
井出公認会計士事務所
代表 スタートアップアドバイザー
井出 彰
いで あきら
仕事の幅の広さがベンチャ―の魅力。ネットワークとコンサルティングの知見を生かして企業成長に貢献
1987年7月30日生まれ(39歳) 東京都出身 東京都在住
慶應義塾大学 法学部政治学科 卒業

01
キャリアサマリー
あずさ監査法人、国内・国際監査事業部に所属。
フロンティア・マネジメントにて、経営コンサルティング、企業再生等のコンサルティング業務、M&Aの財務DD等に従事。
株式会社うるるに転職。上場準備全般・経理・財務・IR・経営企画等に従事。
井出公認会計士事務所開業
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
あずさ監査法人では基本的には国内の大企業、中小企業を半々くらいの割合で法定監査業務にあたっていた。約3年経験を積んで一通り監査の流れがわかったことと、事業に関わる仕事がしたいと思い、転職を考え、自分の会計の強みも活かせるコンサルティングファームへの転籍がいいのではないかと考え、フロンティア・マネジメントに転職した。実際に企業再生の案件で、中期経営計画を策定する際には財務3表の関係性を熟知しているという点等で、会計の知識は役に立ったし、その会社で社会人としてかなり鍛えられたと思う。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
現在は独立開業し、会計事務所を開業し、IPO準備企業を中心に、IPO準備全般のアドバイザリー業務等を行っている(具体的には、CFO代行や、会計、内部管理体制の構築、業務のアウトソーシングのコンサル等)。また、自分で事業もやっていこうと考えている。
独立前は、ITベンチャーでIPO準備、予算統制、経理、IR、M&A検討、経営会議、取締役会運営等の業務を行ってきた。
コンサルで働いているときに、学生の頃からお世話になっている方を介して紹介され、事業会社にいってみたかったことと、IPO準備が楽しそうであったことと、責任あるポジションを任せてくれるということを聞き、転職。
ベンチャー企業であったことと、自分もいろいろやっていきたいと思っていた時だったので、様々な領域を担当させてもらった。またコンサル時代に比べると、時間にも余裕はあったので、積極的に外部の人との交流にも時間を使うようにしていた。コンサルティングファームにもいたことがあるので、仕事の幅は広かったと思っている。
独立後の現在も、IPO準備の実務に携わった専門家はあまり多くないので、実務経験があることを強みに、経営者やCFOに寄り添いながら、IPO準備のプロジェクトマネジメントや、経営者の相談に乗ったり、手を動かす業務も行っている。
04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

自分の強みは、フットワークの軽さだと思っていて、現在の仕事においても、とりあえず参加してみたイベントから知り合いができ、それが業務の受注につながったり、逆に知見を持っている人と知り合い、一部業務を発注したり等、そういう仕事の仕方をしている。最近だと、『yenta』というビジネスマッチングアプリがあるので、そういったものはとりあえず使ってみることにしている。今は無料でいろんなツールが使えるので、どんどん使うべきだろう。ランチの時間もただご飯を食べるだけとか、社内の人とのコミュニケーションに使うだけでなく、都内の割と近いところに職場がある方に会いに行くとか、そういったアクションをとっている。そうすることで、ガチガチした仕事の関係だけでなくラフな関係の知り合いができ、そういう知り合いのほうがその後また会って仕事等の話に広がることが多く、また自分の知見の範囲外のことを周りに気軽に聞ける人がいるのは強みとなるはず。
また、すでに3社で働いたことは強みだと思っている。一般的な転職市場では、すでに2回も転職していることとなるので、それだけ聞くと印象は良くないかもしれないが、自分のこれまでの経験は1社にずっといたらこのスピード感では経験できなかったと思う。それに、自分の市場価値は常に把握しているつもりではあるので、自分がどの会社に行っても、ある程度の価値は提供できること、また逆に自分に足りてないことも見えているので、虚勢を張ることなく、自分の現状を素直に伝えるようにしている。そういったことからなのか、年上の人に気に入られることが多い(笑)。とりあえずやってみようと思うタイプで、割とリスクテイカー(最低限のリスクヘッジはしてるが)なので、会計士っぽくないねと言われることが多いが、それは自分の中では褒め言葉として受け取っている。
あとは、スキルセットという意味では、コンサルで働いてもいたので、考えの基礎にロジカルシンキングがあったり、利害調整等は一般的な会計士より長けているかなと思う。
また、話を盛らないようにしており、独立してからも、正直ベースで人と喋っているので、無理なことを請け負うことはなく、うまくコントロールができているし、そういった素直さみたいなところからか、年上の人から気に入られることが多く、仲良くなって業務を発注してくれていることが多いように感じる。
05
仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
正直に言うと、超満足感とか超達成感を感じたことはまだなく、ベンチャーでの業務では、IPOというものが形があるものでわかりやすく、眼の前の目標であったが、特にIPOできたことによって、達成感や満足感は得なかった(安心感はあった)。
個人的にはそれは現状にはまだ満足しておらず、さらに高みを目指せることだという解釈をしており、良いことだと思っている。
自分なりに超満足感とか超達成感を味わうにはどうしたらいいのかを考えてみたところ、なにをやるかではなく、さらに当事者意識を持つ事が必要であって、そのためにはさらに上の役割でことを成し遂げること、及び組織の初期の段階から関わること、もしくは自分で直接的に稼ぐことが必要だと思っていた。
そういう思いもあって独立したのだが、独立後は、困っている企業に対して、悩みを聞いたり、それに対してどういった業務が提供できるかを提案したり、営業のようなこともしているが、それが非常に楽しく、頼りにされたときは嬉しいので、自分は企業勤めよりも、たくさんの企業に関わる現在のような仕事のスタイルが性に合っているように思う。
06
公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
会計士としてと言うよりも一社会人として自分のキャリアについて悩むことはよくある。そういう意味では今も悩んでおり、どのタイミングでなにをするのか、それをするためには自分のスキルやどういった環境に身を置く必要があるのか等はよく考える。
07
人生の目的と公認会計士という資格
会計士という資格のメリットは2つあると思っている。1つ目は、割と良い防具になること。2つ目は、初対面の印象の良さだ。
自分の人生の目的は“楽しく生きること”だ。そのためにはある程度の自由が必要だと思っていて、時間や場所にとらわれず、また一つの仕事・会社に縛られず、自分で仕事を作り出している人たちを尊敬しています。その目的を達成する意味において、会計士の資格は防具にはなるので、リスクを冒すことが資格がない状態と比べると比較的たやすいと思っている。また、初対面の信用度の良さも割と重要だと思っていて、何も知らない状態から信頼を得ることはすごい力がいる。ただ資格を持っているとそのスタートの信頼が0ではなくわずかにある。ほんのわずかで最終的には本人の実力次第ということは言うまでもないのだが、そのほんのちょっとの信頼感は有利に働くものと思っている。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
自分個人の名前を売っていくこと、そのためには、フットワークの良さをさらに活用することと、さらなる成果を出すことが必要だと思っている。やりたいことは変わることがあるが、会社の看板に頼ることがなくなった今の状況で、自分個人にオファーが来るような状況になるのが理想だと思っている。また、自分で事業を作るのも目標だ。そして、ビジネスの世界で活躍されている方の多くは、プライベートも普通の人以上に充実させている方が多いので、自分も仕事とプライベートをくっきり分けることなく、両方充実させていきたい。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
監査法人で、パートナーを目指してずっと生涯働くのはいい選択肢であると思うが、いずれ出ていくつもりであるのであれば、早めに出たほうがいいと思う。ある程度特殊な業種なので、一般的な企業で役に立つスキルばかりではないし、そのモチベーションで働くより、やりたいことをやっているときの方がはるかに得られるものが多い。
また、学生のうちに、会計士の資格を取られた方は、普通の就活を一通り体験することを勧めたい。是が非でも会計士になって監査法人に入りたいという意志が強い人はする必要はないと思うが、そうではなく、とりあえず資格の勉強を始めたという人も多いはず。そういう方々は、とりあえず監査法人ではなく、いろんな選択肢を見た上で、意思決定をしたほうが絶対に良いと思う。今、私が新卒の立場であるならば、投資ファンドや、総合商社、M&Aファーム等、経営の最前線と深く関わりのある仕事をしたいと思う。もちろん、会計士の勉強で得た知識は役に立つと思うし、これらの会社に行ってから監査法人に入ることはできるし、むしろその方が活用できるとも思える。
また、結局ビジネスは人と人とのつながりなので、勉強が終わった受験生、すでに監査法人で働いている人は、色んな人に積極的に会うアクションを起こすことを勧めたい。若いうちは、若くて会計士というだけである程度興味を持ってくれるし、そうでないならばなにかこちらからもgiveできるものが必要となるかもしれないが、いずれにしろ受動的ではなく、能動的に動くことからいい話は舞い込んでくると経験的には思うので。
例えば、ベンチャーに行ったときに、社内には誰も詳しい人がいない、そういうときは社外の詳しい人に聞くことが一番有効となる。そのために、色んな人と知り合い、仕事なのかプライベートなのかよくわからないような関係となり、なんでも気軽に質問・相談し合える人を作ることがいいと思う。


