと感じたため、入社を決断した。
世の中を変えるサービスを自分の目で見ること、自分の耳で聞くことで、心が大きく動くことが非常に多いと感じている。それがベンチャー、スタートアップ業界で仕事する醍醐味だと考える。
06
公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
監査法人において、上場準備会社の監査やベンチャー支援という業務に携わっていると、”クライアントファースト”ということを日々意識しつつも、その時々で「どこまであるべき姿を求めるか?」、「どの程度まで指導するか?」という面で悩むことが多かったと感じている。また、中長期的視野に立って、あとで振り返ってみると、「最初の段階で指摘しておけばよかった」と思うことや、逆に「その時期に言わなくてもよかったかな?」ということを感じる部分もあり、”クライアントサービス”の難しさということに直面することが多かったと振り返る。そのような悩みも抱きつつ、ある意味悩んでもしょうがない部分であると割り切って、目の前のクライアントのために、自分がその時々でプロフェッショナルとして最善だと考え抜いたサービスを提供すること、最善を尽くすことを心掛けていた。その結果、クライアントに感謝の言葉を掛けて頂いたとき、新規上場セレモニーでの関係者の笑顔を見たときに、間違ってなかったかなと感じるようになった。
ベンチャー企業で業務をするようになってからは、益々その時々で最善を尽くすだけ、という考えが強くなった。それが本当に最善の打ち手か悩むことは当然ある。しかし、CFOの枠を超えてあらゆる業務に携わり、自分の目で見て、自分の足を動かすことができているため、“どこまでやるか”という点で悩むことは少なくなったように感じている。
07
人生の目的と公認会計士という資格
公認会計士という資格は、監査業務だけではなく、経営コンサルティング、企業経営等、様々な業務に携わる可能性が広がり、自分自身のスキルをもとに確固たる自信を持つことができる資格だと考えている。
もちろん、監査や税務という世の中に必要とされている仕事に従事することで、世の中に価値を提供することはできるし、それによってお金を稼ぐことはできるので、監査や税務業務だけでも魅力的ではあると考える。
しかし、私はそれだけではなく、世の中に直接的に価値を与えることを望んでいるので、ベンチャー企業に参画することで、世の中に新しい大きな価値を提供していきたい。そして、価値を提供できる人々を世の中にもっともっと増やしていきたいと考えている。
簿記・会計という分野は企業に不可欠な分野であり、高校や大学、企業に入ってからでも、その分野を学ぶ人材のすそ野は広い。簿記・会計を学んだ人は、少なからず、公認会計士という資格があることや、公認会計士を目指してみようかと意識することもあると思う。そのようなときに、公認会計士という資格、簿記・会計を中心とした知識が、世の中に大きな価値を与えることができるということを、自分の経験を踏まえて教えることができれば、そのような人材がより増えると考えており、そのように実践していきたい。これが私の人生の目的であると感じている。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
まずは今の会社の成長、事業成長を通して世の中に提供する価値を拡大していくこと。そのためにIPOを実現すること。その過程で自分自身もさらに成長し、将来的には自社でやるか他の活動でやるかわからないが、人を育てることに従事したいと思っている。
IPO実現後の自分の成長という意味では、監査法人時代にはなかなか身近に接することがなかった、IPO後のファイナンス戦略や、そのファイナンスを活かしてM&A、子会社の経営などを通して中長期的な価値を高めることにチャレンジしていきたいと考えている。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
どのような分野にも共通することかもしれないが、興味関心をもって情報収集すること、そしてその分野に詳しい人に話を聞きに行ったり、そのコミュニティに入ってより詳しい情報を仕入れたりすることが第一歩として非常に重要だと実感している。
その上で、自分自身が興味のある分野、コミュニティに対して、何かしらの価値を提供することを意識することが必要だと思う。そして、すぐに価値を提供できないなら、「公認会計士としてどういう経験や学びをすることで、価値を提供していけるか?」を意識して行動するだけで、目指していることへ一歩一歩近づくことができるのではないかと考えている。
例えば、“ベンチャー企業のCFO”を目指すのであれば、“ベンチャー企業のCFO”を欲しがっている“ベンチャーの社長/CEO”に実際に話を聞いてみて、自分の知識・経験を活かして価値を提供できるか考えみたり、行動してみるのが一番だと感じる。ベンチャー企業のCFOを斡旋している方、ベンチャーキャピタル等の関係者に聞くこともそれはそれで価値があるが、実際に“ベンチャー企業のCFO”になった場合に、CEOが価値を感じるCFOであることは非常に重要なので、“ベンチャーの社長/CEO”に話を聞いてみる、ということを勧めます。


