会計士の履歴書
片寄 学

J-TAPグループ(株式会社J-TAPアドバイザリー、J-TAP税理士法人)

グループCEO

片寄 学

かたよせ まなぶ

周りの人への感謝の気持ちを忘れず、卓越したバランス感覚と仕事を楽しむ力ですべての経験を成長の糧にする

1983年9月6日生まれ(43歳) 千葉県出身 東京都在住

早稲田大学政治経済学部政治科 卒業

片寄 学

01

キャリアサマリー

2006年-2013年

新日本監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入所 金融部配属 ■日系・外資系の大手金融機関、地域金融機関、PE投資会社、ベンチャーキャピタル、ファンド等の監査業務に従事 ■大手金融機関向けの内部統制、M&A、IFRS等、各種会計アドバイザリー業務に従事 ■中小企業向けの事業再生業務(事業・財務デュー・ディリジェンス、事業計画の策定、組織再編スキーム検討等)に従事

2012

公的ファンドに常駐し事業再生業務に従事

2013

株式会社J-TAPアドバイザリーの代表取締役に就任

2015

J-TAP税理士法人の代表社員に就任

今現在は、中小企業向けに、経営、財務、会計税務、法務分野のプロフェッショナルサービスを提供するコンサルティングファームの代表を務めています。

主たる事業は、①ワンストップ型の事業承継・M&A・事業再生支援、②CFO型の税務顧問サービスです。

会計士、税理士の他、弁護士、投資銀行/コンサル出身者等のメンバーを揃えて「ワンストップ対応が可能」なこと、中小企業にコミットした「ハンズオン型の支援」を最大の特徴としています。

現在、組織拡大を目指しコアメンバー固めも含めて組織の土台を作っている状況にあり、弊社の「楽しく仕事をしよう!」という考え方に共感していただける、成長意欲が高く、素直な方をコアメンバーとして大募集しています!

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人では、偶然にも、入社してから退職するまで、大手金融機関の合併、J-SOX導入、リーマンショック、IFRS導入、東日本大震災など様々なイベントがあり、大手金融機関を中心とした監査業務及び会計アドバイザリー業務に加えて、公的ファンドへの常駐、中小企業向けの事業再業務等、様々な業務に関与させて頂き、優秀なチームメンバーにも恵まれて、結果として7年弱ぐらいお世話になりました。
その後独立することになりますが、直接キャリア選択のきっかけとなったのは、公的ファンドに常駐で事業再生業務を経験できたことと、そこでの出会いです。
この公的ファンドは、東日本大震災の被災事業者の再生を目的として設立された組織で、東日本大震災により事業を毀損させ、震災前の既存借入と震災後の新規借入で過剰債務となってしまった債務者(二重ローン問題)の借入を地域金融機関から買い取って、金利減免、債権放棄などの金融支援をすることを主たる業務としていました。
メンバーとしては、メガバンク、DBJ、地域金融機関、弁護士、コンサル等様々なバックグラウンドを持った方が出向して、チームで投資案件に取り組んでおり、私は投資担当者として被災した中小企業の事業・財務DD、事業計画の策定、債権のバリュエーション、金融機関との交渉などを担当していました。こうした様々なバックグラウンドを持った仲間と、被災事業者の再生という共通の目的を持ったチームで仕事をすることは、私にとって、お客様やその利害関係者に自分自身の与える影響が大きいという意味において非常に刺激的でやりがいのあることでした。
また、それまで大手金融機関向けの業務を経験してきたので、中小企業が晒されている事業環境を実際に目の当たりにして、ある意味衝撃を受けました。一番驚いたことが、中小企業の経営者は、経営、財務、会計税務、法務分野と幅広い悩みを抱えていること、それに対して適切なアドバイスをして悩みを解決する専門家が傍らにいないことが圧倒的多数という実態です。どの中小企業にも、顧問税理士はいるのですが、従来型の会計事務所では、会計記帳と税務サービスのみを提供するのが一般的で、中小企業の経営者の悩みを解決しきれていないというのが実情でした。
その後、監査法人に戻って、大手再生コンサルティングファーム出身の上司の下で、引き続き、中小企業の事業再生支援業務に従事していました。ここでは、お客様に対する成果物への意識の高さなど監査法人のチームでは学べないことを学ばせてもらいました。
一方で、監査法人で行う事業再生業務は、報酬水準が中小企業の規模に見合わないことが多いので、DD、事業計画の策定や取引スキームの検討など入口の業務が多く、事業計画策定後も事業者にコミットして継続してお付き合いしていくということは少なく、日に日に、「監査法人では規模感的に提供できないような、もっと中小企業に寄り添った事業再生支援サービスを提供したい」という思いが募りました。
そこで、様々なバックグラウンドを持ったメンバーが、中小企業に寄り添ったハンズオン型のサービスを提供したい一心で、将来的なビジョンもなく半ば勢いで独立することを決めました (笑) 。

