【インタビュー】東京CPA会計学院が支持される理由。高い合格率だけじゃない、個性的な教育法とは | 会計士の履歴書
会計士の履歴書 > 特集一覧 > 東京CPA会計学院が支持される理由。高い合格率だけじゃない、個性的な教育法とは

東京CPA会計学院が支持される理由。高い合格率だけじゃない、個性的な教育法とは

学校法人東京CPA会計学院 / 国見 健介

東京CPA会計学院が支持される理由。高い合格率だけじゃない、個性的な教育法とは

学校法人東京CPA会計学院 / 国見 健介

-

-

-

-

-

今回ご紹介するのは東京CPA会計学院の理事と講師をされている国見健介(くにみ けんすけ)さんです。
国見さんはカリスマ講師として有名ですので、授業を受けたことがあるという方も多いと思います。大学3年生で公認会計士試験に合格し、そのまま東京CPA会計学院でチューターのアルバイトを始めました。大学卒業後に某大手監査法人に勤務したものの、教育の魅力に惹かれて再び東京CPA会計学院に戻り、現在まで多くの合格者を輩出しています。独特の教育理念や、会計教育業界の課題、これからの会計士に求められるスキルなど、多くの人材を育ててきた国見さんにお話を伺いました。

学校法人東京CPA会計学院
公認会計士試験ほか会計資格の受験指導を行う、会計資格の専門学校。財務会計・管理会計の法人向け研修や、実務スキル講座も実施。常任講師が学習前から合格まで個別サポート。平成29年度公認会計士試験平均合格率が約11%であるのに対して、東京CPA会計学院の合格率は44.8%と驚異的な合格実績を誇る(2017年度。東京CPA会計学院Webサイトより)。昭和43年渋谷区恵比寿にて『東京会計法律学院』創設。平成20年より『専門学校 東京CPA会計学院』に改称。中野区中野に東京本校及び学園本部、ほか水道橋校・早稲田校・日吉校・大阪梅田校。

キャリアサマリー
1978年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。
大学3年で公認会計士試験に合格し東京CPA会計学院でチューターのアルバイトを始める。
大学卒業後、某大手監査法人に勤務を始めたものの、教育の楽しさに惹かれて東京CPA会計学院に戻ることを決意。
現在は理事として、講義・教材開発・広報・人事・総務・公認会計士講座統括・組織マネジメントなどを行う。カリスマ講師として多くの公認会計士試験合格者を輩出する。
講師業のかたわら、NPO法人リトル・ビーズ・インターナショナル監事、NPO法人accountability for change理事、NPO法人 ReBit 監事、株式会社京和工芸特別顧問を務める。
著書に、『公認会計士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本』(出版元:秀和システム)。

1CPA会計学院の独特の教育理念と、オープンな組織風土

長期的な視点でマネジメント力を発揮

国見さんは東京CPA会計学院の理事と講師を兼任していらっしゃいますが、現在の仕事内容について教えていただけますか?

講師としての業務に4割、組織マネジメント業務に4割、新規事業に2割の配分業務を行ってると思います。

講師としてのプレイヤー業務は、教材開発、講義、質問・相談対応などにほとんどの時間を費やしています。

マネジメント業務は、組織が上手く回っていくために必要な業務をすべてやっているイメージです。組織ビジョンの策定、組織文化・風土の形成及び浸透、事業戦略の立案、投資意思決定、講座(商品)体系の改善、校舎運営の改善、人事評価、財務業務、外部企業との交渉・新規契約の締結、人材育成・人材採用など、組織が成長していくために必要なことはなんでも実行することを意識しています。

また、新規事業は、10年後、20年後の理想の形を見据え、必要と感じるものを試行錯誤しながら取り組んでいます。

プレイヤー業務とマネジメント業務はどちらか一つだけでも大変だと思うのですが、両立させるために意識していることはありますか?

