会計士の履歴書
早坂 太一

iYell株式会社

管理本部 取締役CFO

早坂 太一

はやさか たいち

自身の経験や人脈を使って次世代のベンチャー企業を育てるような仕事をしたい

1984年7月7日生まれ(42歳) 東京都出身 東京都在住

明治大学商学部商学科 卒業

早坂 太一

01

キャリアサマリー

2007

有限責任監査法人トーマツ入社

2015

地域経済活性化支援機構(REVIC)入社

2016

投資先 ユーコネクト株式会社 取締役 投資先 株式会社ハートオーガナイゼーション 取締役 投資先 株式会社ファミリーネットワークシステムズ 取締役 投資先 株式会社サイキンソー 監査役

2018

iYell株式会社入社

2020

同社 取締役CFO(現職)

私が会計士を目指した最初のきっかけは、高校時代の友人の父親の話を聞いたことでした。その方は会計士資格を取得後、監査法人を退職し、某ベンチャー企業の社長と出会い『この社長と一緒に働きたい!』と決心して転職されたそうです。入社後は役員としてIPOを果たし、誰もが知る超一流企業に成長させていったという方でした。身近に成功ストーリーがあり、高校生ながらに『こんな生き方、働き方ができたらカッコイイな』という思いから会計士という職業を意識するようになり、大学から本格的に目指すようになりました。なので、最初から漠然と会計士になったあとは最終的にベンチャーに入ってCFOとして会社を成長させていきたいと思っていたのかもしれません。

最初のキャリアとして選んだのは有限責任監査法人トーマツのトータルサービス事業部。その名の通り、何でもやりますよという部署でした。監査の他、IPO支援、M&A、DD、コンサルティング業務等、多岐にわたる業務を何でもチャレンジさせて頂きました。

次のキャリアは、政府系投資ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)です。REVICではヘルスケアファンドのフロントとして、投資案件のソーシングから、DD、バリューアップ、EXITまでとM&Aのエグゼキューションをインベスターの立場から一気通貫して経験することができました。

そして次は現在のキャリアであるiYellです。iYellは”住宅ローンテック”という新たな分野を切り開いているベンチャー企業です。管理本部長として管理本部をマネジメントしながら、CFOとして資金調達や経営戦略の立案に携わっています。正直幅広く何でもやっていますが、特に重要な役割としては事業をドライブさせるための資金調達と長期成長戦略達成の鍵となるIPOを実現させることかなと思っています。

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人に入社して6年目ぐらいの時でしょうか、自分の目指すべき姿について考えるようになりました。一通りの業務を経験し、7年目も同じようなことをやるのだろうなと予測がつき、自分の中で成長が鈍化した瞬間を感じました。素敵な仲間に囲まれて、やりたい仕事もできて、不満は特にありませんでしたが、このまま監査法人内部で上を目指すのか、それとも外に出るのかを真剣に考えるようになりました。
そんな時に私がとった行動は、社内の出向制度を使うということでした。もっとM&Aの仕事に深く携わりたいと思っていたので、出向制度を使ってデロイト トーマツファイナンシャルアドバイザリーサービスに異動希望をだしました。しかしその当時、私は主査として数多くの監査現場を回す責務があったため、上司からは「今は異動させられない」と言われ、異動希望は叶いませんでした。異動希望が叶わなくなったことで転職を考えました。今考えると、その時異動が叶わなくてよかったと思っています。外部に転職できたことが私の人生を変えたといっても過言ではありません。社内の出向制度で済ませようと思っていた気持ちも中途半端だったなと反省しています。
今一度本当に自分のやりたいことを見直しました。転職活動の際、PCPからREVICを紹介して頂きました。もともとベンチャー企業のCFOを目指していたので、ベンチャー企業のCFO候補ポジションでの選考も受け、何社か内定を頂いている状況でしたが、迷いに迷った挙句、ファンドに転職することを決意しました。監査法人から直で事業会社に行くよりも、若いうちにファンドに行くことで幅広い経験ができ、最終的にはより高く、遠くへ飛べる、そう考えたからです。

早坂 太一さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在のポジションは取締役CFO兼管理本部長です。
取締役CFOとしての仕事は、資金調達と経営戦略の立案・実行です。会社の成長をドライブさせるための資金調達を担っています。ただ資金を集めるだけでなく、同時に事業提携を成就させることにこだわっています。iYellは金融機関や不動産会社とシナジーがあるビジネスモデルをしているので、Win-Winの関係を構築できるようにスキームを考え、実現させていきます。そして調達した資金をどのように投資していくかの経営戦略を立案し実行しています。
管理本部長としての仕事はマネジメントです。財務部、経理部、法務コンプライアンス部、情報システム部、総務労務部を統括しています。iYellはとにかく「良いやつ」ばかりです。真っすぐなメンバーばかり、とても素直です。皆のやりたいことをやってもらって、楽しみながら仕事をしてもらう、これに尽きるかなと思っています。だから、私の役割は皆が伸び伸びと楽しく仕事をしてもらえるようなフィールドを用意してあげることかなと思っています。
加えて上場準備のプロジェクトオーナーも担当しています。監査法人や証券会社等の外部パートナーとの折衝や社内管理体制の整備・運用を進めています。
とにかくやることがたくさんあるので、日々奮闘しております。楽しいですね。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

