会計士の履歴書
K.K.

PwC税理士法人

金融部(FS) ディレクター

K.K.

外向きな行動が、視野と価値を広げる鍵

1987年1月20日生まれ(39歳) 神奈川県出身 神奈川県在住

慶應義塾大学法学部法律学科

K.K.

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キャリアサマリー

大学卒業後、新卒で銀行の営業職に就きましたが、自分の将来像と合わないと感じ、手に職を付けるために会計士資格を目指しました。その後、2012年に公認会計士試験に合格し、PwC税理士法人の金融部に入所しました。2017年から2019年まで、金融庁総合政策局総合政策課に課長補佐として出向し、金融機関・金融取引に関する法人課税や国際課税の税制改正に携わりました。2019年にPwC税理士法人金融部に復帰したのち、2022年から2024年までPwCシンガポールのFinancial Services Taxに出向し、Japan Business Networkにおける金融税務の専門家として、ASEAN・オセアニアのPwCメンバーファームと連携して、日系企業の本社やシンガポール法人に対して税務サービスを提供しました。2024年9月にPwC税理士法人金融部に復帰し、現在は金融・不動産業向けの税務コンサルティングを中心に業務を行っています。

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キャリア選択のきっかけ

他の多くの公認会計士試験合格者と異なり、私は会計士試験の合格後すぐにPwC税理士法人に入所しました。当時、合格者の全員が監査法人に入れるわけではない状況で、私は銀行での経験を活かし、クライアントに感謝される仕事がしたいと思っていました。さまざまな人の話を聞く中で、監査の仕事は本質的にクライアントに客観的に向き合う立場の仕事ではないかと感じ、クライアントと同じ方向を向いてアドバイスができる税務の道を選びました。PwC税理士法人に入所した後は、クライアント先への常駐、金融庁への出向、PwCシンガポールへの海外赴任と、多様なキャリア形成の場を経験しました。金融庁では、関係者からの非常に多くの意見を踏まえて、幅広い観点から望ましい税制を作るための改正提案を財務省や国税庁に対して行う役割を担い、税制改正に関わる貴重な経験を積むことができました。シンガポールでは異なる文化的バックグラウンドを持つ同僚とコミュニケーションを取りながらチームとしてクライアントの支援を行う新しい挑戦をし、国際税務に関する知見を深めるとともに、顧客や同僚との関係性を広げることができました。このような経験の一つ一つが、私の専門性を深め、現在の、そして今後のキャリアに大きく寄与していると感じています。

K.K.さん

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今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

金融部では、主に国内外の銀行・証券・保険・資産運用業や不動産業のクライアントに対して税務申告や税務コンサルティングといった幅広い税務サービスを提供しています。シンガポールで培った国際税務の知見や異文化コミュニケーションのスキルなど、PwC税理士法人に入所してからの多様な経験を活かし、実行可能性も考慮して価値のあるアドバイスを行うように意識しています。今後はクロスボーダーのプロジェクトにこれまで以上に注力したいと考えています。

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あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私が大事にしているのは「信頼」です。これは私と同じく銀行員であった父から教わったことです。信頼は築くのに時間がかかりますが、崩れるのは一瞬です。サービス業として、サービスの質を高めることは基本ですが、言動によって信頼を損なうことは絶対に避けなければなりません。PwCでも「信頼」は非常に重要視されており、組織のPurpose「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」として常に意識されています。
また、コミュニケーションのスピードも重要です。クライアントからの質問は、限られた時間の中で回答を求められることが多いため、クライアントのニーズを満たすよう迅速に対応する必要があります。これは難易度の高い質問に対しても同様で、質を担保しながら迅速に回答するバランスを心がけています。

K.K.さん

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

私たちのクライアントは、グローバルな大企業が中心で、クライアントが抱える税務課題も難易度が高く、かつスピード感のある対応を求められるものが多くなります。そのようなチャレンジングな依頼に対してクライアントに満足してもらえた時に、達成感を感じます。特に印象に残っているのは、あるクロスボーダーの買収案件です。他国の会計・法律・税制を踏まえたうえで、日本における課税への影響を、クライアントの求めに応じてタイムリーに検討する必要があり、とても緊張感があり、難易度が高く厳しい状況だったことを覚えています。そのプロジェクトは1年以上におよびましたが、プロジェクトが無事に終わった時、クライアントから「これまで本当にありがとうございました。シンガポールでも頑張って、戻ってきたらまた一緒に仕事をしましょう。」と言ってもらえた瞬間、自分の努力が報われたと感じ、大きな喜びと達成感を得ました。

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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