20代のうちはプレイヤーとしての能力の向上に主に取り組み、30代はマネジメントとしての能力の向上に重きを置いてきました。プレイヤーとして成果を出すことと、組織やチームとして成果を出すためのマネジメント能力は全く異なります。

キャリアを考える際に、プレイヤーとして成長したいのか、それともマネジメントとして成長したいのかを明確に意識することが必要だと感じています。また、短期的に重要なことと長期的に重要なことへの時間配分も意識するようにしています。

個人的には、今後はマネジメント能力の向上が組織にとってますます重要になると考えているため、プレイヤー業務や短期的に重要なことは徐々に減らし、マネジメント業務や長期的に重要な業務の割合を増やしていきたいと考えています。たとえば、組織の各メンバーがやれることを100から120に増やすための環境作りや、組織メンバーの新規採用、組織を目指す方向に正しく導くこと、様々なチャンスの種を蒔くことなどに時間をかけて取り組んでいきたいと思っています。

一方で、組織を導くためには自分が一番成長しないといけないと感じているので、常に危機感を持って臨んでいます。

将来活躍し幸せになれる人材の育成

公認会計士試験の平均合格率11%と比べて(『平成29年度公認会計士試験合格者調』より)、東京CPA会計学院は44.8%と非常に高いとお聞きしています。このような結果を出すために、他の専門学校とどのような差別化を図っているのでしょうか?

合格はもちろんですが、合格後に、幸せに生きていて、かつ、社会で活躍できる人材を育てることを目標にしています。そして卒業生の皆さんに、CPAのOBであることを誇りに思ってもらえるような教育機関を目指しています。

教育業界は資格受験業界に限らず、“点”での成果、資格受験の学校なら合格がゴールになっていて、本当に幸せに生きて社会で活躍しているのかという、卒業生の将来には関心がない教育機関が多いと感じています。ですが本当の教育とは、10年後、20年後に社会で活躍して幸せに楽しく生きていけるよう人材を一人でも多く輩出することのはずだと信じています。今の教育業界でそういう教育機関や教育者は多くないので、そこを本気で目指しているところが他の教育機関との違いの一つだと思っています。

当学院にはOB会があって、各分野で活躍していて何か課題にぶつかったとき、講師やOBに相談できるネットワークを構築しています。今後も卒業生の方に貢献し続けられるような活動を強化し、卒業後も長期的な繋がりができるような学校にしたいと思っています。
現役受講生だけでなく、卒業後のOBにも様々な貢献をし続けれるパートナーであり続けたいです。

公正で開かれた組織への改革

マネジメントをする上で、気を付けていることはありますか?

1人1人のメンバーが、仕事を楽しみ、仕事を通じて成長し、心からCPAのメンバーでよかったと思ってもらえることを大切にしています。

若手社員のやる気を引き出すために、経営者が若い頃の苦労話をすることがありますが、この方法には土台から欠点があると思います。

どの会社でも、創業者やマネジメント層は、経営者としての大きなメリットや待遇があります。ユニクロの柳井さんがあんなに頑張れたのは、創業者として得られるものがあったからだと思います。新入社員がどんなに頑張っても創業者と同じものを得られるわけではありません。そのため、創業経営者と同じような道を歩んでほしい、同じような意識を持ってほしいと期待しても中々難しいのが現状です。

そのような状況の中で、従業員一人ひとりがやりがいを持ち、組織全体のメリットになることに一致団結して取り組めるようになるためには、各メンバーにとってメリットのある組織ビジョンと文化を浸透させることが必要だと強く感じています。そのことを強く意識しながらマネジメント業務に取り組むように心がけています。

国見さんは理事として、どのようなビジョンを持って組織運営に取り組んでこられたのでしょうか?

