会計士の履歴書
市村 浩子

株式会社global bridge HOLDINGS

管理部 取締役 兼 管理部長

市村 浩子

いちむら ひろこ

バックオフィスは事業を伸ばす支え。成長中の福祉企業に最適なバックオフィスづくりに貢献

1980年代生まれ 埼玉県出身 東京都在住

中央大学 法学部法律学科 卒業

市村 浩子

01

キャリアサマリー

大学4年生の時に公認会計士試験に合格し、新日本監査法人に入所。国内監査部に所属し、地方金融機関、IPO準備企業、大手メーカーなどの監査に携わる。J-SOXの導入支援業務やIFRS移行支援業務なども行う。

その後、会計系コンサルティング事務所でファンドの投資支援や再生業務を行ったのち、株式会社global bridgeに、保育園開園コンサルタントとして入社。全国のクライアントに対し、保育園を立てるためのコンサルティングを行う。その後事業開発担当となり、自社認可外保育園の管理を行うとともに、自社で初の認可保育園設立事業を推進。自社IPOに向けて管理部長となり、管理部門の整理を一から行うとともに、上場プロジェクトを推進する。2017年上場。

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人では国内部門でしたが、入所1年目に地方金融機関監査に携わる機会がありました。そこで自己査定業務に携わり、多くの中小企業の数字を早いうちから見る経験ができたことが、会社の数字を俯瞰的にみる大きな経験となりました。また、その業務で出会った2年上の先輩の人柄や仕事に対する姿勢に惹かれ、仕事においてはとても厳しい先輩で、当初はそれを苦しく思うこともありましたが、逆にそこに飛び込んでみたい、もっとその先輩と一緒に働きたいと希望し、その先輩がメインで担当していた当時上場前後であったベンチャー企業の監査に携わりました。その企業では、事業のスキームを考えることと会計処理は切っても切り離せないものであること、会計処理をどう表すかまで決めて、初めて創業者の想いが実現されること、管理部門のスキームを整えることの難しさと大切さ、そこにかける人の情熱を学びました。

また、もう一つの大手メーカーでは、十数年働いてやっと課長になれるという中で、管理部門の人がどういうモチベーションを持ち、会社に対してどのようなインセンティブがあるのかということを知り考える経験をしました。その後、当時の家業等の事情により中小企業に携わる必要性があり、監査法人で経験した上場企業の管理部門を知った経験を活かしながら中小企業の現実を見て支援がしたいと思い、会計コンサルティング会社というキャリアを選択しました。

市村 浩子さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在は、福祉企業の管理部長として働いています。管理部ではすべての経理処理から決算開示まで、また資金調達を行っています。福祉事業の特徴である社会福祉法人会計応対も行っています。もともと弊社に入社した理由は、事業側の構築がやりたいと希望したことで、会計士としての資格を活かすことは考えていませんでした。実際の現場を自分の目で見て、事業を伸ばしていくことをやりたいということです。現状の管理部の仕事でも、メンバーに、数字を記号としてみるのではなく、その裏にある事実を大切にすることや、事業を伸ばす中でバックオフィスとしてどうあるべきかということを考えながら仕事をするように伝えています。これが今の仕事の特徴です。

弊社が成長途上であることもあり、売上や運営施設数は倍々に増えていき、月単位で利害関係者が増えている状況にあります。その状況の中で、事業の生産性として良いことは何なのかを常に先を見て変えていく、それを現場に落とすということを意識して仕事の提案をしてもらうようにしています。また、管理部門以外の新規プロジェクトの形を固める仕事、社内メンバーがそれをできるように道を整えることを行うことも多いですが、これも同じで、事業を伸ばすためにどのようなことが必要かを考えて、社内メンバーがそれをできるようにサポートすることを意識しています。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

