
PwC税理士法人
税務レポーティング・ストラテジー(TRS) パートナー
K.K.
人とテクノロジーを繋ぐ未来志向のプロフェッショナル
1970年代生まれ 東京都出身 東京都在住
慶應義塾大学経済学部

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キャリアサマリー
茨城県で海外とは縁も所縁もない生活を送っていましたが、小学校5年生の時に父親の転勤で急にニューヨーク郊外に転居することになりました。英語に苦戦しながらも中学3年までの4年間、現地の学校に通い、異文化に触れることができたのは貴重な経験でした。帰国後、進学した高校で出会った社会の先生の、「君たちは卒業してからも一生働いていく世代だ。その時に、キャリアを中断しなければならないこともあるだろうから、つぶしが効いてフレキシビリティもある資格を取ると良いんじゃないか。」という言葉に感銘を受け、資格取得を目指すことに決めました。大学では経済学部に入り、各種ある資格の中でも自分に向いていると感じた公認会計士試験に挑戦し、3年生の時に二次試験に合格しました。
新卒で会計事務所に入所し、主に外資系企業の税務コンサルティング・税務申告業務に携わり、国際的な税務知識やネットワークを広げました。約5年間の勤務の後、専門家としてさらなるスキルアップを目指し、企業内部の目線での税務業務の経験を積むため、米系の大手企業グループの税務部門に転職しました。そこでは、グローバルな事業展開に伴う税務戦略やリスク管理、税務コンプライアンスなど、幅広い業務に携わり、社内税務室の一員としてビジネスに貢献しました。約13年間の社内税務室での経験を経て、2017年にPwC税理士法人に入所しました。その後、家族の転勤に伴って2021年にロンドンに転居し、PwC UKにて勤務しました。ロンドンでは、PwCネットワークを活かしたPwC UKの事業運営を体感し、さらに国際的な視野や知見、ネットワークを深めることができました。2021年4月から2024年6月までのロンドンでの生活を終え、帰任後は主にインバウンドクライアント向けの税務サービスに従事しています。
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キャリア選択のきっかけ
私は公認会計士でありながら、一貫して税務の専門家を目指してきましたが、その原点は大学4年生の時に見つけた「国際税務」というキーワードでした。
公認会計士試験に合格後、一般企業に一度就職してから会計の世界に転職するのが良いのか、初めから監査法人や会計事務所に就職するのが良いか迷いました。その時、ニューヨーク時代も一緒に過ごした友人のお父様から、「意思をもって勉強を重ねてきたのだから、このまま専門職として早く実践的な経験を積むことが大切なんじゃないの?他に、それを上回るくらいやりたいことでもあるの?」というアドバイスをいただき、「この先、会計や税務の知識を土台にして、ビジネスの課題に対して幅広い視点で解決策を提供できるコンサルティングのスキルを身に付けたい。そのためにはまずは大手会計事務所でキャリアを積むことが大事だ。」と考えるようになりました。当時、就職氷河期で学生が監査法人で非常勤勤務する選択肢はなく、どうしようかと考えていたある日、偶然新聞の求人広告として掲載されていた、会計事務所の募集要項の「国際税務」の4文字が目に飛び込んできました。コンサルティングのスキルを身に付けるという視点では、税務を軸に置くのが良いのではと感じ、さらに、帰国子女で英語への抵抗力が薄いという意味では「国際税務」は自分に向いているのではないか、と直感で早速応募し、税務プロフェッショナルとしての第一歩を踏み出しました。当時の公認会計士二次試験には税法がなかったので、事務所内の研修や実務経験を通じて法人税法や消費税法などを基礎から学びましたが、それが後に大きな財産になりました。外資系企業が多くを占めるクライアントの税務課題に対応しながら、国際税務の奥深さと面白さに惹かれていきました。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
私は税務のプロとして、会計事務所と企業の両方で働いた経験があります。会計事務所では、幅広い業界や規模のクライアントの税務ニーズに応えるために、常に最新の知識やスキルを磨いてきました。一方で、会計事務所ではお客様に対して外部からアドバイスをする立場であるため、「本当はもっとこうした方がいいんじゃないかな」と思うことがあったとしても、お客様から「そのサービスはいらない」と言われてしまうと、それ以上踏み込むことはできず、もどかしい思いをすることがありました。そこで、企業の中というのはどのようになっているのか、深く多様な税務の世界を企業の内部に入り込んで見てみたいという好奇心から、5年目に米系の大手企業グループに転職しました。