会計士の履歴書
Y.I.

PwC 税理士法人

金融部(FS) マネージャー

Y.I.

税務の専門性でクライアントに価値を

1999年1月21日生まれ(27歳) 東京都出身 東京都在住

慶應義塾大学 商学部

Y.I.

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キャリアサマリー

2021

PwC税理士法人 入社、金融部プライベートエクイティ オペレーティングユニット(以下「PE OU」)に所属

大学に入学後、将来どのような職業に就くべきか真剣に考えるようになった。その際、自分の軸として「所属組織ではなく、個人としての実力を高めたい」との思いを抱いた。その中で、商学部であったことから、公認会計士という資格の存在を知ることとなった。この資格を取得すれば、会計・監査にとどまらず、税務やコンサルティングなど、多岐にわたる分野においてプロフェッショナルとして活躍できることを知り、大いに魅力を感じたことを覚えている。大学では、比較的自由に使える時間を四年間確保できるが、この期間を何らかの形で有効に活用すべく、難関資格である公認会計士に挑戦する決意を固めた。

公認会計士試験に合格した後はPwC税理士法人に入社し、現在に至るまで約四年間、ファンド業界のクライアントに対するM&A税務アドバイザリーや、ストラクチャリングなどのコンサルティング業務、外資系企業のクライアントに対する税務申告サポートなどのコンプライアンス業務に従事している。

02

税理士法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

私は専門性を習得し、研鑽することが好きであるが、同時に獲得した専門性を実務に活用し、クライアントに価値を提供したいと考えていた。この点、税務コンサルティング業務は専門性を発揮してクライアントに対して価値を提供できるうえ、税金という直接的なキャッシュアウトに関わることでクライアントに感謝していただける点に魅力を感じ、新卒でPwC税理士法人に入社することを決めた。また、多くの会計士がファーストキャリアとして選択する監査法人ではなく、税理士法人を選んだのは、個人としての実力を高めることに重点を置きたかったからであり、その点において税務の専門性はバランスが良いと感じたからである。

Y.I.さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在の業務は大きく分けて、コンサルティング業務とコンプライアンス業務の二つである。コンサルティング業務では、特にM&Aに関わる複雑な取引を税務という観点からアドバイスすることで、入口から出口までサポートしている。具体的には、M&Aを通じて想定される課税関係の検討・整理、税務デューデリジェンス、M&Aに関する各種契約書(株式譲渡契約書など)のレビューなど、M&Aの全体に税務の観点から関与している。
税務コンサルティング業務では、税法に関する深い専門性はもちろん、会計・法務・ビジネスなど様々な面を総合して課税関係を検討する必要がある。各Dealの事実関係を総合的に理解し、税法に理論的に当てはめ、課税関係を検討するプロセスが税務コンサルティングの難しいポイントであり、興味深いポイントでもある。また、M&AはDealごとに事実関係が異なり、複雑であるケースも多いため、同じ検討を繰り返す作業はほとんど存在しない。むしろ、税法上に明文規定が存在しない場合や過去事例が存在しない場合など、明確な「正解」がないケースも数多く存在する。このような場合こそ、税務のプロフェッショナルとして理論的な検討・解釈を行い、納得感のある結論や見解を導き出してクライアントに説明することが重要であり、価値を提供できるポイントであると考えている。
コンプライアンス業務では、申告書の作成をサポートし、クライアントの担当者と密に連携しながら適切な申告を行っている。新卒で会計士試験合格というバックグラウンドを持つため、税理士法人に入社当初は税法の知識や税務の実務経験を積む必要があった。この点、コンプライアンス業務ではクライアントと密にコミュニケーションを取りながら、最新の税制をキャッチアップしつつ、適時に適切な税務申告書の作成をサポートするという「税理士」としての基礎業務を経験することができる。私が所属する金融部PE OUは、税法の理解や解釈、税務実務に関する経験など「税理士」としての専門性と合わせて、ヒアリング能力、プレゼンテーション能力、ディスカッション能力など「コンサルタント」としての能力も磨くことができる環境であると考えている。また、業務上、海外のPwCメンバーファームの担当者やEnglish speakerであるチームメンバーとのコミュニケーションが必要だが、英語を駆使して業務に取り組む上司や先輩の姿を見て、仕事の幅をより広げていきたいとの思いが高まり、海外駐在を見据えさらなる英語能力の向上も目指している。優秀な方々が多く在籍し、刺激的な環境で業務に従事できることから、日々成長を実感している。

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あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、積極的な調和能力と知的好奇心であると考えている。コンサルティング業務やコンプライアンス業務は、万が一検討を誤ると予期しないキャッシュアウトが発生するリスクがあるため、緊張感を伴う業務である。限られたタイムラインの中で数多くの業務を正確にこなすには、仮に自信があっても一人で完結させるのではなく、中心的な役割を担う人物が多様な人財を巻き込み、チーム全体として迅速かつ正確に案件を進めることが重要なポイントとなる。振り返れば、私は受験生時代から周囲に影響を与えるタイプであり、誰よりも早く受験勉強を始めることで周りのモチベーションを高め、自分を中心に猛勉強の層が広がっている感覚があった。現在の仕事においても、チームのコミュニケーションが円滑に進むよう、自らが中心となって積極的に議論の場を設け、チーム全体で一丸となって案件を進める雰囲気を醸成し、案件を力強く推進することを心掛けている。また、現在の仕事は高い専門性が求められるため、業務をこなしながらも日々知識のキャッチアップを継続する必要がある。知的好奇心が強いため、税法などの研鑽を苦にせず継続できていると考えている。関連する本を購入し、業務時間外での読書を通じてインプットを継続し、業務内でのアウトプットを繰り返すことで、専門性をさらに磨き、業務のレベルを日々向上させることを心掛けている。

