会計士の履歴書
川畑 拓也

ロードスターキャピタル株式会社

管理本部 執行役員最高財務責任者 兼 財務経理部長

川畑 拓也

かわばた たくや

みずからの経験をベンチャーへ還元し、より良い社会を次世代へつなぐ

1983年4月8日生まれ(43歳) 東京都出身 神奈川県在住

東京大学 経済学部 経済学科 卒業

川畑 拓也

01

キャリアサマリー

2007

新日本有限責任監査法人 入所

2012

大手製薬会社 出向(在籍出向)

2015

大手製薬会社 出向から帰任

2016

ロードスターキャピタル株式会社 入社

2017

グロービス・マネジメント・スクール 講師就任

現在はロードスターキャピタル株式会社(会社:<a href="https://loadstarcapital.com/ja/index.html" target="_blank">https://loadstarcapital.com/ja/index.html</a> サービス:<a href="https://www.ownersbook.jp/" target="_blank">https://www.ownersbook.jp/</a>)という不動産×クラウドファンディングの会社でCFOを務めております。IPO直前期でジョインし、IPO準備~財務経理部を統括し、今は財務経理全般~IRまで担当しております。現職では、「不動産とテクノロジーの融合が未来のマーケットを切り開く」というミッションを達成するため、株主や機関投資家に会社の魅力を語り支援を賜ることに注力するほか、資金調達、事業計画策定、開示書類作成を統括しております。

また、グロービスの講師(<a href="https://gms.globis.co.jp/faculty/ea/kawabata_takuya.html" target="_blank">https://gms.globis.co.jp/faculty/ea/kawabata_takuya.html</a>)も務めております。

新日本有限責任監査法人では金融部に所属し、REIT(不動産投資信託)、投資信託の監査に従事した後、大手製薬会社に出向し、IFRS導入支援・連結決算を担当し、帰任後はメガバンクのマネージャーを務めました。

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人では、チームマネジメントを学べたことは大きな財産となりました。現在の会社のようなベンチャー企業ではそもそも人数が少なく、プレイングマネージャーとして働いても限界があるので、「仕事の任せ方」は非常に大事だからです。
また、監査法人では通常業務をこなすほか、同期と一緒に部内事業コンペ(FEC)を企画し、翌年には法人全体の事業コンペ(NEEDS)にまで成長させました。法人自体はチャレンジングな雰囲気がないと感じていたものの、パートナー含め意外と好意的に受け入れてもらえたことから、何事も思い込みではなくやってみることも大事なことだということを学びました。
転職直前はメガバンクのマネージャーであり、2,3年奉公して海外駐在を志向しておりましたが、金融庁や社内向け資料に追われクライアントと向き合わない時間も多くなり、自身のキャリアについて悩んでいました。ちょうどその時、現会社の社長に声を掛けられ、会社の事業や将来性と、自身の状況や目指すキャリアを考え直しました。既に結婚し、子供も生まれ、家も買っていたので、年収を大きく下げるわけにもいかなかったですし、監査法人でのキャリアを捨てることにも多少躊躇しました。しかし、不動産業界に新たなマーケットを創るという同社のビジョンと社長をはじめとした社員の雰囲気に惹かれ、また、キャリアとしても貴重な経験が積める、リスクは小さく、リターンは大きい、と思い至り、転職に踏み切りました。

川畑 拓也さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

まだ在籍して3年ですが、色々な経験をさせてもらっております。
最初の1年は主にIPO準備で証券会社や東証の審査に対応する傍ら、経理業務や決算業務、監査法人対応、予算策定に注力。2年目はIPO後にIRの担当となるものの、知識も経験もないのでSNSのIR系グループに参加したり、ベンチャーの集まりに参加したりして情報収集に励みました。そのうち人脈も広がり、最近ではIPO関連のセミナーに登壇もさせてもらったりもしています。3年目の今は財務・経理を強化し、J-SOX監査に耐えうる体制の構築や、税務調査対策などに取り組んでおります。
仕事の特徴としては、IPO準備やIR業務を務めるうえで、会社の状況を常に把握し、対外的に説明できなくてはならないので、他部署と積極的に交流して情報を入手していく必要があります。また、まだまだ小さな組織ですので社内にナレッジがない場合もあり、外部に情報を取りに行くことも多いです。一方で、当社は自由放任主義なので、やりたいことをやらせてもらえますし(もちろんコンプライアンスは順守しております)、新しい仕事も多く、毎日が勉強になります。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私自身の強みは、オペレーション能力と旺盛な好奇心だと思います。これまでの自分のキャリアを振り返ると、監査法人時代は会計・監査の知識はもちろんですがクライアントとのコミュニケーション能力とチームマネジメント能力が求められる一方、個々のクライアントの業態やその特性・慣行を垣間見ることができたのは貴重な経験でした。また、今の会社では既存の業務も新しい業務もチームで一つ一つ確実にこなしていく必要があるものの、担当業務以外も首を突っ込むことは自由なので、仕事の環境としては私に向いていると思います。
余談ですが、監査法人時代は監査という仕事の特性上、仕事の達成感を得にくかった記憶がありますが、ベンチャー企業では自分の仕事が会社の結果となり責任が増す一方、達成感・充実感も高いと思います。自分で行動を起こしたい、自分のパフォーマンスを発揮したい、そこから満足感を得たいという人はベンチャー企業に向いていると思います。