強みは、自分の領域にとらわれず、事業目的に沿って最適な方向性や解を考えることと、0から1を作ること、それに向けて整理することが得意です。絵を描くことだけは、誰でもできるのですが、それに対して、実際にある程度ランディングするまで周りを巻き込んで遂行していくことが得意です。今の仕事でも、成長著しいなか、解決していかないといけないこと、将来のための種まきが必要なのですが、チームメンバーにもその大切性を理解してもらい、その活動をしていってもらっています。

市村 浩子さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

保育園開設コンサルティング事業の中で、自分が携わった保育園が出来たときのことです。「自分の子どもが待機児童になったから保育園を作りたい」という主婦の方がいて、自治体折衝、地主折衝、金融機関折衝、近隣への販促活動、従業員採用を経て、保育園が出来ました。

一個人である主婦の方が、大掛かりな内装工事が必要な物件を借りたり、金融機関から事業資金を融資してもらったりしなければならず、保育園開設までには長い道のりがあります。その道のりを完遂するために、まずは私自身が情と理の両方を鍛えて、情報収集を行うことや、相手に応じた計画や数字の見せ方を工夫すること、コミュニケーションスキルを強化しました。と同時に、創業するご本人が“保育園経営者”という軸で情と理の両方を鍛えていくことを支援し、その両方が合わさり、結果として関係諸機関の方に保育園の必要性を理解していただき保育園を開設することができました。待機児童を減らすために保育園が必要だと感じた一人の主婦の方の夢が現実になり、そこに子どもたちが通う姿を見たときは心が動きました。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

地方で民事再生企業の再生計画作成の仕事に携わったとき、その地方には働き口のある企業が3つほどしかなく町民の3分の1の雇用を担っていました。もしその企業が破産を選択すると、3分の1の人の働き口はなくなり、その町においての就職口はありません。会計知識だけではできることが限られているという無力さを感じ、自分が提供している価値は何なのか、と深く悩むようになりました。

その後、事業自体を理解し伸ばすことに対しての知識の習得や努力、経験を積むことが必要だと考え実行していくと決めたことと、その部分が深まれば、その“表現”をすることができることが数値なので、数値という武器を持っている会計士は強いのではないかと考え、勉強すること及び実践することにがむしゃらに取り組むことで乗り越えました。

07

人生の目的と公認会計士という資格

人生の目的は社会に対して価値を提供し続けることです。価値の提供の仕方は様々だと思うのですが、お客様に選ばれ喜ばれて、初めて価値を提供できると考えているので、自分にとっての顧客を常に考えながら仕事をし、顧客に価値を提供し続けていきます。やりたいことがあってもお金がなくてはできませんし、想いだけではなく整理された事実を伝えないと相手が動けないことがあります。そういった意味で“数字”という万国共通の記号の専門家である会計士は、その知識や経験の活かし方で、社会に大きく価値提供できると思います。会計士という資格をイメージされる方は、“数字とにらめっこするだけ”で、“上から物を言う”のが会計士、というイメージもあるかと思いますが、顧客の真のニーズを価値の提供するのが会計士だという考えのもと、社会に価値提供し続けていきます。

市村 浩子さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

社会に対して価値を提供し続ける存在であり続けたいです。

現状は、それを弊社の中で行いますので、弊社が弊社社員と一丸となってより多くの価値を提供する会社であり続けるための行動、事業開発、仕組みづくり、教育をしていきたいです。そのために、社員に対しても、「その人が得意なことは何か」「何から行動すると価値をより提供できるのか」という軸でコミュニケーションをとり、それに取り組める環境提供をしていきたいです。

市村 浩子さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

まず、動いてみる!思ってみる!書いてみる!という“見える化”アクションをお勧めします。私が入社した2012年末の弊社は売上5億程度で、「こうしたい!」と言うことも全く相手にされない状況でしたが、弊社代表をはじめとして全員が「こういう風になる!」と真剣に思い、真剣に見える化してきました。そして今、あの時思ったことが現実になっています。頭でっかちにならず、何でもよいので、まずはやってみる。そしてトライ&エラー、行動して初めて何かが変わると思います。その一歩が、“見える化”だと思います。