
株式会社レアジョブ
取締役 副社長
藤田 利之
ふじた としゆき
チャンスがある時に自分のベストでないタイミングでもチャンスを掴み取れるかどうかで人生は変わる
1971年9月4日生まれ(55歳) 静岡県出身 東京都在住
早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 卒業

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キャリアサマリー
株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ 経理部
監査法人トーマツ 静岡事務所
株式会社フレームワークス 取締役 CFO
株式会社KPMG FAS
株式会社レアジョブ 取締役 CFO
株式会社レアジョブ 取締役 副社長(現任)
公認会計士2次試験に合格時は就職難だったこともあり、監査法人へ就職できず、当時東証2部上場だった株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの公認会計士2次試験合格者募集枠で入社。グループ人事として、子会社の株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ経理部に配属され、約1年間、決算業務まで行いました。正直、公認会計士2次試験に合格したとはいえ、実務を知らず中途入社で同期もいなかったので、本当に大変な1年でした。
その翌年、地元の監査法人トーマツに転職し、法定監査に加え、公開準備業務に従事しました。監査業務では充実した日々を送っていましたが、東証マザーズが創設され、ベンチャー企業の上場が増える中で、株式会社フレームワークスに取締役CFOとして転職し、東証マザーズ上場を実現しました。
その後ベンチャーの世界を離れ、M&Aや事業再生への興味から、株式会社KPMG FASに転職し、アドバイザリー業務、コンサルティング業務に従事しました。この間に自分の知識の整理も含め、早稲田大学大学院ファイナンス研究科を卒業しました。
40歳直前で自分の今後のキャリアを考えたうえで、これまでの経験の中でベンチャー企業の経営にかかわることが一番やりたいことだという考えに行き着き、株式会社レアジョブに入社。取締役CFOとして東証マザーズ上場を実現し、現在は東証1部上場に向け、取締役 副社長として主にグループの事業戦略やM&Aなどに従事しています。
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
監査法人トーマツ静岡事務所は、東京から分離してまだ間もない事務所でしたが、最も成長した地方事務所の一つで、私がいた4年間くらいの間でも人員が3倍くらいになっていました。法定監査だけでなく、静岡トーマツベンチャーサポートを立ち上げて、スタッフレベルでも法定監査のない時期は、営業活動や予備調査、コンサルティング業務を行っていました。
1年間とはいえ事業会社で経理の経験もあった私は、入社1年目から予備調査に関与させていただき、4年間で20社くらいの予備調査を行い、そのうち何件かはクライアントになりました。そのうちの1社が、後に転職する株式会社フレームワークスでした。
当時はまだ公認会計士がベンチャー企業の取締役CFOになることは稀な時代で、まして私は静岡にいましたので、まわりに同じような友人もいませんでした。しかし、東証マザーズの上場で自分より歳の若い方々が上場会社の社長になるのを見て、社長は無理でも取締役としてチャレンジしたいという強い思いが湧きました。同じタイミングで株式会社フレームワークスの社長からも、上場を目指したいので是非来てほしいとの誘いを受け、最終的に転職を決意しました。
監査の仕事が特に嫌いだったわけではないですし、決してマネジメントに向いているタイプではないと自覚していたのですが、逆に、だからこそ、まだ若く、そしてマザーズ上場などの市場ができたばかりの時に飛び込まないとチャンスがなくなってしまうし、自分自身も変われないと考えていました。

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今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
現在は、オンライン英会話のビジネスを展開する株式会社レアジョブの副社長として、主にレアジョブグループの全社戦略、組織戦略、M&A、IRなどを担当しています。
入社時にはスタッフとして入社し、3ヶ月後に取締役CFOとして、まずは東証マザーズ上場を牽引してきましたが、レアジョブの共同創業者の1人の方が退任するにあたり、私が現社長をサポートする形で取締役 副社長になりました。昨年までは、取締役 副社長兼CFOという立場でしたが、管理担当 執行役員を任命することができ、現在は会社の数年先の将来に向けた取り組みに重点をおいています。
東証マザーズ上場を果たしたのは2回目ですが、1社目は上場して約1年、上場後の成長の道筋を作れず道半ばで退任してしまった経緯もあり、現在のレアジョブでは、上場がゴールではなく、上場後も成長していける企業になるためには何が必要かを考え、実行している毎日です。その中でしっかりした形で東証1部上場まで会社を導くことができればと考えています。
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あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
私の強みは、自分を過剰に高くも低くも評価しておらず、自己分析ができていること、そして、自分の地位や立場に固執しないことだと思っています。事業会社の経理、監査法人、ベンチャー企業のCFO、アドバイザリー、コンサルティング業務、事業再生など幅広めに経験はしていますが、いずれの面においても自分より知識、経験のある人は数多くいます。あまり知識や経験面で自分が優れているとは考えていませんが、一方で会社の経営を行ううえでは、専門性の高い多くの友人もおり、自分がどれだけ戦略的なオプションを考えられるか、という観点では非常にこれまでの経験が活かせている部分はあります。
また、KPMG FASに入社した時にも上場会社の取締役からシニアスタッフに戻る形で、レアジョブに入社する時もスタッフから入社しています。また、会社内においても自分より向いている人がいればその人に仕事は任せる、自分は将来に向けて必要な立場で必要なことをやる、と考えており、あまりこれまでの仕事や立場に固執しないようにしています。表現を変えれば、柔軟性こそが最も強みかもしれません。