私自身が新入社員になったつもりで、骨を埋めて頑張ろうと思えるような組織像をイメージしながら、組織運営に取り組んできました。そして、平等でオープンな人事制度、風通しの良いフラットな組織、一人ひとりが権限と自由を与えられている組織にすることが重要だと考えています。

まず人事制度ですが、安定志向を続けると組織は弱くなるので年功序列は採用せず、年齢に関係なく結果から公正に人事評価をしています。

また、組織の方向性の中で正しいと思うことにはどんどん取り組めるような、風通しの良い組織を目指しています。私がA案と言ったからA案で決定するのではなく、B案やC案など、組織が良くなるための色々なアイデアを提案してもらうことが重要です。そのためには、役職の違いはありますが、一人ひとりがみんな人として平等という認識も大切にしています。

さらに組織の風通しが良くなるためには、情報がオープンになっていることが重要になります。マネジメント層だけが情報を握っている組織は良くありません。仮に経営者だけが、重要な情報を知り多額の報酬をもらって従業員が報われないとしたら、従業員が組織全体のことを考えようとは思わないはずですし、そもそも全体的な視点で物事を判断することもできなくなります。また、情報が見えないと誤解が生じたり、勝手な想像が働いたりして、メンバーが働いて楽しいと思えないはずです。

そこで、プライバシーに関することなどの一部の情報を除き、基本的にすべての情報が全メンバーに公開されていることを実践しています。私の給料からマネジメントが議論している内容もすべて公開していて新入社員でも知ることができます。すべての情報をガラス張りの状態にすることで、メンバーにとって働き甲斐のある組織ができたと思います。

2公認会計士試験受験指導とソフトスキル育成のための教育

“幸せ”の定義

東京CPA会計学院では、楽しく幸せに生きる人を増やすことを教育理念としていますが、具体的にどのようなことですか。受験生にとっては、合格がイコール幸せではないのでしょうか?

ほとんどの人にとって、楽しく幸せに生きることが人生の目的のはずです。しかし、幸せになるための手段を目的だと誤解している場合が多いと感じます。例えば、学歴、会計士試験合格、仕事、結婚、プライベートなどは、すべて楽しく幸せに生きるための手段にすぎませんが、いつの間にかそれらが目的になってしまう危険があります。

本当の幸せとは、それらを使ってどのくらい周りの人に貢献するかということだと考えています。

人に貢献することが幸せと言われましたが、それだと幸せになるのは相手であって自分自身ではないような気がしますが。

貢献すると、相手から感謝してもらえます。すると、自分はこの人にとって重要な人間なのだという自己重要感や、自分は必要とされる人間なのだという自己肯定感を感じることができます。どんなにお金を持っていても、どんなに権限を持っていても、周りの人から感謝されていないと楽しくないと思います。

多くの人に貢献し、役立ち、感謝される。これが幸せの大きさに繋がっていると思います。

貢献することは他人の幸せのために行動しているように見えて、実は自分の幸せにつながるという意味なのですね。

私は、純粋な利他主義の精神というのは存在しないと思っています。すべての行動は、自分が幸せを手に入れる目的のために他人に貢献しているのであって、本当は他人のためではなく自分のために行っていると感じています。

ボランティアをすれば感謝されて嬉しい気持ちになれますし、様々な学びや気付きもあります。利己主義を突き詰めた結果が利他主義に繋がっているのではないでしょうか。

また、親から子どもへの無償の愛といいますが、実は無償ではないと感じています。親は昼夜を問わず赤ちゃんや子どものお世話をしますが、何の見返りもなく一方的に貢献しているわけではなく、赤ちゃんや子どもがとても可愛くて、その笑顔や行動から非常に大きな幸せを親に提供してくれるので、与えてもらった幸せのお返しをしていると考えています。

利他主義や無償の愛という、世間一般に美しいと思われるものではなくても、自分の欲や幸せを貪欲に追及していく結果、周りの人にいっぱい貢献をしようと思う人が増えたら最高ではないでしょうか。

幸せをこういう定義で捉えるのは良い考えですね。自分も周りに人も幸せになれます。

自己重要感や自己肯定感を間違った方法で満たそうとしてしまうと、悪循環にはまります。例えば、お金や権力で優越感を感じようとしたり、自分より弱い立場の人に偉そうにふるまったりすることで、満足しようとする人、また、悪事を働くことで注目を集めようとする人がいます。