アドバイザー×インベスター×オペレーターという3者の立場を経験し、それぞれのスキルの習得に加え、少なからずそれぞれの気持ちが理解できていることですかね。監査法人時代に培ったアドバイザーとしての基礎スキルや専門スキル、ファンド時代に培ったインベスターとしてのファイナンススキルや取締役として事業経営に身を置いた経験、そして今はベンチャー企業のCFOという立場からオペレーターとして資金調達や組織経営に従事し、企業価値最大化に努めています。
ベンチャー経営は不測の事態が本当にたくさん起きます。教科書には載っていない、答えのない問いに日々直面しています。そんな時に自分を、そして会社を助けてくれるのは、今の会社の仲間はもちろんですが、今までの職場で出会ってきた仲間であったり、今まで積み重ねてきた経験であったりします。こういった軸が自分の中にあり、その強みを存分に活かすことができているのではないかなと思っています。

早坂 太一さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

「何をやるかではなく、誰とやるか。」iYellの社長の信念です。この信念に出会った時、心から共感し、心が動かされましたね。
iYellでは基本的にスキルは重要視していません。バリューという共通の価値観を採用軸・評価軸に置き、会社が向いている方向と、社員が向いている方向を限りになく一致させるための経営手法をとっています。これを実現するには、多大なる時間と労力が必要です。他の会社よりも、事業に割く時間を犠牲にしてでも、会社の文化形成や浸透に力を入れ続けています。当然、事業も全力でやっていますので、事業も全力、文化も全力、2倍の労力が必要なんです。
それでも、この信念の先に成し遂げる世界を見たいと思っているので、2倍頑張ります(笑)。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

ファンドに転職したばかりの時のマインドチェンジですかね。アドバイザーであればクライアントのニーズに全力を尽くすというのが基本的なスタンスでした。インベスターの場合は、投資先の企業価値を最大化させて初めてリターンが出るため、ファンドの利益のために全力を尽くします。生の事業投資であるため、その業務範囲が一気に広がりました。その広すぎる業務範囲に適合するのに最初は苦労しました。投資意思決定や事業における判断の場面では、様々な利害関係者がそれぞれの思惑がある中で、様々な角度から異なる意見が飛び交います。あらゆる場面において何が本質的に正しい選択なのかを常に考えさせられました。
この時、アドバイザーであった時のマインドを変えることで様々な困難を乗り越えましたね。具体的には、「何でも自分でやろうとせずに、人の力を借りること」「常に広い視野を持って考え行動すること」でした。これらの経験が自分の視野を一気に広げてくれて、成長できるきっかけになりました。そして、困った時にはあらゆる専門家や仲間を頼ることにし、逆に困っている仲間がいれば何でも力になるようにしてきました。
今のベンチャー企業経営においてもすごく役に立っていますね。

07

人生の目的と公認会計士という資格

人生の目的は「仲間と一緒に、楽しく、共通の目標を達成していくこと」ですかね。どんな形でも良いんですが。監査法人時代もファンド時代も今も、いつも大好きな仲間と一緒に、四苦八苦しながらも、共通の目標に向かって頑張ってきたなぁと思っています。それはこれからも変わりません。これは会計士の資格を持っていても、持っていなかったとしても同じです。
ただ、公認会計士という資格を持っているからこそ、同じような夢や価値観を持った人と多く出会えることができたのではないかと、振り返るとそう思います。人間はどんなに軸がしっかりしている人であったとしても、置かれている状況や環境にある程度左右されるものだと思っています。だからこそ、どういう状況に身を置くかは重要かと思います。監査法人、ファンド、ベンチャー経営、今まで身を置いてきたどのシーンにおいても、この公認会計士という資格を持っていたことがプラスに働いたと実感しています。会計士でなかったら、出会えていない人ってたくさんいたのかもしれませんね。

早坂 太一さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

まずはiYellを最強の企業集団にしていきたいと思っています。弊社では、「社員ファースト」という理念を掲げ、社員の幸せを一番に考えながら、同時にすごいスピードで会社を成長させていっています。創業以来4年間、正社員の離職率0%台と非常に低い水準を保つことに成功しています。言うは易く行うは難しで、本当に難しい経営だなと日々痛感しています。「理想像ではあるけども無理じゃないか?」周りからはそんな声を頂くこともあります。そんな経営サイドからすると険しい道でも、信念を貫いていけば最強の企業集団を創り上げていけると信じています。「社員ファースト」を貫きながら、iYellを上場させ、超一流の企業すること、これを成し遂げていきます。
その後も考えています。iYellでやり切って、次のCFOに譲る日がきたら、仲間内でファンドをつくりたいと思っています。そのファンドで資金だけでなく自身の経験や人脈も使って次世代のベンチャー企業を育てるような仕事がしたいと思っています。

早坂 太一さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

会計士は本当に幅広いキャリア選択が可能な資格だと思います。監査法人に入りたての方や、受験生の方はまだ漠然としていてキャリアイメージがつきにくいかもしれません。会計士になって、監査法人でのキャリアからスタートし、優秀で素敵な仲間たちと切磋琢磨しながら過ごしていると、それだけでも実力が自然についていきます。監査法人内にいると、意外とその重要性に気付けなかったりします。監査法人では生涯頼りにできる仲間に出会えて、様々なフィールドで活躍できる実力はついている、会計士試験に合格できる皆は逆境を乗り越える素養が元々備わっている、本当に何でもできると思います。
なんでもできる、間違いないと思うので、無限の可能性を信じてなりたい自分を考えて、キャリアを積んでいって頂けたらなと思います。多くの会計士がもっともっと活躍していけることを願っています。