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
各キャリアの中で、たくさんの心が大きく動いた瞬間がありました。
監査法人時代には、多くの社長、役員の方々との会話で、自分が急速に成長していく実感がありましたし、そういった方々から対等に相談をしてもらえる時は最高にうれしい瞬間でした。
アドバイザリー、コンサルティング業務では、私の場合、外資系投資銀行の方々との仕事が多く、日系企業の方だけでは得られなかった新しい物の見方、考え方、投資スタンスなどを知り、新聞の一面を飾るようなディールに関与していた時も、苦労が報われるうれしい瞬間でした。
そして事業会社では、多くの場合、外から見えるよりも常に多くの問題を抱えていますが、一つずつ課題を解消させ、会社が成長し、上場を実現する瞬間、そして会社に一体感が得られた時は最高の瞬間です。個人ベースでの大きな喜びや成長よりも、経営陣と社員一同が一体となって、英会話、あるいはグローバルリーダーの育成に向けたサービスを提供していけることにしびれる、最高の瞬間を日々感じています。
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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
公認会計士というわけではないですが、自分が前面に出る、人前に出る、強烈なリーダーシップを発揮するというよりは、どちらかといえば裏方側を好む性格ではあるので、マネジメントに向いていないのではとか、一方でセミナーなどをいろいろ受けるのもあまり得意ではないので、専門家として限界があるのではなどとよく悩んでいました。
若い時は、苦手を克服すべく、無理していろいろチャレンジし、多くの失敗の中から少しはまともになった部分もありますが、最近では「自分の苦手な部分はもう仕方がないし、得意な部分でどう貢献していけばいい」というスタンスに変わり、肩に力が入りすぎないようにしようと思っています。
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人生の目的と公認会計士という資格
若い時は特にですが、やはり専門性のある知識が一つでもあることで自信になっていることと、これまでしてきた多くのチャレンジの際に保険になっていたこと、という面は大きかったと思います。また、対外的にも若くても30歳あたりで取締役CFOをしていても何とか成り立っていたのは、公認会計士の資格があったからだと思います。
公認会計士の資格だけでなく、徐々に自分にキャリアができてくると、その立場や給与、プライドを守るために自分を縛ってしまうものになる場合もありますが、あくまで自分が自由にチャレンジできる有効な資格として、公認会計士の資格は使わないと勿体ないと思います。

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これから成し遂げたい事、将来の夢
これからの日本、そして日本経済は、多くのポテンシャルがありながらも、難しい局面にかかってくると思います。その中で、社会への貢献にもつながるビジネスの成長に関与していきたいと思っています。今、重要視しているものの一つが教育改革であり、英語教育は単なる語学にとどまらず、日本人の視野を広げ、考え方の多様性を増やすものだと思っています。レアジョブをオンライン英会話事業者にとどまらず、より社会に影響を与えるグループ会社になるべく貢献できればと思っていますし、将来的には、同じように社会に影響を与える会社に対しても何らかの形でサポートができるようでありたいと思います。

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
若いうちは、専門家を目指すべきか、それともマネジメントを目指すべきか悩んでいました。正直、どちらかがすごく得意というわけではなかったのですが、専門家とマネジメントを交互に経験しながら、どちらが好きかを考えた結果、マネジメント側を選択することにしました。
早くから自分のキャリアが定まっている方ばかりではないと思いますし、いろいろなところに少しずつでも関与したり、チャレンジする中で決めればいいと思います。特に、人のご縁、社会側にあるニーズやビジネスのタイミング、チャンスが目の前に現れた時に、自分ではキャリアや生活設計上ではベストでないタイミングでも、そのチャンスを掴み取れるかどうかで、大きなキャリアチェンジのチャンスがあるのではないかと思います。自分のタイミングをベースにチャレンジを選ぶと、市場の波には乗れませんので。そして、将来が見えない間はまだチャレンジのタイミングではないので、目先の仕事で成果を出し、メンバーからも上司からも他部署からもクライアントからも名前をしっかり覚えてもらえる存在になるように仕事を頑張ることが大事だと思います。


