
株式会社I-GLOCAL
代表取締役
蕪木 優典
かぶらぎ ゆうすけ
チャレンジ精神・マネジメント力・課題解決力を活かし、ベトナム市場を牽引しながら、国境を越えたワンチームで挑戦し続ける
1972年2月16日生まれ(54歳) 東京都出身 東京都在住
慶應義塾大学経済学部 卒業 1996年合格

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キャリアサマリー
慶應義塾大学経済学部卒業
早稲田大学商学部 大学院会計学専攻入学(新井ゼミ)
公認会計士二次試験合格 大学院自主退学
あずさ監査法人(当時 朝日監査法人)入社
アーサーアンダーセン ベトナム(現在 KPMGベトナム)に出向
日本人初のベトナム公認会計士資格取得
ベトナムで独立起業(現在のIGLグループを創業)
カンボジア公認会計士登録
『これからのベトナムビジネス』(発行 東方通信社)を出版
『これからのベトナムビジネス2020年』(発行 東方通信社)を出版
私が日本人初のベトナム公認会計士として、キャリアを創造したきっかけは、学生時代の10回以上の渡越経験です。当時のベトナムは非常に貧しかったのですが、活気があり人々は幸せそうに暮らしていました。会計制度や税制もほぼ無くBIG4の事務所すらない状況に、野心を覚えました。そして私は「将来ベトナムで仕事をすれば、生きた証を残せる」という天啓を得て、会計士の勉強を始めました。
日本の公認会計士二次試験に合格したのは1996年で、同年、朝日監査法人(現在 あずさ監査法人)に入社、1999年にアーサーアンダーセンベトナム事務所に出向しました。
その後、2000年に日本人初のベトナム公認会計士資格を取得しました。2003年から現在に至るまで「I-GLOCALグループ」というベトナム含む東南アジア5拠点を中心とした会計士事務所を経営しております。
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監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
日本の会計士資格を取得後、私は朝日監査法人でベトナムへの出向を選択しました。当時、アジア駐在する会計士には、駐在後日本に帰任して出世できるようなキャリアは用意されていなかったので、かなり変わり者扱いされました。しかし、それでも会計士を目指すきっかけになったベトナムでの仕事に熱意を感じ、自身のポリシーを貫きました。
そして、現地事務所での勤務を経て、私は起業という道を選択しました。当時のベトナムには、BIG4が対応できないクライアントやサービスがたくさんあり、そこに着目したのです。事実、中小零細企業や日越合弁企業にとってBIG4の報酬水準は驚くほど高く、BIG4のクライアントにとっても監査以外の仕事を頼みにくい状況でした。また、ベトナムの現場レベルの仕事を、日本語や日本語の資料でやりとりすることが十分にやれる会計事務所がないという状況もありました。そのような状況だったので、私の存在は重宝され、知名度もすぐに上がりました。ありがたいことに起業当初は前職やその他BIG4から仕事の紹介を多くいただきました。前職の監査法人は、私にとって学び場であり、チャンスをくれた恩人でもあります。

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今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
現在、私はベトナム/カンボジアで会計事務所「I-GLOCALグループ」を経営しており、日系企業のベトナム/カンボジア進出の支援、そして現地での経営管理サポートなどを手掛けています。
その規模は非日系もあわせてベトナムでは最大級です。ベトナム会計監査協会(Vietnam Association of Accountants and Auditors 略称VAA)から、(監査法人を除く)会計事務所の2017年売上ランキングNo1として発表されましたし、グループの従業員数も約300名と、日系ビジネスに限っていえばBIG4レベルとなっています。
お客様の規模は千差万別で、中小零細ベンチャー企業から時価総額1兆円を超えるような大企業まで網羅しています。スポットの案件も合わせると毎年1000社超の企業からご依頼を頂戴しています。幅広い層の企業から、会計税務に限定されない依頼を受けているということも特徴です。
創業以来大切にしてきたのは、ベトナムの成長とともに、組織と人材の成長を促すことです。スピーディーに成長し変化するベトナムの事業環境において、常に当地で最適な経営モデルを模索し、実践し、その成功体験をお客様のベトナム法人経営の参考にしていただけるような会社経営を心掛けています。何年後かに会社をフルモデルチェンジしたいと熱望している方に弊社はオススメです。
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あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
私の強みは3つあります。それは「チャレンジ精神」「マネジメント力」「課題解決力」です。1つ目は「チャレンジ精神」。学生時代から、自分よりも優秀でスケールが大きい人がいる環境に身を置いてきたため、リスク覚悟で影響力を与える存在になるという向上心を持つようになりました。普通の人が難しいと思う未開拓な領域に果敢に取り組む姿勢を持つことが重要だと捉えています。具体的には、実際にベトナムで初の日本人公認会計士になり、リーディングカンパニーとしてベトナムの市場を牽引しています。
2つ目は「マネジメント力」。ベトナムやカンボジアでの会計事務所「I-GLOCALグループ」をマネジメントしております。日本とは全く違う、文化・言語・社会規範があるベトナムやカンボジアで、現地の大勢の人々をマネジメントすることは一般水準以上の代表としての実力が求められます。どの程度社員に寄り添ってサーヴァントリーダーとして会社をまとめられるかが重要なのです。だからこそ、会社の事業規模が大きくなった今でも、ワンチームで国境を越えて繋がることに現在進行形で挑戦し続けています。
3つ目は「課題解決力」。当社は、会計士事務所枠におさまらないサポートをしています。具体的には、これからのベトナムをイメージした上での、「ビジネスサポート」「ベトナム進出支援」「会計」「税務」「監査」「M&A支援」「人事労務」などです。クライアントが「ベトナムで何かやりたいならI-GLOCALに頼もう」と必ず思っていただけるように、継続的カイゼンとチャレンジをする企業文化創造を重視しています。