私は悩むことが少ない方ですが、税法解釈の難しさには常に直面しています。特に、高度な知識を求められるクライアントとのやり取りでは、難しい質問が多く、正確なアドバイスを提供するプレッシャーがあります。私がまだ入所して間もない頃、クライアントからの難題に的確な答えを出せず、期待にうまく応えることができなかった苦い経験があり、自分自身が納得する答えを出す重要性を学びました。税法は完璧ではなく、特に金融に精通したクライアントからのハイレベルな質問には、答えに窮することも少なくありません。こうした状況では、税務リスクを考慮しながら合理的なコメントをすることが求められます。そのため、日々の業務では、難易度の高い質問にも「最後の砦」としてクライアントの期待に応えるという意識を持ち、地道なリサーチや同僚、先輩の意見を参考にしつつ、妥協せずベストなアドバイスを提供することを心がけています。また、このような経験を通じて、クライアントからの信頼を獲得するだけでなく、自分自身の成長を実感し、自信が持てるようになっていくのだと感じています。

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人生の目的と公認会計士という資格

大それた目的かもしれませんが、自分の専門知識を用いてクライアントをサポートすることで、日本だけでなく、世界がより豊かになる手助けをしたいと考えています。私は幼少期をブラジルで過ごしました。車の後部座席に乗って移動していると、車が止まるたびに同年代の子が花や新聞を持って近付いてくるという世界を目の当たりにし、子ども心にどうしてこのようなことが起きるのか、違和感を持ったことを覚えています。その後、小学校の高学年で日本に帰国しましたが、外で友達と自由に遊び、一人で買い物にも行ける日常に、「日本はなんて平和な国で、自分はいかに幸せか」と思い知らされました。この体験は今も大きな原動力としていつも私の心の中にあり、豊かな日本と海外の橋渡しとなるような役割を果たしていきたいと思っています。まだその道筋は模索の段階ですが、公認会計士の資格は、金融・税務・会計という経済活動の根幹に関わる専門資格であり、この資格を通じて大きな経済主体である世界中のクライアントを支援することが、自分の目指す目的とつながっていると感じています。

K.K.さん

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これから成し遂げたい事、将来の夢

私は、税法以外の観点も踏まえた付加価値のあるアドバイスを提供できるような税務アドバイザーでありたいと考えています。税務アドバイスは、会計や法律、規制などさまざまな領域と交差するため、関連する専門家を巻き込みながら、ビジネスも踏まえた総合的な視点からクライアントにとっての価値を最大化することが重要です。その中で、自分のキャリアを活かして、いかに周りと差別化するかを考えています。私の場合、シンガポールでの駐在経験を通じて得たクロスボーダー取引の知見、クライアントへの常駐経験を通じた顧客側のニーズに対する理解、金融庁への出向で学んだ税法を作る側の視点などを活かし、全体最適を考慮した、最も適切で深みのあるアドバイスを提供したいと思っています。
プライベートでも、さまざまな国を訪れることで、実際の文化や価値観に触れ、その経験をアドバイスに反映させたいと考えています。海外出向中は、シンガポールから東南アジア各国を訪れる機会も多く、クライアントとのコミュニケーションにおいて大きなアドバンテージになりました。実際に現地を五感で知ることで、アドバイスの質が向上し、言葉に深みが出ることを実感しています。さまざまな人の価値観に触れ、さまざまな専門家の良いところを吸収し、自分の将来像を形成していくことが、現在の目標です。

K.K.さん

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

自分ならではの強みを持った会計士としてのキャリアを築くには、さまざまなキャリアを持つ他の会計士と交流することが重要だと考えています。公認会計士という資格はビジネスの基本に関わる専門資格であり、選択できるキャリアの幅が非常に広いこともあり、他の会計士がどのような強みを持っているかを知ることが、差別化やインスピレーション、モチベーションの源になると感じています。
私も、PwCや公認会計士協会での活動を通じて、監査法人や事業会社、独立した会計士など、多くの仲間と交流を深めることができました。このつながりは、自分のプロフェッショナルとしての価値を見つめ直す上で、非常に貴重なものとなっています。会計士という職業は多様である一方、時にその多様性に悩むこともあるかもしれません。しかし、内向きにならず、外に向かってフットワーク軽く行動することが重要です。普段の仕事では、他人と腹を割って話す機会が限られているため、人との深い交流は心の支えにもなります。
受験生のみなさんは、最初のキャリア選択においては、さまざまな人の話を聞くことが重要です。監査法人は多くの人が最初に選ぶキャリアですが、未知のコミュニティに飛び込んで新しい人と会うことで、視野を広げ、自分をアップデートする機会も持ってほしいと思います。私自身、シンガポールという異国の地に飛び込み、現地の人々と出会うことで視野が広がり、さまざまなキャリアを築く会計士同士のつながりも得ることができました。そうした経験が、これからのキャリアに大きく影響すると思っています。