転職先は、金融部門もあれば、複数の産業部門もあるような、業種が多岐にわたる大きなコングロマリットの企業グループだったため、社内の税務室とは言いながら、そのグループ専属の会計事務所のような位置付けで、国内外の他の税務担当者も会計事務所出身者やタックスロイヤー、財務省経験者など、世界中でかなりの数にわたる巨大なプロ集団でした。そこでは、社内税務担当者として、様々な業態の税務課題に対して、時には事業部の方々など必ずしも会計・税務のバックグラウンドではない方々と協働しながら、分析からプランニング、実行、モニタリング、改善まで一貫して関わることができました。また、国内外の優秀な税務専門家と協力して、グローバルな視点で税務戦略を立案し、実行しました。さらに、企業の事業運営や経営判断、ガバナンスや人事、財務やコンプライアンスなど、税務以外の多くの側面にも触れることができ、シニアリーダーから多くの学びを得ることができました。
その後、PwC税理士法人に入所し、在は、今までの社内税務担当としての経験と知見を活かしながら、クライアントの期待や課題感に寄り添ったアドバイスを心掛けています。
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あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
私は帰国子女と言いながら、英語力はネイティブレベルではなく、税務実務にも周りに抜きんでて詳しいというわけでもないと思っていましたが、税務の知識と英語力を掛け合わせ、それを自分の強みとして生かしています。メールや書面のやり取りだけではなく、オンライン会議などを駆使しながら、日本の税務を海外のクライアントに分かりやすく伝えることはもちろん、彼らのビジネスにとって最適な税務戦略を提案する際に、税務の微妙なニュアンスの伝達も含め、クライアントの視点も取り入れながら、相互に密なコミュニケーションをとりながら物事を前進させることも、私の仕事の醍醐味です。クライアントの背景やニーズに応じて、英語で柔軟にコミュニケーションをとりながら、日本の税務のプロとして信頼を築いています。

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
仕事をしている中で心が大きく動いた瞬間はいくつかありますが、仕事かプライベートかを問わず、自分の中で一番心が大きく動かされたのは東日本大震災でした。
当時、夫の転勤で家族は仙台に移住しており、私自身も仙台で、フレキシブルワーキングプログラムの参加者として、当時まだ珍しいリモートワークの先駆けとなる働き方をしていました。震災の日、幸いにも息子は近所の保育園で無事でしたが、夫はたまたま被災地の沿岸部にいました。津波からは辛うじて逃れましたが、消息も行方も分からないまま5日間を過ごしたのはとても恐ろしい出来事でした。幸いにも夫は無事に生還しましたが、それが叶わなかった多くの方々のことを想い、普段の何気ない日常に感謝し、一瞬一瞬を大切にすることを忘れないようにしようと心に強く刻む出来事となりました。また、世界中の友人や同僚たちから温かい励ましメッセージが届き、動揺し傷ついた心を、そっと包み込んでもらいました。中には、当時の原発のニュースを心配して、飛行機代や宿泊場所を確保するから家族全員で国外に退避するように申し出てくれた人もいました。私たち自身もできる限りのことをしたいと考え、夫も私もそれぞれの形で被災地の復興に協力するプログラムに参加してきました。
震災の後、私は子どもたちのみらいについてよく考えるようになりました。それは、自分の子どもであろうとなかろうと、すべての子どもたちのことです。私たちは彼らにどんな明るい未来を残してあげられるのでしょうか。ロボットや人工知能に簡単に代替されない、人間としての価値をどう創造していくのでしょうか。きっとまだ明確な答えはないのですが、このことを抜きに私たちの未来は考えられないですし、プロフェッショナルの在り方も、今と未来とでは、異なるものに変わっていくのだと思います。
PwCでは、「人」がリードし「テクノロジー」が支える未来を目指し、人間主導でテクノロジーを活用しながらビジネス課題を解決するアプローチを採用してきました。税務分野でもこのアプローチを積極的に推進していくべく日々取り組んでいます。
私も税務の専門家として、「人」ならではの発想力と最新の「テクノロジー」によるイノベーションを融合させ、クライアントや社会に人間性のあるプロフェッショナルサービスを提供していきたいと考えていますが、その原動力となっているのは子どもたちへの想いです。
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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
