会計士の履歴書
伊藤 章子

伊藤章子公認会計士事務所

代表

伊藤 章子

いとう あきこ

監査・税務の経験を生かして自由に何事にも果敢に挑戦するバイタリティ女性会計士

1970年代生まれ 大阪府出身 埼玉県在住

法政大学 法学部/京都産業大学大学院 法学研究科 卒業 2004年合格

伊藤 章子

01

キャリアサマリー

【動画】

<a href="https://youtu.be/O2jZ-fiYK0M"target="_blank">伊藤章子</a>

2004

大学院修了後、公認会計士試験に合格し、新日本監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)に入所 10年間、上場会社を中心としたクライアントの会計監査、内部統制監査、IFRS導入支援業務等に従事

2014

クリフィックス税理士法人に転職 3年間、上場会社及びIPO準備会社を中心としたクライアントの会計・税務コンサルティング業務、税務申告書作成業務、開示資料作成支援業務等に従事

2015

ペットゴー株式会社 社外監査役就任(社外取締役監査等委員として現任)

2017

個人事務所を開業し、会計・税務コンサルティング業務、内部統制、内部監査支援業務等を提供

2019

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 社外監査役就任

2023

株式会社RevComm 社外監査役就任、プリモグローバルホールディングス株式会社 社外取締役監査等委員就任

「女性こそ、手に職をつけて働くべき。」という会計事務所勤務の母の勧めで、大学から税理士試験、大学院から会計士試験の勉強を始める。

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監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

キャリアの基礎を作ってくれた監査法人時代

監査法人では、10年間、国内監査部に所属し、監査法人の監査対象としては比較的規模が小さく、内部管理体制が未整備なクライアントを多く担当した。そのため、会社の作った資料を検証する前段階で、クライアントに対して、必要な内部管理体制、会計基準の考え方、資料の作り方などをレクチャーする事に多くの時間を費やした。

規模の小さいクライアントを多く担当していた分、製造業、小売業、不動産業、旅客運送業、ソフトウェア業など様々な業種のクライアントの監査業務を経験することができた。担当クライアントによって、監査チームの編成が異なるため、沢山のメンバーと仕事をする機会があり、多様な仕事の進め方を学ぶことができた。仕事量が多く、体力的に大変な時期もあったが、クライアントやチームメンバーに恵まれたおかげで、クライアント先で仕事をする事が楽しくて仕方がなかった。

コンサルの仕事に目覚めた税理士法人時代

監査法人10年目にして、よりクライアント目線で仕事をしたいという思いが強くなり、中堅税理士法人に転職した。もともと大学時代は税理士になろうと税理士試験の勉強からスタートし、会計士試験合格前に税理士試験にも合格していた経緯もあり、いつかは税務実務にも携わりたいと思っていた。

税理士法人では、3年間、「クライアント・ファースト」という法人の理念に深く共感し、会計・税務コンサルとして、ただひたすらに、クライアントに喜んでもらえる仕事をすることに注力した。法人内には尊敬できる税理士の先輩が沢山いたので、とても刺激的で勉強になった。と同時に、お金に直結する税務の難しさ、厳しさも知り、税務業務に対しては相当慎重に取り組まないといけない事も学んだ。

徐々に私個人を指名して仕事を依頼してくれるクライアントが増えてきたので、自分を求めてくれるクライアントに対して、よりフットワーク軽く、自分が提供し得る最大限の業務を提供したいと思い、2017年10月に個人事務所を開業した。

伊藤 章子さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

仕事の内容

今現在は、監査法人、税理士法人での経験を活かして、主に上場会社、IPO準備会社に対して、①会計、税務コンサルティング業務、②内部統制、内部監査の支援業務、③社外役員をしている。

①会計、税務コンサルティング業務
メインの業務であり、日常の会計、税務に関する相談業務に応じたり、四半期決算毎に、クライアントに出向き、会社が作った決算書、開示資料等を監査法人に提出する前にチェックをしている。税金・税効果計算、連結決算、複雑な注記情報等、クライアント単独では作成困難な資料については、自ら作成することもあるが、単に作成した資料をクライアントに提供するだけでなく、経理メンバーの人材育成の観点から、資料作成に必要な会計基準、税務の考え方や具体的な算定方法をレクチャーすることで、次回からは内製化できる体制にすることを心掛けている。