片寄 学さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

今現在は、中小企業向けに、経営、財務、会計税務、法務分野のプロフェッショナルサービスを提供するコンサルティングファームの代表を務めています。

■大事にしていること
私が仕事をする上で、一番大事にしていることは、「楽しさ」ですね。
「楽する」という意味の「楽しさ」ではなく、
「愚直に取り組んだその先にある成長という意味の楽しさ」です。
それは従業員やお客様にも感じてほしいことですし、従業員の成長こそが、お客様への品質の高いサービスの提供、ひいてはお客様の成長・成功につながると考えているので、従業員が楽しめる職場づくりに一番力を入れています。
当たり前ですが、その「楽しさ」を共有するために、社員とのコミュニケーションを一番大事にしています。
具体的な取り組みとしては、業務管理や情報共有を目的とした①週次の業務進捗会議、②業務月次プランニング会議に加えて、コミュニケーションを目的とした③従業員と経営陣での週に一度の1on1会議、④月に一度の飲み会を実施しています。普通と言われれば普通かもしれませんが、これらをやっていくのは実は大変なんですよ。③は特に大事な打ち合わせだと思っていて、個人のキャリアパス、ニーズ、悩みの確認、会社全体として向かう方向性の伝達など会社と個人のギャップのすり合わせを目的としています。また、従業員が弊社グループにて長期間働けるような仕組みとして、社内独立制度や退職金制度も設けています。

■事業内容とその特徴
主たる事業内容は、①ワンストップ型の事業承継・M&A・事業再生支援、②CFO型の税務顧問サービス、③経営、財務、会計税務、法務分野のその他サービスですが、サービスの特徴は以下のように捉えています。

① ワンストップサービス
弊社では、会計士及び税理士の他、投資銀行出身者、事業再生コンサル出身者、四大弁護士事務所出身者、戦略系コンサル出身者などのメンバーをそろえており、会計税務サービスだけではなく、経営、財務、法務分野も含むサービスをワンストップで提供できることが最大の特徴です。
事業承継、M&A、事業再生局面では、会計税務だけではなく、経営、財務、法務分野のサービスは必要不可欠ですし、その後の顧問サービスにおいても、弊社ではワンストップで対応が可能です。
また、事業デュー・ディリジェンスにおいては、マーケティング、ヘルスケア、IT、IPO、小売業、卸売業、不動産業、宿泊業等各分野における現役の専門家を外部アドバイザーとして案件に関与させることで、現在の業界のトレンド等を踏まえた事業分析を実施することも特徴です。「餅屋は餅屋」というだけあって、弊社のサービスは業界ごとにもっとリアルで実情を捉えたものを提供できると思っています。
顧問サービスでは、スポットのCFOを中小企業に置くことをイメージした会計税務顧問サービスに力を入れており、具体的には、一般的な会計事務所が提供している記帳代行及び税務申告のサービスに加えて、①経営の見える化(管理体制の構築支援)、②金融機関対応、資本政策等の財務助言、③上場会社における会計基準対応及び海外対応、をお客様のニーズに応じて提供します。また、中小企業の他、上場企業、上場準備会社、外資系企業に対する、会計アドバイザリー業務、IPO支援業務、財務・法務分野のみの顧問サービス等も提供しています。