公認会計士だからというわけではありませんが、自身の専門家としての能力に疑問を感じ、悩んだ時期もあります。本当にこの結論で良いのだろうか、ほかの選択肢もある中でこれが最善と言い切れるのだろうか、実務上の負担を考慮すると非現実的な提言になっていないだろうか、など、考え始めると頭の中で思考が堂々巡りを始めてしまい、結果として反応が遅くなり、余計に悪循環にはまり、自己嫌悪から抜け出せず、自信を喪失し続ける日々でした。
独りで抱え込むのはよくないとわかっている一方で、当時の勤務先の所属部の人数も限られており、それぞれが非常に多忙にしていたため、他の人に意見を聞いたり相談したりすることにもためらいがあり、孤独で仕事が怖いと感じる時期がありました。しかし、最終的には勇気を出して、何らかの理由により困っている同僚を見つけてまめに相談や壁打ちをさせていただくようになりました。「1人では0.6人前の仕事しかできないけど、違う経験を持った2人で足りないところを補い合って、力を合わせて3人前の仕事をしよう」と協力できるようになると、光明が差してきて、物事が一気に好転し始めました。自分1人の知識と経験には限界がありますが、人の知識や経験と掛け合わせることで、それは足し算ではなく掛け算として、大きな価値を発揮することを身をもって体感しました。当時の私を受け止めてくれた同僚には本当に感謝しています。
2017年にPwC税理士法人に入所後は、相談できる専門家集団が周りに大勢いる環境になり、より自信を持って仕事ができるようになりました。仲間がいることの素晴らしさ、品質管理体制の充実度など、大手事務所ならではの充実した環境を活用しています。
07
人生の目的と公認会計士という資格
先述の震災での経験でより明確になりましたが、私の人生の目的は、家族とともに幸せな時間を共有することです。そのためには、安心して暮らせる収入と、自分のペースで働ける環境と、ライフステージに合わせて柔軟に対応できる仕事が必要だと考えています。公認会計士という資格はそれらを可能にする鍵となりました。高校時代の恩師の言葉がきっかけで公認会計士を目指すようになりましたが、その先生の言葉通り、この資格はどこでも通用するパスポートのように感じます。当初は東京で就職したものの、途中から家族の事情で仙台とロンドンに転居しましたが、仙台でもロンドンでも家族と離れることなく仕事を続けることができました。また、外部リソースも活用しつつ時間をやりくりし、二人の子どもたちとの時間を大切にしながら、納得いくように向き合える仕事をフルタイムで続けることもできました。それは、この職種が高い専門性と信頼性を持ち、アウトプットにこだわる一方で、ワークスタイルにはそれなりの自由度が認められているからだと思います。公認会計士・税理士の仲間は、成果を出すためにはどうすればいいかを自分で考え、行動できる人が多く、お互いに尊重し、協力し合う文化があります。実際に勤務し始めるまでは知らなかったことばかりでしたが、今ではこの仕事が私の人生の目的に沿っていると感じています。

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これから成し遂げたい事、将来の夢
5年後、10年後のPwC税理士法人が、高齢化社会のもとでの人手不足やAIなどの新技術にも対応しうる組織になるには、各人の成長が不可欠です。今は若手スタッフの成長を見守るのが楽しみで、最近は成長の手助けとなるような仕組みや施策づくりに力を注いでいます。例えば、新規入所者向けには、所属部門での月次のウェルカムミーティングや、入所後3カ月間のフォローアップミーティングを企画したり、新人向けの部内研修を企画運営したりしながら、なるべく早く即戦力となっていくことができるよう試行錯誤しています。昇進したばかりのマネージャー向けには、コーチングなどを通じてマネージャーとしての業務への関わり方への移行をサポートする仕組みを検討しています。また、税務プロフェッショナルがクライアントサービスに注力できるよう、社内のサポート体制の充実にも力を注いでいます。若手スタッフが成長し、PwC税理士法人を引っ張っていってくれる頼もしい存在になってくれる日を楽しみにしています。

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
専門家を目指すならば、まずは周りの人たちに積極的に話し掛けましょう。一般的に資格取得を目指す人は社交的ではないと思われがちです。私もそうですが、内向的な性格も個性の一つではあるものの、プロフェッショナルとしてクライアントや社会に価値を提供するためには、自分の考えや意見を内に閉じ込めず、相手に適切に伝えるスキルが必要です。時には、必ずしも会計・税務知識を持たない方を相手に、分かりやすく説明をしたり、情報を引き出したりするなど、専門知識だけでなく、コミュニケーション能力も重要です。そのためには、まずは臆せず人に語り掛けることができるようになる必要があると思いますし、また、自分自身が周りから話し掛けやすい存在になることも重要だと思います。人の行動は変えられませんが、自分の行動は変えられます。第一歩として、ぜひ朝の挨拶から実践してみてください。