会計、税務上の論点については、クライアントとコミュニケーションを取りながら、クライアントと一緒に会社としての見解を固めている。監査法人との協議に必要な資料を作成したり、協議の場に会社側のメンバーとして同席し、会社の見解を説明したりすることもある。今の監査法人は、会計士不足や監査手続の厳格化の影響で、以前よりもクライアントと丁寧にコミュニケーションを取れる時間が少なくなっているので、監査法人での監査経験に基づくアドバイスはクライアントからとても重宝がられている。

資本・業務提携、組織再編等の取引については、計画段階から相談を受け、事前に会計、税務、監査上の論点の洗い出しを行っている。これらの相談は、経営陣から直接受けることが多く、クライアントの経営の方向性を知ることができるとともに、経営陣と直接のコミュニケーションを取ることで自身の存在価値をアピールできる絶好のチャンスでもある。

②内部統制、内部監査の支援業務
クライアントの国内拠点及び海外拠点の内部統制、内部監査の支援をしている。企業不正や不祥事が多発する中、内部監査によるガバナンス強化のニーズは非常に高いが、中小規模の会社では人手不足や能力的な観点から社内に内部監査の専任者を置くことが難しい状況にあるため、私のような外部の専門家に支援を依頼する会社が増えてきている。内部監査の一環として実施する経営陣とのディスカッションや従業員へのヒアリングの際にも公認会計士や公認不正検査士の資格を有する第三者という点で、社内の人には言いにくいような事項についても非常に率直な意見を聞かせてもらえることが多く、より実効性のある監査ができていると感じる。必要なガバナンスの整備は不可欠であり、その一翼を担うことができるというやり甲斐を感じながら、仕事に取り組んでいる。
下記③の通り、自身も社外役員をしていることから、取締役の職務執行を監査する監査役という立場と、経営プロセスを監査する内部監査という異なる立場を経験することは、社外役員としての業務を行う上でも非常に有益だと考えている。また、①の会計、税務コンサルティング業務は、どうしても四半期に仕事が集中する中、内部統制、内部監査の支援業務は決算繁忙期を避けて仕事ができるため、稼働時期としても独立会計士にとってはとてもありがたい仕事だ。

③社外役員
最近は、国を挙げての女性活躍推進や有価証券報告書への女性役員の人数、比率の記載の義務化等の取組みにより、社外役員として会社に関与して欲しいという依頼も多く、現在、3社の社外監査役に就任している。日本の女性役員比率は非常に低いが、従業員、顧客、株主等のステークホルダーには女性も多く、役員会においても女性の視点や感性を取り入れることは重要だ。

これから徐々に生え抜きの女性役員も増えていくだろうが、すぐに社内から多くの女性役員を輩出することは男性からの抵抗もあり、難しいかもしれないので、まずはその前段階として、私のような社外の女性専門家を役員として登用し、役員会で女性が堂々と発言できる雰囲気を醸成していくことは社会的意義のある重要な業務だと感じている。

仕事の特徴

①メインクライアントは、上場会社及びIPO準備会社
メインクライアントは、監査法人時代に監査をしていた上場会社や友人・先輩会計士から紹介してもらった上場会社、IPO準備会社だ。自分の強みは、10年間の大手監査法人での上場会社に対する監査経験と3年間の中堅税理士法人での上場会社及びIPO準備会社への会計、税務コンサルティング経験なので、これからも、自分の強みを最も発揮できる上場会社、IPO準備会社をメインクライアントとして、仕事をしていきたい。

②Face to faceのコミュニケーション
事務所で仕事をするよりも、クライアント先で仕事をしている時間の方が長いのが、私の働き方の特徴だ。監査法人時代から、現場至上主義で、クライアントから何か相談事がある際は、できる限り、メールや電話で終わらせる事なく、短い時間でもクライアントのオフィスに行き、対面で対応するようにしている。オフィスに行くと、メールや電話だけでは伝わらない社内の雰囲気や相談事に対する緊迫感を知ることができ、また、そこから新たなニーズが生まれてくる事も多くあるので、「会計士業界の三河屋」、「会いにいく会計士」を目指している。