② ハンズオン型の支援
「中小企業に寄り添ったサービスを提供したい」という思いから弊社ではハンズオン型の支援を志向しています。
会計税務顧問サービスにおいては、前述の通り、お客様の悩みに寄り添って会計税務+αの価値提供を目指します。
事業再生支援業務においては、組織の一体感の醸成を目指したハンズオン型の支援に力を入れています。
監査法人等大手コンサルティングファームが行う一般的なサービスは、企業の規模感から、事業・財務面のデュー・ディリジェンス及び事業計画の策定が主となります。一方で、コンサルタントが中小企業の事業、財務を詳細に分析して、いかに素晴らしい事業戦略を策定したとしても、実際に経営陣が実行に移し、組織が一体として取り組んでいかなければ、中小企業の業績は改善しきれないという限界があります。また、実際には、コンサルタントが必ずしも事業を改善させる素晴らしいアイデア(特に、売上面において)を出せるとは限りません。したがって、究極的に言うと、経営陣の意識改革や組織としての一体感を醸成することが、事業再生の肝となります。
なので、弊社においては、事業、財務面の分析をしっかりと実施することはもちろんですが、事業計画の実行をサポートする実行支援業務に力を入れており、TV会議を利用して打ち合わせの頻度を上げることにより、経営陣の意識改革や組織としての一体感を醸成することを目指していきます。
さらに、弊社では、コンサルタントとしての関与のみならず、お客様の事業にコミットするために、自己資金投資をする場合があります。実際に、自己資金でエクイティの過半数を取得するハンズオン型の再生案件に取り組んでいる真っ最中です!!

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

自分で言うのもはばかられますが、あえて挙げるとすると、①バランス感覚、②仕事を楽しむ力、だと思っています。
①バランス感覚については、監査業務の現場責任者の経験と事業再生業務で身についたものかと思います。
現場責任者は、社外のみならず社内の調整も実施する必要があること、事業再生業務では、金融機関、債務者であるお客様、スポンサー等複数の利害関係者の利害調整が必要となるので、各利害関係者の利害に配慮した上での落としどころを作っていくという意味でバランス感覚が鍛えられたと思います。
今現在の仕事である、事業承継、M&A、事業再生業務は、いずれも、お客様にとって人生に一度あるかないかのイベントであったり、精神的に追い込まれている状況だったりすることもしばしばあるので、専門家として、経営、財務、会計税務、法務分野における知見を持つことはもちろんのこと、利害関係者の感情にも配慮した調整が必要だったりと、人間力も大切になります。そういう意味では、業務上必然的にバランス感覚が身に着いたのかもしれませんね。
②仕事を楽しむ力については、元々根明で前向きな性格というのもあるのですが、独立をすると、日々新しいことに取り組む必要があったり、お客様、従業員等から直接的なフィードバックがあったりするので、常に前向きで仕事を楽しもうという姿勢がないと身が持ちませんし、仕事で達成感を得るためには、そのプロセスに、「苦しさ」もしくは「楽しさ」が必要だと思うんですが、私は楽しめるように意識をしていますね。
当たり前のことですが、例えば、報酬に見合った価値を出せていなければお客様との契約は解約になり生活資金を気にしたり、社員個人のキャリアパスと会社のビジョンがずれていれば、社員のモチベーションは低下し辞めていったりします。そういう意味では、この点も、バランス感覚同様、必然的に身に着いた強みかなと思います。

片寄 学さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

社員個人の成長が、会社の成長につながっていることを実感できた瞬間が、一番のやりがい・嬉しさを感じます。社員が成果を残してお客様に感謝の言葉をかけられ、その社員指名で次の仕事の依頼がきたり、社員が元同僚など周囲の人に対して積極的にリクルート活動をしてくれたりした時ですね。
個人としては、事業承継、M&A、事業再生においては、お客様にとって一生に一度しかない重要なイベントのお手伝いをするので、お客様から深い感謝の言葉を頂いた瞬間はやはり嬉しいですね。また、お手伝いしたお客様や金融機関から新規のお客様をご紹介いただいた際には、自分が報酬以上の価値を出せていたということが客観的にわかるので、これはもっと嬉しいですし、やりがいを感じ、次も「もっといい仕事をしよう」という活力になります。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

