K.I. | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

PwC税理士法人

移転価格部(TP)

シニアマネージャー

K.I.

航空宇宙産業の発展に情熱を燃やす税務プロフェッショナル
アナリストタイプ
アナリストタイプ

1977年5月1日生まれ(47歳)
東京都出身 ・ 神奈川県在住
東京工業大学大学院 総合理工学研究科 人間環境システム専攻

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

複数の事業会社に在籍し、営業部門や経理部門、人事部門を経験した。また、税務担当者から他部署の業務の話を聞いてきた経験を通じて、会社全体を俯瞰し、本質的なリスクや課題を見極めることができ、そのリスクや課題へのアプローチを柔軟にアドバイスできるところが、私の大きな強みであると考えている。
事業会社内でビジネスを牽引する事業部の方々と、税務を含めたバックオフィスの方々の間には、着目している視点が異なる。全体を俯瞰することの大切さは、私自身が事業会社に所属していた時に実感したことだ。現在担当している移転価格税制は、詳細な分析が必須であるものの、ミクロの視点にこだわりすぎると部分最適となってしまい、本質的なクライアントの課題を見逃してしまうことが多い。このため、全体を俯瞰してクライアントの本質的なリスクや課題を把握し、リスクを最小化するために多面的に分析・検討していくことが求められ、ここに私自身のこれまでの経験が非常に活きていると思っている。
クライアントのビジネスの理解やニーズの把握、税務部門の立場など、社内的な事情を把握することを含め、クライアントの立場からのコンサルティング業務に関与できているという実感がある。また、クライアントが心を開き、親しみをもって接してくれているという実感も得ている。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

これまで、私のその後のキャリアに大きな影響を与えた人との出会いが3度あった。
1人目は、新卒で入社した総合商社での上司である。今の時代では嫌煙されるかもしれないが、週5日飲みに誘ってくるようなタイプの人で、営業担当としての日常的な振る舞いや、会社を代表して(看板を背負って)仕事をすることなど、社会人としてのイロハを1から叩き込んでくれたのも、この上司であった。そのような精神論を説いてくれる人は他にはなかなかおらず、また、この上司のクライアントとの距離の詰め方にも見習うべきところが多くあり、この上司がいたおかげで、泥臭く仕事をすることの大切さや、クライアントに対してどういった姿勢でいなければならないのかを学ばせていただいたことは非常に大きかった。
2人目は、情報通信会社(経理部)の先輩社員である。経理初心者であった私に、経理実務のすべてを日常の業務を通じて手取り足取り指導してくれた。私はこれまでの人生において、途中苦労はするものの、何とか最終的には帳尻を合わせて結果を出してきた。何となくカタチにできてしまうので、周りからの評価も決して悪くはないが、本質的な理解が追いついていないことも事実であった。この先輩社員に、私の「卒なく帳尻を合わせる」という仕事に対する姿勢を見抜かれ、公認会計士試験合格を機に転職する際には「Iさんは、これからも表面的には全く問題なく、どこの組織でも仕事をこなしていけるし、成果も挙げられると思う。しかし、100%の努力をしていないでしょ?100%の努力をせずに成果を挙げられることは能力だから、その点は自信を持っていいと思うけれど、さらに2ステップも3ステップも上を目指すのであれば、もっともっと苦労をしなさい!」という厳しいエールをもらった。この言葉は、公認会計士/税理士としてキャリアを積む上で今も支えになっている。
3人目は、前述のPwC税理士法人復帰のきっかけとなった現職の上司である。移転価格の仕事内容について指導してくださっているだけでなく、2人目の先輩社員同様に、私の性格的な特徴や仕事に対する姿勢、能力をしっかり認識し、いつも的確なアドバイスをくださる。復帰から8年経つ今も、PwCで頑張っていられるのは、この上司のおかげであり、感謝の気持ちしかない。これからは仕事を通して、私が恩返しをしていく番だと感じている。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士という資格を利用して、自分自身のキャリアの実現を目的として資格を取得したにもかかわらず、結果としてこの資格がキャリアの幅を狭めてしまったと感じ、悩んでいた時期があった。つまり、公認会計士として、監査、経理、税務のプロフェッショナルとしての経験や知見を活かして、航空宇宙業界の事業会社に所属し、1プレイヤーとしてビジネスに従事し、新規ビジネスの計画や立案を行うという当初の目的とは裏腹に、公認会計士の資格取得と監査、経理、税務のプロフェッショナルとしての経験を積むまでに一定の時間を要したため、航空宇宙業界での知見や経験を積む機会が減少してしまったのである。そして、公認会計士になってみると、公認会計士/税理士としての知識・経験が強みとして評価され、転職アドバイザーや事業会社の担当者からも、経理、税務のプロフェッショナルとしてのキャリアを勧められるようになった。そのようなキャリアは、自分自身が当初思い描いていた理想のキャリア像とは大きくギャップのあるものであった。
結婚をし、家族という守るものもでき、自分自身のライフステージが大きく変化したタイミングで、「会計士という資格を取ったのは、なんでだったのかな」ということをもう一度振り返りながら、私一人ではなく、家族としてのキャリアを考えるようになった。紆余曲折あったが、現職の税務アドバイザーという業務において、何十社ものクライアントと仕事をさせてもらい、1社の事業会社の社員として所属していた頃では経験できないようなさまざまな業種業態のビジネスに触れる機会を得ることができた。航空宇宙業界では思いつけないような発想や新たなアイデアを考える良い機会に恵まれ、将来は、これらの経験を活かし、外部のアドバイザーとして航空宇宙業界の発展に貢献したいという発想の転換と、新たな目標を掲げることができた。

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