③人事に関するコンサルティング業務
クライアントで働く時間が長いと、自ずと社内の人間関係やメンバーの仕事ぶりが見えてくるので、最近は、クライアントのニーズに応じて、管理部門の人事評価、人事・採用戦略に対するアドバイス、採用面接への同席といった人事に関するコンサルティング業務も行っている。まさに、組織は「人」で決まるので、社外の人間ながら、クライアントの人事に関与する機会をいただけることは、とても光栄なことだ。

④信頼できる専門家仲間との連携
今のところ、従業員を雇う予定はないため、自分一人では対応できない業務については、信頼できる弁護士、会計士、税理士、社労士等の専門家仲間と連携しながら対応している。サラリーマン時代は、同じ士業でも受け身で仕事をする人が多く、自分との熱量の違いにストレスを感じる事があったが、独立して仕事をしている専門家で受け身の姿勢で仕事をする人はおらず、前のめりな人ばかりなので、熱量の高い専門家仲間とともにクライアントにサービス提供できる今の環境は、クライアントにとっても自分にとってもメリットがあると考えている。

キャリアパス

クライアントの方からは、CFOとして社内に入って欲しいと依頼をいただく機会もあるが、今は、社外だからこそできる仕事を追求していきたい。イノベーションには「若者、バカ者、よそ者」が必要と言われているが、「よそ者」だからこそ、社内の常識にとらわれず、それぞれのクライアントを客観的に観察した上で、適切なアドバイスができると考えている。より適切なアドバイスができる「よそ者」となれるように、より多くのクライアントの仕事をすることで、自分の経験値を上げていきたい。そして、クライアントにとって一番身近な社外の専門家として、コーポレート・ガバナンスを担う存在であり続けたい。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

強みは「コミュニケーション能力」、「親しみやすさ」、そして、「タフさ」。
クライアントの方からは、「良い意味で会計士っぽくない。」、「偉そうじゃないから親しみやすい。」、「何でも相談しやすい。」と言っていただく事が多い。

コミュニケーション能力

仕事をする上で、クライアントと上手くコミュニケーションを取る事が最も重要な事だと考えている。クライアント内の色々な方と上手くコミュニケーションを取る事が出来るようになると、会社の情報が自然と自分の耳に入ってくるようになり、今、社内で問題になっている事がよく理解でき、クライアントニーズに合ったアドバイスが出来るようになる。
自分と同じような、いや、それ以上の能力、キャリアを持つ会計士が沢山いる中、何かあったときに、まず私に相談したいと思ってくれる方を1人でも多く増やすことが、この仕事を続けていく上でとても重要だと考えている。

親しみやすさ

クライアントの方とは、仕事とプライベート関係なく、仲が良く、会計、税務、監査の専門的な話だけでなく、プライベートな事までご相談いただける関係が築けている。クライアント内での懇親会、ゴルフコンペ、運動会、社員旅行など、お誘いいただければ喜んで参加し、親睦を深めている。最近、クライアントの方が私の働きぶりをみて、ご自身の息子さん、娘さんを会計士や税理士にしたいと進路相談いただく事が増えてきており、この上ない幸せを感じている。

タフさ

性格的に、小さなことは気にしない。何か嫌な事があっても、気の合う仲間とパーッとお酒を飲んで、美味しいものを食べて、一晩寝れば大抵のことは忘れられる。だから毎日元気でいられる。元気があれば何でもできる。
会計士は真面目で、思った通りに仕事を進められないと思い悩み、メンタルを病む人もいる中、ある意味、これは特技と言える。コンサルである以上、クライアントに暗い顔は見せたくないし、私が訪問したら職場の雰囲気が明るくなる、また来てもらいたい、と思ってもらえる存在でありたい。