監査業務についてルーティン業務が多く、制度上お客様目線になりきれない、など人並みに悩んだことは多数あると思います。また、あまり深く考えずに金融部を選んだこと、将来的な組織としてのビジョンを持たず独立したこと等、失敗と言ったら失敗なのかもしれません。そんな時には、いつも周りの環境のせいにはせず、自分に与えられた環境すべてを成長機会と前向きに捉えて、目の前のことに対して一生懸命取り組んで乗り越えてきました。
今では、それぞれの経験に素晴らしい出会いと学びがありましたし、私を形成しているかけがえのない経験だとも思えます。あの時こうしたらもっと近道できていたかもしれないなというのはありますが、逆にその近道をしていたら得られなかったものもあると思うので、結局無駄な体験はなかったと思います。

07

人生の目的と公認会計士という資格

人生の目的は、家族、社員、お客様、友人、周りの人すべてを幸せにして、結果として、自分自身も精神的経済的に自由になり幸せになることです。
公認会計士という資格について、監査法人に在籍しているときには、周り全員が会計士なので、あまり有難さを感じませんでしたが、独立後には、素晴らしい資格だと日々痛感しています。弊社では、大手金融機関や地域金融機関からの仕事の紹介を受けたり、上場企業の仕事をさせて頂いたりもしますが、もし自分に資格がなかったら、同じパフォーマンスを出したとしてもご紹介頂けていないと思います。そういう意味では、公認会計士という資格を取得していなかったら独立していなかったかもしれません。
私の場合、独立して、お客様や社員からの直接的なフィードバックを受けて、自分自身を見つめなおす時間が増えました。その結果、周りの人への感謝の気持ちが強くなりましたし、公認会計士という資格がきっかけで、人生の目的が明確となったといっても過言ではないと思っています。

片寄 学さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

弊社では、社員を大事にして、中小企業のお客様の経営課題を解決し、社員、お客様が共に成長することを理念とします。その輪を広げていくために拡大路線をとっています。その方針の中で、コアメンバー固めも含めて組織の土台を作っている状況なので、弊社の考え方に共感していただける、成長意欲が高く、素直な方をコアメンバーとして大募集しています!
また、将来的には、上記の輪を広げていくために、事業承継・事業再生ファンド事業の各地域での立ち上げ運営を実施したいと思っています。これは、今までの事業再生支援業務で蓄積されたノウハウを使って、お客様の事業にさらにコミットしたサービスが提供可能となるという意味と、実際に自分たちが事業を運営した経験が、事業再生支援業務(コンサルティング業務)にも良い影響を与えるという意味で、相乗効果があると考えています。

片寄 学さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

キャリアを模索する若手の会計士の方には、楽しく仕事をしたいのであれば、自分に与えられた環境、事象をすべて自己成長機会だと捉え、目の前の事に、全力で一生懸命に取り組んでほしいと思います。
監査法人に在籍している若手の方には、まずは監査業務に一生懸命取り組んでほしいと思います。監査業務は会計士の土台になる仕事だと思っていて、ロジカルシンキング、プロジェクトマネジメント能力など、会計士としてキャリアを歩んでいくのであれば、必ず役に立つ経験だと思います。一方で、究極的には成果物が同一であるからこそ、人それぞれ取り組み方によって得られるものの差は大きいと思います。
監査業務を一回りしたシニアクラスの方には、様々な考え方があると思いますが、個人的には、事業承継、M&A、事業再生という仕事は、若い時に経験値を積むには最適な業務だと考えています。経営、財務、会計税務、法務分野の専門的知識に加えて、利害関係者の感情にも配慮した判断ができる人間力が身につく業務だと思うからです。今後、AI時代に入り、AIでコト足りる仕事が増えていく中では、専門家のより高度な専門性に加えて、人間の感情に配慮できる人間力が重要になると思っています。AIのことを理解して業務に生かしていくことはもちろん、会計士の総合力が問われる時代になるかと思います。
加えて、会計士は魅力のある資格なので、自己分析やキャリアパスの検討をきちんと実施せずとも、それなりに良い条件で転職ができてしまうと思いますが、しっかりとしたビジョンや覚悟がないと、ジョブホッパーになってしまう可能性もあります。なので、自分への戒めも含めて申し上げると、日々の情報収集、自己分析、キャリアパスの検討は非常に重要なことだと思います。
会計士受験生の方には、まずは合格しないと始まらないので、正しい方法でひたすら時間をかけて一生懸命に勉強に励んでほしいと思います。