川畑 拓也さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

自分で仕事をしている人、経営層や、信念をもって働いている人の話を聞くと、色んな気づきがあり、自分の仕事やキャリアの見直しになります。そのため、定期的にセミナーや勉強会、会食に参加してアンテナを張り、学びを増やし、仕事に活かすとともに、知的好奇心を満たしています。そんな時間やお付き合いがないという監査法人にお勤めの方は法人内のWEBセミナーだけでなく、公認会計士協会で行われているセミナーも検索してみてください。中には外部講師を招いた面白い企画がありますし、組織内会計士の集まりも非常に刺激になりますので、是非参加されては如何でしょうか。
個人的にはやはりベンチャー界隈の集まりに参加することが多く、ビジネス上だけでなくプライベートでもお付き合いさせて頂くこともあります。ベンチャー企業は大手企業と異なり自社だけでの成長には限界があり、横のつながりを成長につなげることに長けた人が多く、公私共に楽しくお付き合いさせて頂いております。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士として悩んだことはないですが、大手製薬会社への出向時はドメスティックな会社の雰囲気、反りが合わない上司との人間関係にかなり悩みました。出向の前任者が任期満了前にやはりこの上司と上手く行かずに帰任していたのもプレッシャーでした。紆余曲折はあれ、3年間の出向期間を経た経験により、パフォーマンスを出す意識といい意味で鈍感力が磨かれたと思います。
最近の悩みは、今後経営を担う、もしくはその力を高めるためにITリテラシーが必要だとは思うものの、誰から何を学べばいいかということです。自分自身でコードが書けたり、テスト設計やプロジェクト・マネジメントができるようになりたいとは思わないのですが、ITサイドで何が起こっているのか、どこが原因でその解決方法はどれが妥当なのか、組織としてどう考えるか、など判断を下すための知見を身につけたいです。もしお近くにアドバイス頂ける方がいれば是非ご紹介いただきたく存じます。まず初めの第一歩として、通訳者としてエンジニア採用担当人事と会話をすることを勧められたので実践していく予定です。

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人生の目的と公認会計士という資格

人生の目的はストレスなく楽しく生きることですが、これからの生き方・働き方としては、これまでの自身の経験を、IPOを目指す会社や事業拡大を図るベンチャー企業に還元していくことで、少しでも日本が、そして我々の次の世代が元気になればいいなと思っております。グロービスでの講師業も、社会人の会計の知識を高め、一人一人が経営者の視点で日々の業務・課題に取り組めば、会社をより成長させ、かつ、より自信をもって仕事に取り組めるのではないかと思って継続しております。
公認会計士という資格は、監査法人時代は何も意識しておりませんでしたが、外に出てみるとその信用力が想像以上に高く、年長の社長であっても相談をしてくれたり、意見に耳を貸してくれたりしますし、会計の知識は社内ではもちろん、機関投資家など対外的な対話でも非常に役に立ちます。表現は正しくないかもしれませんが、とても使い勝手のいい資格であり、今まさにその恩恵に感謝しております。この点は他の組織内会計士の方も感じているようで、他の組織内会計士の方と話していると、誰もが監査法人時代より生き生きとやりがいを持って働いているように思えます。

川畑 拓也さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

近い将来の夢は今の会社のビジネスをスケールさせることです。不動産というドメスティックでIT化が遅れている業界に、クラウドファンディングという新しい手段で新しいマーケットの創出を試みております。具体的には、今までは不動産会社と金融機関が不動産投資市場のメインプレイヤーであり、個人はアパートやワンルームマンションを買ったり、REITを買ったりしかできませんでしたが、クラウドファンディングを取り入れることで個人のマネーが不動産投資市場に流入しやすくなり、また不動産投資の旨味を得ることができるという仕組みを構築しています。誰も取り組んでいなかった領域ですので、上手く行かないこともあるかとは思いますが、会社が目指す方向は間違っていないと確信しておりますので、力を注いでいきたいと思います。お時間があればクラウドファンディング商品のサイトもご覧ください(https://www.ownersbook.jp/)。(某監査法人において、監査法人に勤務される方の当社商品への投資は、株式投資等と違って独立性に違反しないことは以前確認しております。)
また、並行して前述のとおり、IPOを目指す会社やベンチャー企業を支援したいと思っております。
それから先のことはまだ自分でもわかりません。10年前はIFRSの専門家で食っていこうと思っておりましたが、今はIFRSからは程遠いです。5年前は海外駐在しようと思ってメガバンクを担当しておりましたが、今は事業会社です。ただ、どの経験も無駄だとは思っておらず、今の自分を形作っていると思います。Connecting Dotsが信条です。

川畑 拓也さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

キャリアを模索する会計士の方はご連絡ください。ベンチャーや上場間もない会社から会計士の求人相談もよくあります。監査法人にいると気づかないですが我々会計士の知識は、会社にとって非常に大事です。そういった会社で働くことの難しさや楽しさ、今後のキャリアへの活かし方など幅広くご相談に乗れると思います。一方、監査法人が向いている方も多いです。監査法人は資本市場のインフラとして非常に重要な役割を担っているので、そういう方は今後も資本市場の番人として活躍して頂きたいと思います。
会計士受験生は、今一度自分がどんなキャリアを志向するのか自身と向き合ってください。資格があれば安泰、くらいでしたら今の時代もうそんなことはないと思います。今の今だったらエンジニアになったほうがいいかもしれません。会計士にならなくても会計もある程度わかるエンジニアはかなり強いでしょう。そのあたりも相談に乗ります。
1時間自分の時間を割くだけで変わることもあると思います。上記の相談以外でも、そういう時間の使い方ができるようになるとビジネスマンとして強くなれると思います。
皆様の今後の一層の活躍をお祈りいたしております。