伊藤 章子さん

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

上場会社やIPO準備会社をサポートしたいと思った原点

監査法人では業績不振のクライアントを担当する機会も多くあり、中でも上場会社については、継続企業の前提の検討を初めとしたかなり厳しい監査手続を実施した。利益計画の精査、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性、引当金の計上の検討など、業績不振時の監査手続に対応するクライアントの負荷は相当重く、大変だったと思うが、社長を筆頭に皆さんが一丸となって、真摯に監査に対応してくれて、その時、上場会社としてのプライドを感じた。

無事、すべての監査手続が終わり、監査報告書を提出できた時は、本当にホッとした。クライアントの方からも「伊藤さんがいなかったらこの決算は乗り越えられなかった。頑張ってくれて、ありがとう。」と言ってもらい、涙が出そうなほど嬉しかった。「会社を健全に守り続ける」という信念やプライドを持った方々と仕事ができる環境は、何より誇らしく、それが今も上場会社やIPO準備会社をクライアントとしてサポートしたいと思う原動力となっている。

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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

お節介な性格を活かすべく、監査法人からコンサルの世界へ

公認会計士として、というより、監査法人時代は、会計監査をする立場の会計士として、クライアントとの距離感の取り方に悩む事があった。お節介な性格から、どうしてもクライアント目線で、クライアントの役に立つ仕事をしたいと思ってしまい、ついクライアントの方と仲良くなってしまうので、監査法人のパートナー(監査責任者)からは、「もっと会計監査人としての独立性を持たないと。」と釘を刺されることがあった。

監査法人での監査業務に一定のやり甲斐や社会的意義を感じていたが、お節介な性格は自分のパーソナリティで、最大の長所でもあるので、長所を最大限に発揮できる仕事に就いた方が良いと判断し、監査法人は10年で区切りをつけ、クライアント目線で仕事ができるコンサルに転向した。

監査法人では女性の管理職比率を上げようという取り組みがあったので、退職時は色々な方から「伊藤さんなら頑張ればパートナーに上がれたのに、もったいないね。」と言っていただくことがあったが、やはり、自分の特性に合わない仕事を長くは続けられないし、今、コンサルとして、クライアントに近い立場で、同じ目線で仕事ができることが何よりも楽しいと思えるので、あの時の選択は間違っていなかったと感じている。

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人生の目的と公認会計士という資格

モットーは、「自由に楽しく生きる!」

会計士試験に合格した当時に思い描いていた未来予想図では、今頃、3人の子育てをしながら、仕事もバリバリやっている肝っ玉母さん。残念ながら、子宝には恵まれなかったので、今は3人の子育てに充てるはずだった有り余るパワーを100%仕事に捧げている。

ずっと、「努力すれば何でもできる!」と信じて、税理士試験、会計士試験など色々な事に猛烈に取り組んできたが、初めて努力してもどうしようもない事があるという現実を知り、落ち込むというよりも、吹っ切れた感じ。これは、私には子育てよりも仕事が向いていると神が判断した結果だと今は前向きに捉えるようにしている。

今の仕事が大好きで、頭と身体が動く限りは働き続けたいと思っているので、会計士、税理士という資格を使いながら、仕事を通じて、自分の身近にいる人に少しでも良い影響を与え続ける事ができれば、自分にとってとても幸せな人生だと思う。働き方改革で労働時間が制限される中、誰からもコントロールされることなく、自分を選んでくれたクライアントのために、好きな仕事を好きなだけ、存分にできる今の環境は、会計士の資格があるおかげだ。

私とは対照的にジェネラリストとして働く公務員の夫は、会計士や税理士の仕事とは無縁のため、私がどんな仕事をしているのか、未だにわかっていそうにないが、毎日、忙しく飛び回り、楽しそうにしている姿を見て、「天職に巡り会えて良かったね。」と応援してくれている。

伊藤 章子さん

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これから成し遂げたい事、将来の夢

スタートアップ企業の良きパートナーとなる!

