会計士の履歴書
S.T.

PwC税理士法人

国際税務/ディールズタックスグループ(ITS/Deals Tax) ディレクター

S.T.

地道な力で信頼を築く会計士

1986年1月14日生まれ(40歳) 栃木県出身 神奈川県在住

一橋大学商学部 2011年合格

S.T.

01

キャリアサマリー

事業会社に勤めながら公認会計士を目指し、2011年11月に合格、PwC税理士法人に入所しました。入所後の数年間は主に税務申告業務に従事し、その後、2017年9月から2020年9月までPwC英国法人に出向する機会を得ました。PwC英国法人では現地のチームと共に日系企業の海外投資における法人税やVAT等の税務コンサルティング業務、日系企業への税務ガバナンスおよびコンプライアンス体制の構築支援を担当。当時盛り上がっていたBrexit(ブレグジット=EU離脱)による税務上の影響についてのセミナーを企画するなど、英国ならではの実務を経験しました。帰国後はM&A税務や国際税務を中心に従事し、現在に至ります。

02

前職の事業会社における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

大学生時代の4年間は部活動に専念し、特に資格取得を考えずに流れのまま事業会社の総務の仕事に就きました。総務部では株主総会に関する仕事など、さまざまな業務を担当し、日々忙しく過ごしていました。そんな時、職場にやってきた外部のコンサルタントと仕事をする機会があり、彼らが専門的な知識を持って活き活きと働いている姿を見て、自分の今後のキャリアを考えるようになりました。当時は、ちょうど公認会計士の資格取得が流行っている時期でした。大学時代に商学部で学んでいたこともあって、「これを機に公認会計士試験に挑戦してみよう」と思い立ち、会社に勤めながら夜は専門学校に通うという生活をスタートさせました。1次試験合格後、2次試験に備えて退路を断つつもりで退職。2回目のチャレンジで無事に合格することができました。
 公認会計士試験の勉強中は、合格したら当然に監査法人に就職するものと考えていましたが、就職活動中に税理士法人に就職する選択肢があることを知りました。専門性の高さや海外出向の可能性の高さ等が魅力に映り、2011年11月にPwC税理士法人に入所することを決意。ここから私の税務の専門家としてのキャリアがスタートしました。

S.T.さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在はITS/Deals Taxという部署で、M&A税務や国際税務を中心とした業務に従事しています。M&A税務では、企業買収等において、対象会社に重大な税務リスクがないかを確認する税務デューデリジェンスや、税効率のよい買収方法を検討する税務ストラクチャリング等のサポートを行います。例えば、直接日本の法人が買収する場合や、海外法人を通じて間接的に買収する場合の税務面でのアプローチについて分析や助言を行うほか、海外子会社等の取引に係るタックスヘイブン対策税制等の検討も行っています。
 私たちがサポートするM&A案件は比較的規模が大きく、グローバルな案件も存在するため、PwC Japanグループの他の法人や海外メンバーファームとも連携してダイナミックなサポートができ、そこに大きなやりがいを感じることができています。入所してから5~6年が経つ頃には、多くの同僚が海外出向の機会を得る中、私もタイミングよく英国に出向することができました。
英国に行った際は、ちょうどBrexitの議論が盛り上がっており、欧州の税務や文化に触れるなど、学びの機会が非常に充実した3年間でした。さらに、英語環境で働き、欧州各国や米国への旅行を楽しむことで語学力も向上し、帰国後も出向経験を活かして仕事ができています。PwC税理士法人では海外出向の機会が広く用意されており、海外での仕事は私のキャリアの中で重要な経験になっていると感じています。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私は幼少期から高校生まで剣道を習っていたこともあり、剣道の練習のように地道に細かいことをやり続ける力が私の強みであると考えています。税理士の仕事は、条文を細かく読み、税務申告書を間違えずに適切に作成するなど、根気が必要な仕事です。そのため、私の強みと税理士の仕事は相性が良いのではないかと感じています。
 地道に取り組む姿勢は、多くの人が持っているものであり、特別な強みではないかもしれません。しかし、剣道を通じて身につけた集中力や、細かな誤りにも気を配ることが、日々の税務の仕事においてもクライアントや、共に働く仲間からの信頼を得る上で非常に大切であるということを感じています。