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
困難に直面し、それを乗り越えるために努力しようと決めたときに心が大きく動きます。思い返せば、ベトナム初の日本人会計士を目指したときも、ベトナムで起業したときも、最終的に頼りになったのは紛れもなく自分自身でした。そういった日々を過ごしていくうちに、何か形にすることばかりが成果なのではなく、最後までやりきった上で自分自身が正しい判断をすることが、仕事で成果を出す上で重要であることに気がつきました。決断の日々を過ごした上で、創業した会社の評判が年々高まっていることが生きるモチベーションとなっています。
また、以前弊社で働いていた人が他の分野で活躍している話を聞くときにも心が動き、最高の気分になります。人間には寿命がありますが、人が仕事をしていく上で掲げる信念は、人から人へ伝播するもので、後世にも永久的に引き継がれていくものだと思います。私自身、過去の先人の仕事への思いに影響を受けて、今真摯に仕事に取り組んでいます。私たちのもとから離れたとしても、過去に関わりのあった人が信念をもって各分野で活躍してくれているならば嬉しい限りです。
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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
私の場合、ベトナムで働くことをモチベーションとして会計士の資格を取ったため、果たして本当にこの職が自分にとって最適なのかと悩むことがありました。会計士であるからこそ、社会的には信頼され、いろいろとチャンスをいただけるという非常に良い面がある一方で、会計士と見られることで会計士の枠を超えることが難しいというジレンマを抱えていました。そこで監査法人時代に、少しでも興味があるものについては本を読んで調べてみたり、人を紹介してもらって話を聞いたり、海外を旅したり、思うままに行動したりしてみました。振り返ってみるとこれらの行動は学生の時に普通の就職活動を行っていない分の〝世間知らず〟を補っていたとも言えるかもしれません。そのような試行錯誤を経た結果、汎用性が高く、たくさんの会社に貢献できる可能性を秘めた会計士という仕事に魅力を感じ、その道を選択しました。
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人生の目的と公認会計士という資格
私の人生の目的は、良い意味で自分の生きてきた証を後世に残すことです。サラリーマンに不向き、個性的なキャラだと言われることの多い自分にとって、この資格をキャリアのスタートとして取得できたことは幸運でした。この資格のおかげで、ベトナムやカンボジアの会計士資格までも取得できました。ベトナム初の日系資本の会計事務所を起業できたのも会計士資格のおかげです。2011年のことにはなりますが、母校の高校で当時の高校1年生とその父兄向けに、私のキャリアなどについて講演する機会をいただきました。そのときの私の講演をきっかけとして、卒業後に公認会計士を目指し、公認会計士になった後輩がいたと聞いています。まさに自分の生きた証を後世に残すことができた一例であり、最高の喜びを感じました。
ただ、資格取得がゴールではありません。公認会計士という資格は、職種として汎用性が高く、あらゆる会社に貢献できる可能性を秘めていますが、重要なのは資格を取得した上でどのように社会貢献していくかなのです。

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これから成し遂げたい事、将来の夢
自分が起業したこの会社が社会に期待され100年企業になってくれればと願っています。そのためには、当社を存続させていくこと以上に、挑戦する力のある若い人達をたくさん応援していかなければならないと考えています。若い人には無限の可能性があると考えているので、たとえば私のように未開拓の地で会計士のキャリアを目指す若い人がいれば、最大限の応援をしたいです。
また、自分自身の目標としては、「面白い」と直感的に思ったことに、すぐに動いて時間や資金といったリソースを投入できる人間になりたいと考えています。ネットワーク社会が形成されるこの令和の時代、1時間前まで良いと思っていたものが次の瞬間には低い評価になってしまっているということは多々起こりうるでしょう。そうしたなかでも、会計士という資格にとらわれず、常にアンテナを張って何に対しても動ける準備をできるようにしていくことを目指していきたいと思います。

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
会計士の方への助言としては、この『会計士の履歴書』というコンテンツを大いに活用し、自分がベンチマークとすべき方を見つけてほしいと思います。会計士になってキャリアを模索するのは当然です。私自身も何度も仕事で悩みました。そんなときには、何が求められていて、いかに早く終わらせるか、どうやったらより効率よくできるかを考えながら楽しんで仕事をしてみてください。そうすれば、一緒に働いている先輩・上司からも良い評判を得て、新しい仕事が入ったときに仲間に加えてもらえるでしょう。そして、それを繰り返していくことで、仕事の幅も広がり、自身のやりたいことも実現できるようになるはずです。いきなり「やってみたい」と思っていることをできるわけではないだろうし、そもそも会計士になりたての経験・情報量が少ない中で「やってみたい」と思っていること自体が、本当に自分がやりたいことなのかどうかもわからないと思います。ですから、まずは目の前の仕事に辛抱強く取り組んでみてください。そして、自分自身が変わらなければならないタイミングが来たら一気に変われるような体力と行動力を磨き続けてみてください。
一方で受験生は、合格後のキャリアを『会計士の履歴書』を参考にしてイメージし、ぜひ早めに合格してください。なぜ会計士を受験したいのか、合格してどんな人になりたいか、ということを自問して自分なりに答えを出し、勉強をゲームのように楽しめることができれば、必ず合格にたどり着けるはずです。逆に言うと、そのイメージができないのであれば、他の道を選んだほうが幸せになれるかもしれません。実際、私の知り合いでも別の道を選んで幸せになっている方は何人もいます。とはいえ、会計士には無限の可能性がありますし、私は楽しい仕事だと思っているので、一人でも多くの方が会計士を目指し、社会に貢献してくれることを願っています。