サラリーマン時代は、法人の看板、信用力があったので、大企業と仕事ができる機会も多くあったが、開業した今は、自分の力で勝負するしかないため、個人事務所とは取引しない、というスタンスの大企業の仕事はできない。

しかし、今の自分と同じように、法人の看板や信用力に頼ることなく、自分の可能性を信じて起業したスタートアップ企業にとっては、むしろ私のように個人で働く会計士・税理士は非常に使い勝手が良いと思う。これからは、スタートアップ企業の良きパートナーとして、事業の成長を加速させる力になりたい。その中で上場を目指すクライアントが出てきたら、全力で応援したい。

もちろん、上場することがすべてではないが、上場会社となることで、会社の知名度、信用力、資金調達力は格段に上がり、自分たちが良いと思うモノ、コトを、社会のより多くの人に広めることができる。今は、スタートアップ企業のメンバーの気持ちをより深く理解できるパートナーとなれるよう、積極的に彼らと交流ができるイベントに参加したり、新しい技術やトレンドをキャッチアップしたりするようにしている。

活躍する女性会計士を増やすことで社会に貢献する!

現在、日本公認会計士協会東京会の女性会計士活躍促進プロジェクトチームに所属し、女性会計士が社会で活躍していくために必要なセミナーや交流会を企画するチームのリーダーをしている。このプロジェクトチームの活動を通じて出会えた女性会計士の皆さんは、とてもパワフルで前向きで頼りがいがあり、尊敬できる方ばかりなので、これからは自分も諸先輩方のように後輩に頼られる存在になっていきたい。

現状、公認会計士として働いている女性は会計士全体の20%に満たないが、正義感、責任感の強い女性は、監査の仕事にとても向いているし、コンサルの仕事をするにあたっても、女性の視点や感性を活かせる場面は多くあるので、これから生き生きと働く女性会計士をもっと増やしていくことで、社会に貢献していきたい。

伊藤 章子さん

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

サラリーマンから独立開業を選んだ経緯

私はもともと開業する気はなく、一生、サラリーマン会計士・税理士として組織内で働き続けるのだろうな、と漠然と思って仕事をしていた。しかし、サラリーマンとしての経験年数を重ねるにつれて、自分が専門家として仕事をする上での本質と考えるクライアントサービス業務ではない、内向きなことにストレスを感じる機会が多くなってきたので、このまま一生、専門家としての仕事とは関係のない部分でのストレスを抱えて働くよりは、多少のリスクを取ってでも、独立して、本業以外の悩みを抱えることなく、自由に働こうと思うに至った。

今のところ、ストレスフリーな環境で、自分のやりたい仕事ができているので、心身ともに健康的な生活を送っている。開業すると収入が安定しないというデメリットはあるが、会計士・税理士の資格があれば、最低限の生活はできるし、上手くいかなければサラリーマンに戻ることもできるので、自分の力で勝負してみたいと思う気持ちのある会計士は、一度、挑戦してみる価値はあると思う。

開業を目指す会計士へ

私が開業するにあたり恵まれていた点は、開業すると決めた時点で、私個人と契約したいと言ってくれたクライアントが複数社いたという点だ。それらのクライアントは、いずれも、開業前に、私が組織に所属する会計士、税理士として仕事をしてきた中で、組織の一員としての私ではなく、私個人を評価し、個人でも信頼できると判断して、選んでくれたクライアントだ。

開業後もサラリーマン時代に懇意にしていたクライアントの方が転職したり、起業した際に、仕事を依頼いただくケースや会計士の先輩や友人から仕事を紹介してもらうケースが多く、新規の仕事を含めて、今までの繋がりのおかげで仕事が回ってきていると感じている。

開業しようと思うなら、開業後のまだ見ぬクライアントに思いを馳せるのではなく、まず今、自分の身近にいるクライアントの方や仲間を大切にし、その方々に喜んでもらえる仕事をすることが一番だと改めて思う。

会計士受験生へ

会計士試験は試験勉強自体も社会で役に立つ知識ばかりなので、とにかく前向きに、頑張って勉強して欲しい。今思うと、勉強だけに専念できる環境はとても贅沢で貴重な時間だ。是非、「会計士の履歴書」を読んで、試験合格後の明るい未来を描いて、モチベーションを上げて、短期決戦で、合格を勝ち取ってもらいたい。