M.O. | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

PwC税理士法人

移転価格部(TP)

シニアマネージャー

M.O.

柔軟な視点と積み重ねで道を切り拓く
先生タイプ
先生タイプ

40代
広島県出身 ・ 東京都在住
大阪大学経済学部

先生タイプの特徴
  • 内向的
  • 臨機応変型
  • 大局タイプ
  • 個人主義
  • 伝統型
  • 外向的
  • 計画管理型
  • こだわりタイプ
  • 集団主義
  • 革新型
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  • このタイプの割合
    回答者全体の
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仕事に対してまっすぐに向き合い、責任感を持って物事にあたることができる。
また周囲に対する思いやりが人一倍強いため、協調性を持って業務に取り組むことができる。
その一方で状況の変化に対して過敏に反応するところがあり、刺激に対しストレスを抱えたり不安になったりしがちである。
またルールや決まりごとを重視した行動をとることが多いが、革新的な意見や新しい考えに対しては壁を作ってしまうこともある。

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1キャリアサマリー
2007年
国内大手監査法人入所
2011年
税理士法人プライスウォーターハウスクーパース移転価格部入所
2014年6月~2015年4月
産休育休取得
2018年4月~2019年4月
産休育休取得
2020年
国内の大手商社へ出向
2022年
PwC税理士法人帰任

公認会計士を知ったきっかけは、父が経営していた鉄工所の経理業務を委託していた会計事務所の先生である。普段、言葉遣いが荒めの父が「先生がこう言っていた」などと話しているのを聞いて、「公認会計士は立派な職業なんだな」と感じていた。また、周りに典型的な「会社員」という立場の人がいなかったので、自分は何かしら資格を取って会社に縛られずに働きたいと思ったことも、会計士を目指した理由の一つである。
会計士や税理士といった資格取得が漠然と頭の中にあったので、大学受験の際も経済学部を志望した。大学在学中に何かしら成し遂げたいと思い、資格取得か、留学か、と悩んだが、留学する勇気が当時はなく、資格取得に舵を切った。そして、どうせなら税理士資格も得られる会計士が良いだろうという単純な理由で、会計士試験の勉強を始めた。

2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

会計士試験には大学4年生の夏に初チャレンジし、短答式試験は合格するも、論文式試験で不合格。2回受けてダメなら諦めようと考えていたため、2回目を受けた後でも新卒の状態で一般企業の就活ができるように1年間休学した。2回目のチャレンジでは、一般企業への就活を同時並行で進めながらの受験であったが、無事合格。就活エントリーの電話が最初につながったというご縁で、国内大手監査法人に入所した。そして学生時代に得意だった英語を生かしたいと思い、比較的英文監査が多いとされる部門を希望して配属された。
最初のメインクライアントは昔ながらの日系企業。クライアントとのコミュニケーションの取り方や仕事の楽しみ方、会計士としての振る舞い方といった社会人としての基礎や会計士としての基礎はこの業務で身に付けたと言っても過言ではない。
その後、いろいろな業種のクライアントを担当する中で、業界独特の会計手法に戸惑うことも多かったが、往査でしか味わえない楽しみも多かった。中でも、ある現場で一緒だった先輩が非常に優秀な女性で、マネージャーからもクライアントからも信頼が厚く、何を聞かれてもその場で適切な回答ができる人であった。とにかくこの先輩をまねようと思い、先輩だったらどう行動するか、どう答えるか、と常に考えるようにした。最初は怖くて近寄りがたかったが、徐々に認めてくれたのか、苦労話や弱音を聞かせてくれるようになったのがうれしかった。
財務諸表監査は性格的に向いていると感じていたため、そのまま監査法人でキャリアを積むという選択肢も十分あったものの、結婚を機に大阪から東京に移動するタイミングで転職した。転職先の候補としては、事業会社の経理部をメインに探していたが、会計士として税務の経験もしておきたいという思いもあった。そこにちょうどPwC税理士法人の移転価格部という募集を見つけ、「英語の勉強もできて(移転価格の業務では日常的に英語を使用する)税務も経験できる、まだ若いしもっとプロフェッショナルとしての経験を積んでから事業会社に進んでも良いのでは」という思いに至り、PwC税理士法人に転職した。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在は移転価格税制に関する税務調査対応、APA(Advance Pricing Arrangement:移転価格上問題のない価格設定であることを事前に当局に説明し承認をもらう手続き)の申請・審査対応、マスターファイル・ローカルファイルなど移転価格税制上必要となる文書の作成業務、DD(デューデリジェンス)における移転価格リスク評価業務などを担当している。税理士法人勤務ではあるが、申告書作成にはほぼ触れない。
移転価格税制とは、国を跨いだ親子会社間での取引において、連結グループ単位での税流出をできるだけ少なくしようと、税率の低い国に利益を落とし、税率の高い国での利益を減らすという納税者による利益操作を防止するための税制であり、親子会社間の取引価格は第三者と同じ価格(独立企業間価格)で行いましょうという、国際的なルールのことである。
クライアント(納税者)がそのルールを守り、独立企業間価格で取引を行っていることを説明するためのレポート(ローカルファイル、移転価格文書)を作成することが、移転価格部の最もベーシックな業務であり、ローカルファイルには現地子会社のPLなどの数値情報や、その子会社が属している産業に関するトレンドの分析、子会社の事業内容、親子会社間取引の内容などが、数十ページにもわたる文章で記述される。その中でも特に重要なのが、ベンチマーク分析だ。第三者に販売する価格と同じ価格(独立企業間価格)でグループ会社にも販売すべき、と言われても、あるグループ企業の製造子会社が、同じグループ内の販売子会社にも、グループ外の第三者にも同じ製品を卸しているというケースでもない限り、独立企業間価格というのが具体的にいくらなのかを知ることは難しい。そこで、このグループ内の販売子会社が行う「仕入れて販売する」という「機能」と同じ機能を持つ会社が一体どれくらいの利益率を獲得しているのか、というのを調べ、その利益水準に照らして当該販売会社(クライアント)の利益水準が妥当なものであるか、ということを証明する作業を行っている。
税務当局とのやり取りが必要となる税務調査やAPAなどでは、監査法人での経験が非常に役に立った。特にAPAは納税者の価格設定や計算方法が正しいことを確認する目的で当局が資料依頼をしてくるため、税務当局が見たい資料、確かめたい内容が監査人と近いと感じた。実際に、「当局はこういうことを確認したくてこの資料を依頼しているのだから、この情報を出してあげないと、また問い合わせがくるだろうな」ということが、1年目からある程度分かったので、監査経験は大いに役立った。
移転価格税制のコンセプトは世界共通であるため、海外ファームで移転価格コンサルタントとして就職することも可能である。事業会社への出向機会も多くあり、私は大手商社への出向を経験した。事業会社という環境に身を置き、1人の税務部門担当者として自分の経験に基づき自由に意見が言えるというのは新しい感覚だった。1年半の出向期間中はいろいろな部署から移転価格関連のさまざまな相談を受けたが、移転価格という非常にニッチな分野における自分の経験が、これだけ社内の皆さんの役に立つんだという実感は外に出てみて初めて得ることができた。また、バックオフィスの方々の担う業務には際限がないということ、その大変さも理解することができた。

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