ですが、ブランド品を身に付けて美しく着飾って外見を装っても、瞬間的には自己肯定感が満たされるかもしれませんが、認められたのはあくまで表面的なものだけなので、時間が経てば幸福度は下がってしまうことがほとんどです。
また、悪事などで注目を集めても、偽物の注目を集めているだけなので幸せには繋がりません。

見た目や間違った行動で注目されるのではなく自分の内面が成長して、人に貢献して感謝されることで、本当の満足感を満たすことができます。そのために、「ビジョンを持つ」、「チャレンジをする」、「向上心がある」、「物事の考え方のレベルが高い」、「周りの人と良好な関係性を築ける」ような人材を教育し、彼らが周りの人にどんどん貢献して感謝してもらい幸せになってもらいたいです。

国見さんご自身は、周りの方にどのような貢献をされていますか?

自分は、家族、組織メンバー、受講生の皆さん、OBの皆さん、友人の皆さん、一人ひとり貢献できる形は異なりますが、自分の能力を磨くことで一つでも多く貢献できるようになりたいです。

その結果として、自分が多くの人からサポートを受けられるようになれば、自分だけでなくより多くの人がさらに幸せになれます。

貢献の内容は相手によってそれぞれ異なります、必要とされることをより多く貢献できる様に自己研鑽をし続けたいと思っています。

社会で活躍するために必要なソフトスキル

合格者の方のご意見では、東京CPA会計学院の良かった点は、講師に質問しやすい環境、テキスト、適切なフォローなど様々あげられています。その中で、国見さんが特に重視していらっしゃることは何ですか?

講義と教材のクオリティーの高さはもちろん必要ですが、最も重要なのは適切なフォローだと思っています。

会計士受験を登山に例えるなら、受験生は合格という頂上に向かって長い道のりを登り切らなければなりません。教材や授業を分かりやすくすること、自習室がいつでも使えたり、過去の授業をいつでも見て復習できるようにしたりすることは、登山道を整え登りやすくしているイメージです。

ですが、いくら道路が整備されていても、頂上しか見えない濃い霧の中を進むのは恐怖が伴います。反対に、いくら道が険しくても視界が開けていたら意外と登り切れるものです。

個別フォローでは、これから進む道が濃い霧に覆われていて、迷い不安になっている受験生に対して、「この時期はこういう勉強をしたほうがいい」とか「途中でくじけそうなときは、こういうふうにイメージしたら乗り越えられる」と霧を取り除いたり、霧の払い方をアドバイスしています。勉強方法や物事の捉え方、メンタルコントロールなどについても色々伝えることが合格にとって、合格後の活躍にとってとても大切になります。

そのため、個別フォローで伝えた内容は合格だけではなく、合格後に自分で進む力としても大きく役立ててほしいです。

講義では、置かれている状況も課題も異なる個々の受験生に合ったアドバイスはできないので、個別フォローで伝えていくことの重要性は高いと認識しています。

受験中は合格することだけで精一杯だと思うのですが、合格した後のことまで考えて指導するというのは珍しいですね。

試験なら科目とやることが決まっていますが、社会に出れば教科書もなければ科目数も決まっていません。合格した後の方が道は見えづらくなります。受験時代から、自分で霧をとって進む力、課題を解決して未来を想像していく力、モチベーションを保ち進み続ける力を身に付けることが大事だと思います。

個別フォローでは、受験知識に関することだけではなく、社会で活躍するために必要なことも教えてもらえるのですね。

大切なのは知識を教えることと同じくらい、ソフトスキルを身に付けてもらうことです。ソフトスキルとは、一流の人が社会で活躍するために備えている能力、自分自身の内面を磨く能力と捉えています。具体的には、目標設定能力、課題分析能力、目標を達成するための計画の立て方、課題解決能力、壁にぶつかったときの乗り越え方、マインドセットの持ち方、人を巻き込みながら良好な関係を長期的に築いていく力などです。

受講生の方にソフトスキルの指導するためには、我々自身もソフトスキルを身に付けていなければなりませんので、講師一人ひとりが日々スキル向上に努めてないといけないと感じています。

12