会計士の履歴書
日野 陽一

Seven Rich会計事務所

シニアアソシエイト

日野 陽一

ひの よういち

シードステージから上場まであらゆるステージに対応してバックオフィス業務全般をサポート

1980年代生まれ 愛媛県出身 東京都在住

中央大学 商学部 卒業 2015年合格

日野 陽一

01

キャリアサマリー

2011

青色申告会に入社

2015

公認会計士試験合格とともに、有限責任監査法人トーマツ東京事務所に入所。金融機関の法定監査(日本基準、米国基準)やAUP(Agreed Upon Procedures:合意された手続)に従事

2018

SevenRich会計事務所に入社。会計税務・人事・経理アウトソースのマネジメントに従事

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

公認会計士試験合格後は有限責任監査法人トーマツに入所しました。元々、青色申告会で個人事業主の税務を担当していたため、比較的事業規模の小さい企業の監査やIPO業務の方が前職との関連があるかと思い、トーマツを選択しました。しかし、配属先は金融部門。しかも、日本基準だけでなく米国基準もあるクライアントでした。トーマツ入所前の私のTOEICは300点そこそこでした。まったく興味のない金融部門への配属、苦手な英語を使うクライアントということで、私の監査法人時代のスタートはモチベーションの非常に低いところから始まりました。ただ、ここでの経験が今の自分キャリアに影響を与えることになりました。

私のいたクライアントは世界で一番厳しいと言われるPCAOB監査の対象でした。一般的にその基準での監査をやりきったことは会計士のキャリアとしてはいいのでしょうが、私個人としては特段、価値を感じられるものではありませんでした。

それよりも私にとって価値があったのは、金融の最先端の情報に触れる環境で働けたという経験です。私が配属されたクライアントは金融業界の中でも有数の超大規模なクライアントでした。そこでは最先端の情報に触れることができました。ちょうど、私が配属された時期から、Fintechという言葉が新聞に頻繁に出てくるようになり、事業部内でもブロックチェーンに関する情報発信をしてくれる人もいて、個人としてもそれなりに情報を集めることが可能となる時期でした。それをきっかけにブロックチェーン技術が今後の世界にどういうインパクトを与えていくかであったり、仮想通貨投資をするなど、ブロックチェーンの世界に興味を持てる環境を経験できました。

転機としては、トーマツ3年目に弊社代表の服部と出会ったことです。クライアントの多くはベンチャー。仮想通貨投資や関連事業を行っているクライアントもいる。会計税務以外にもグループ会社で法律事務所や不動産事業をやっている。自分の興味のある分野・クライアントへ多くの価値を提供できるプラットフォームがこれだけ揃っている事務所もないだろうと思い、都内の某税理士事務所へ転職するに至りました。

日野 陽一さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

仕事内容は、帳簿作成、決算書申告書の作成といった会計税務の業務だけでなく、グループ会社の法律事務所と一緒に契約書レビューといった法務や、給与計算・社会保険・労働保険といった労務、登記であったり、リソースやナレッジのないベンチャー企業のバックオフィス業務を一通り実施しています。ベンチャー企業の場合は資金繰りに窮することも多く、事業計画の策定や金融機関との交渉等の資金調達の支援も行っています。

上場準備のステージにいるクライアントもいるので、監査法人と論点になりそうなところは早めに伝えるようにするようにしています。特に多いのは、子会社との関連当事者取引や、代表が複数の子会社の代表となっており、競業避止義務に抵触する可能性があるケースが挙げられます。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私は、監査業界と税務業界どちらも経験できたことが自分の強みだと思っています。普通の税理士事務所の場合は、税務や会社の経理フローについては詳しいが、クライアントがある程度のステージに進み、監査法人対応や証券会社対応の相談が来た場合にはナレッジがないため、どうしても大規模な税理士法人へ変えられてしまうことが多いという状況が見受けられます。

私は、法人・個人の税務の経験と監査経験より、個人事業主・設立間もないシード期の法人から監査対応が必要なステージの法人まで対応でき、弊社のクライアントの規模感ともマッチしています。そもそも守備範囲が広いと器用貧乏のように思われがちですが、私としては、今は自分のドメインを広げて、色々な人と接点を持てる分野を一つ一つ増やしていきたいと考えています。

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

監査法人や税理士事務所で働いた事がある人は分かると思いますが、定期的に大きなイベント達成の瞬間が訪れます。監査法人で言えば、メインジョブの監査報告書の審査の通過の瞬間。税理士事務所で言えば膨大な量の確定申告を税務署へ提出した瞬間などなど。これらの作業は1人では決して成し遂げられず、1つのプロジェクトとして仲間たちとさまざまな壁(だいたいは期限に間に合わない系ですが)を乗り越えて苦労や喜びを共有できることは私にとってはかけがえのない価値です。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