Y.I.さん

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

M&Aは、クライアントにとって重要な意思決定の連続である。特に税務に関する検討事項は、その結論が意思決定に大きく影響する可能性がある。さらに、M&Aは取引自体が複雑で、難解な検討が必要となることも多い。こうした厳しい状況の中で、税務の専門家として検討を重ね、クライアントの意思決定に資する価値を提供できた瞬間に、この仕事のやりがいを感じる。以前、クライアントが検討している取引案を持ち込んできた際、私たちのチームはクライアント案の検討のみならず、代替案も提案したところ、クライアントに驚かれ、非常に感謝されたことがあった。この仕事をしていてよかったと、大きく心が動いた瞬間であった。

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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

高い専門性とスキルが求められるコンサルティング業界に新卒で挑戦したため、入社当初は自分の実力不足を痛感し、日々研鑽の時期を過ごした。どの業界でも同様だろうが、仕事である以上、学校や予備校のように先生から教わるよりも、自分で考え、習得していくプロセスが必要である。「監査にしておけば良かったのではないか」と弱音を吐きそうになることもあったが、早く成長するためには、業務の内外を問わず、人よりも一層多くの量をこなし、自ら厳しい状況に身を置く必要があると感じた。恥を忍んで不明点についてはできるだけ先輩方に質問し、その解決を図っていた。また、直接依頼された業務以外にも、自分が関与している案件についてできるだけ多くの情報に目を通し、自分なりに理解しようとする努力を地道に続けていた。例えば、入社当初は仕事に関する資料やメールを見ても、そもそもその資料の内容が税務の観点から重要であるかどうかの判断をすることさえも難しかった。そこで、重要そうだと判断した資料は先輩に自身の見解とあわせて報告し、先輩の反応を観察して、自身の判断や業務における必要な視点を修正していくプロセスを通じて、効果的な業務の進め方を徐々に体得していった。遠回りも多かったが、諦めずに食らいつき続けたことが結果的に自分の成長につながったと考えている。今思い返すと恥ずかしい質問も多かったが、そのような質問に対して時間を作って真摯に対応してくれた先輩方には深く感謝している。

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人生の目的と公認会計士という資格

当たり前のことかもしれないが、「幸せになること」が私の人生の目標である。この目標を達成するには、仕事だけでなくプライベートの充実も不可欠である。公認会計士としての仕事は時に忙しいこともあるが、この資格は仕事のやりがいや金銭面だけでなく、プライベートの面でも私の人生に大きなプラスの影響を与えている。
私は年に2、3回、1週間程度のまとまった休みを取って旅行を楽しんでいる。チーム内でも、まとまった休みを取り、しっかりリフレッシュすることが推奨されている。また、勤務時間を自分で柔軟に設計できるフレックス制度が整っているほか、育休を取得する男性も多く、プライベートを充実させられる恵まれた環境である。今後もこの資格が私の人生にさらなるプラスとなるよう、日々成長していきたい。

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

PwCの海外メンバーファームへの出向を実現したいと考えている。そのために、語学の学習はもちろん、税法の知識の研鑽やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力の向上に努めている。中でも、私のチームのパートナーたちが出向してきたニューヨークは憧れの地だ。流暢に英語を話し、米国の税制にも詳しい先輩方を見て、ニューヨークへの出向が非常に魅力的であると感じている。
当法人は、大手会計事務所の中でも特に海外出向がしやすい環境だと自負しており、常に30~40名が海外に出ている。年に2回、海外出向希望者の調査が行われ、複数の希望地域を申請することができる。早い人で4、5年、遅くとも10年以内には出向できると言われており、出向のチャンスに恵まれているため、海外勤務に興味がある方にはぜひ当法人を推奨したい。
究極的な目標は、クライアントや海外ファームから「この人に頼みたい」とバイネームで指名される会計士、税理士になることだ。海外出向は、そのための一つのステップであると考えている。海外出向の経験を糧に、現在提供しているサービスを基盤にしつつ、新規サービスの開発にも取り組んでいきたい。

Y.I.さん

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

挑戦したいことがある場合、まずは行動に移すことが重要だ。会計士の職業は選択肢が非常に広いため、キャリアについて悩むことも多いだろう。よくある悩みの一つとして、「ここでやりたいことがあるけれども、周りがみんな監査に行くから、自分も監査に行こうかどうか迷っている」ということがある。もちろん、監査を経験してから別の道に進むのも良い選択肢だが、今やりたいことが決まっているなら、その選択肢を追求すべきだと私は考える。なぜなら、人生において何かを選択したとき、その選択について後悔するかどうかは、選択した時に決まるのではなく、その後の行動によって決まることが多いからだ。何かに挑戦したいとき、頭でどれだけ考えても意味がない場合がある。したがって、まずは行動し、その選択が正しかったと思えるように努力を続けることが大切だ。
大学生や受験生に対しては、周りの多くが勉強をしていない状況で、自分が難関資格の取得を目指して勉強することは精神的に辛いことも多いだろうが、それは非常に価値のあることだということを伝えたい。資格取得後の自分を想像し、その姿に向かって頑張り続けてほしい。私の記事を読んで、一人でも多くの受験生が合格後のイメージを膨らませ、モチベーションを高めてくれることを願っている。