S.T.さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

規模が大きい案件にチームメンバー全員で一丸となって取り組み、その結果、無事に完了してクライアントから感謝されたときは非常に嬉しい瞬間でした。
 ゴールデンウィーク中に、マネージャーが大規模案件に加われるスタッフを探していて、当時シニアアソシエイトだった私も仲間たちと一緒にその案件に取り組むことになりました。最終的には10人ほどのチームになり、毎日一緒に仕事をしながら、夜は食事や飲みに行くこともありました。このような経験は今でも鮮明に記憶に残っています。案件が無事に完了し、クライアントから感謝の言葉を頂いたときは、苦楽を共にしたチームで仕事を終えた達成感も相まって本当に嬉しかったです。また、大きな案件に取り組むことで、さまざまな新しい論点に直面し、チームのサポートを受けながら乗り越えクリアしていく中で、自分の知識や能力が向上したことを感じ、自己成長も実感しました。精神的にも「できるんだ」という自信が芽生えました。
 クライアントとの関係も重要で、日々のコミュニケーションを通じて信頼を築いていくことができると感じています。大規模な案件や細かな案件の際には、クライアントとしっかりコミュニケーションを取り、その結果として良好な関係が築けていると実感できる瞬間が、私にとっての喜びです。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

PwC税理士法人には優秀な方が多く、その方たちと仕事をすることは非常に刺激的である反面、自分の能力のなさに悩んだり、不安を感じたりすることもあります。特に上司と仕事をしていると、彼らの能力に感銘を受けることが多いです。周りの優秀さに圧倒され、このままで大丈夫なのだろうか、もっと努力しなければならないと感じることも少なくありません。
 しかし、自分のできることには限度もあります。努力しながらも気持ちを割り切り、できるだけ前向きに取り組むことが重要です。悩むこともありますが、あまり深く考えすぎないようにバランスをとることが必要であり、案件は自分一人でなく、チーム全員が一丸となって取り組むものだと考えるようにしています。
 また、プロジェクトごとにチームを組みますが、チーム以外のメンバーとコミュニケーションを取ることも重要です。ある分野に強い人がいる場合、その人たちにアドバイスを求めるというのは良いアプローチだと思います。チーム内だけでなく、同期や他のチームのメンバーに尋ねてみることで、多くの知見を得られます。こうしたことを通じて、「その分野に強い人から学ぶ」機会が多くあり、行き詰ったときにもさまざまな解決のためのヒントが存在するのではないかと感じています。

07

人生の目的と公認会計士という資格

公認会計士の資格を取得してから、今のところ充実した人生を築けていると感じています。人生の目的をじっくり考えたことはありませんが、自分の行動によって、自分や家族が楽しく暮らし、社会に貢献し、人の役に立つことができれば素晴らしいと思います。公認会計士の仕事自体が社会や人の役に立つものであるため、その意味では私の人生の目的を達成するために公認会計士の資格が役に立っていると考えています。
 また、専門性の高い資格を持つことで、手に職を得られれば、ある程度自由の利く仕事ができ、自分や家族に精神的な余裕を持たせることができます。さらに場合によっては将来的に独立できる選択肢があることも魅力だと感じています。この意味において、公認会計士の資格が人生に与える影響は大きいと実感しています。

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

まずは地道に確実に目の前の業務と向き合い、クライアントに感謝されるようなサポートを行っていきたいです。それを積み重ねた結果が、自分自身のスキルアップやそれに見合った報酬、PwC税理士法人への貢献につながると考えています。
 また、過去に海外出向を経験しましたが、機会があれば、再度海外出向をして、海外ならではの経験や新しい挑戦をしたい気持ちもあります。
 一方で、家族の支えなくして仕事はできないため、せかせかと働くのではなく家族と自分自身を大切にし、大好きなゴルフをするなどプライベートも充実させたいです。

S.T.さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

私は事業会社在職中に、今後のキャリアを見据えて、公認会計士の資格を目指した経緯があります。公認会計士の資格を取得してからは常に新しいことが待ち受けており、日々さまざまなことに挑戦して、前向きで充実した生活を送ることができていると思います。また、満足のいく環境で、仕事の自由度を得られ、プライベートを含めた生活全体においても選択肢が増えました。もしキャリアに悩んでいるのであれば、まずは第一歩を踏み出してみてほしいと思います。キャリアを模索するというのは、まさにそういうことではないでしょうか。