監査法人にいる間は自分という人材が社会からどのように評価されるのかについては非常に悩んでいました。監査業務は独占業務として良くも悪くも守られており、監査法人にいるから自分は高収入が得られていたのだと考えていました。監査法人から一歩外へ出て自分の適正な価値ってどれくらいあるのかと考えたときに、自信を持てずにいました。

監査法人時代は単純に自分の時間と労働力を会社に提供して、それを消費してキャッシュに変えているだけ。自分という商品をまったくブランディングせず、資産価値を高めることを怠ってただけだと感じたことから、この状況を変える決心をしました。

今も道の途中ではありますが、現在の職場で会社へひたすら価値を提供すると同時に自分のブランディングができるようにアウトプットを意識していき、どこかのタイミングで自分をマネタイズしていく、自分と会社がお互いにwin-winに価値を生み出せていく関係を築ける働き方をしていくという方向性に向かっています。

07

人生の目的と公認会計士という資格

巷では、人生100年時代であり、自分が死ぬまでのキャッシュをどうやって稼いでいくか、どんな人とどれだけ深くつながっていくのか、社会のパラダイムシフトが起きたときに柔軟に対応できるかが今まで以上に重要だと言われています。

公認会計士という資格はベーシックインカムを稼ぐという意味では、今のところなんとかなるかなと思っています。しかし、10年後はどうなるかわかりません。人とのつながりという面でも、公認会計士という資格を持っているだけでイベントに行っても興味を持ってもらえますし、会計士のコミュニティーもあるので自分から飛び込みさえすればそれなりに人とのつながりは広げられます。また、公認会計士の資格を持っているからこそいろいろな相談がきたりするので、周りの人にひたすらgiveできる肩書も能力もあると思っており、深いつながりを作りやすい環境にあります。

社会のパラダイムシフトが起きて新しいスキル・生き方が必要になった場合、上記でも述べましたがベーシックインカムはちゃんと稼げるので、新しい環境へ気軽に飛び込める、リスクを取りやすい環境にあります(動かないことが逆にリスクでもあります)。したがって、本人のリスク許容度次第ですが、比較的柔軟に社会変化にも対応できると思っています。

人生の目的なんて壮大なものはないですが、常に誰かに必要とされていたいし、必要とされるための自己実現の手段として公認会計士という資格は価値があると感じています。

日野 陽一さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

弊社の目標として“50人1,000社”という目標があります。これは50人の社員と1,000社のクライアントがいれば、目の前の人になにか困ったことがあってもなにかしら力になれるということから目標にしています。例えば、誰かが病気にかかって困ったときに、日本で一番の名医が1,000社のクライアントの中にいたら、自信をもって紹介してあげることができるかもしれません。いいサービスやプロダクトはできたが、営業力に不安があれば営業が得意なクライアントを紹介してあげることで、そのプロダクトを世に出すことを手伝うことができるかもしれません。

この目標を達成するためにはイケている今のクライアントに対してバリューを出して、さらに別のイケている人を紹介され続けることでクライアンが増えていく状況をつくるだけでなく、クライアント一社一社にしっかりバリューを出していける社員の能力も同様に重要になってきます。

私の当面の目標は、この社内の目標達成のために、既存クライアントへひたすら価値を提供し続けることで、リファーラル(紹介・推薦)での新規クライント獲得と同時に社員スキルのボトムアップ、そして弊社を一緒に作っていってくれる素敵な仲間を探すことが当面の私のミッションです。この目標と同時進行で、自分の頭の中にあるふわっとした事業案をどこかのタイミングで具体化していきたいと思います。

日野 陽一さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

自分が5年後、10年後どんな人になっていたいでしょうか?

明確に決まっている方は、それに向かってタスクを細分化して一歩一歩それに向かって頑張って下さい。私が偉そうにアドバイスできることはなにもありません。明確に決まってない方は、無理にやりたいことを定義せず、何も決まってないことを認めましょう。私も明確には決まっていません。30歳も過ぎてこの状態なので正直焦りを感じるときもありますが、どうせ、人生のステージが進むにつれやりたいことなんて変わります。

20代の頃はベンチャー支援をやりたいですなんて言ってましたが、いざそのステージに行くと今度は自分で事業やってみたいっていう方向にブレてます。ただ、あまりにも方向性もなくファジーなのも辛いと思うので、5年後、10年後に自分がどうなりたいかっていう視点から、自分の中でどんな人がイケてると感じるのかを思い浮かべるといいと思います。その人が身近な人なら、その人の近くへ行って、考え方や価値観や読んでる本、仕事のスタイルなどを聞いてそれを真似してみるとなんとなくゴールの方向性は見えてくると思うので、後は逆算して今自分がやるべきことをスケジュールリングすればいいのかなと思います。また、イケてると思う人が著名人の場合は、実際に会うのは難しいかと思うので(タイムバンクはありますが…)、著名人の本をひたすら読むとか、SNSから情報収集して、ゴールの方向性を自分なりに設定すればいいと思います。