
IPO協会 轟 一般社団法人
代表理事
加藤 広晃
かとうひろあき
1社でも多く健全に上場し、上場後も健全な経営が続くことを願い貢献したい
1984年2月15日生まれ(42歳) 大分県出身 東京都在住
一橋大学 商学部 卒業 2007年合格

01
キャリアサマリー
公認会計士二次試験合格
監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入社
株式会社メタップス入社
加藤会計事務所設立 ポート株式会社入社
IPO協会 轟 一般社団法人設立、代表理事就任
大分県に生まれ、福岡県北九州市で育ち、福岡県立小倉高等学校に入学。1990年台からパソコンを使い始め、高校時代の2000年にはwebページを作成しインターネットに触れるうちに、インターネットにより世界が一つになる可能性を実感し、海外やインターネットを使ったビジネスに興味を持つ。親が「お金」に苦労したり安堵したりする姿を見て、「お金の流れ」を学ぶべく、一橋大学商学部に進学。上京後、インターネットビジネスの最先端であるシリコンバレーにて1年留学。留学時代に、数字は言語の壁を超える武器となることを実感し、公認会計士になることを決意。
2007年会計士試験に合格、一橋大学商学部では伊藤邦雄ゼミで会計・上場企業の財務報告を学ぶ。会計士補会(後に日本公認会計士協会準会員会)幹事として、国際委員会を立上げ世界会計士会議((2010年マレーシア))に若手代表として参加するなど、協会活動に従事。2008年入所した監査法人トーマツでは、IPO含む一般的な法定監査業務に加え、IFRS・価値算定アドバイザリー・VC監査等に従事。世界での就業機会を考える過程で、当時グローバルベンチャーを志向する株式会社メタップスに出会い、2013年IPO責任者として入社、2年後の同社上場へ導く。上場後は経理財務執行役員としてIFRS適用やクロスボーダーM&A及びPMIなどを牽引。2017年、会計事務所設立と共にポート株式会社へ参画。取締役として2018年同社東証福証重複上場へ導き、2020年6月任期満了退任、顧問就任。公務として、日本公認会計士協会組織内研修委員として証券取引所のIPO&IR研修立案や、地域会の研修委員を務めた。
2021年、これまでの経験を振り返り、仮に国内企業の健全な上場社数が20%増えれば、国内景気の活性化が最も具体的に果たせるのではないか、これにより様々な新しい動きが実現可能になると確信し、IPO協会 轟を立上げることを決意。
公認会計士資格を返上し、IPO協会 轟 一般社団法人を設立、代表理事就任。
日本初の上場確度定量化スコア「IPO Todoroki Score」や、上場準備プロセスのシステム化を行っている。
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
監査法人トーマツのトータルサービス部門で、関東・東海圏のクライアントを中心として、財務諸表監査や内部統制監査を含む金商法監査・会社法・投資事業有限責任組合監査、IFRSアドバイザリー、価値算定業務に従事。社会人1年目から、公認会計士の独占業務である会計監査の一環として、東証1部上場企業の取締役会や監査役会の議事録や審議資料に触れることができたのは、まさに公認会計士でなければ経験できないことであり、社会制度及び先人に感謝すると共に投資家保護及び国民経済の適切な運営を使命とする職業として自覚が芽生えた。2007年会計士試験合格前後は、商法から新たに会社法が施行されて間もない時期で、J-SOXや四半期決算制度が導入され始めた時期であり、クライアントと共に新しい制度に対峙する機会を得た。
J-SOXでは、ビジネスが仕入から売上までどのように流れていくかウォークスルーとして1つ1つ辿ったり、事業拠点の往査で全国の現場拠点を回って支店長や子会社社長へヒアリングしたり、英語要員で海外子会社の出張往査を経験させてもらったりと、ビジネスと会計の結びつきを考える良い契機となった。
2011年には、価値算定業務などアドバイザリーやコンサルティングチームと長期間共に働く機会もあり、「顧客のために手を動かす」充実感も覚え、学生時代から思い描いていた「数字」と「インターネットにより世界が変わる感覚」へ繋げる構想を模索し始めた。アメリカ留学以来遠くなっていた海外での就業機会を考えるなか、海外売上比率50%超で上場を狙いグローバルベンチャーを志向するメタップスを紹介され、創業者が20代で稀に見る先見性の持ち主で起業家として尊敬でき、外資系証券会社出身で起業経験もある取締役直下のIPO及び経営管理責任者ポジションはexcitingに感じ、日本からグローバルを目指すスケールに共感し実現したいと思うようになった。毎日国内外拠点メンバーと英語でコミュニケーションできること、スケジュール通りに進めば30歳でIPO責任者としてIPOを経験できる稀少性、通常の経営管理に加え海外子会社の売上が高くグローバルな経営管理体制を自ら創り上げられること、などに興味を持ち、スタートアップへ転身した。
2015年同社上場後は、当時100社程度しか事例が無かったIFRS適用を経理財務執行役員として実現したり、海外企業の買収からPMIまで実行したりと様々な経営判断に対峙するなか、取締役としての意思決定やその役割に興味を持ち始めた。
2016年、同じ問題意識を共感できたポート株式会社副社長を紹介され、20代起業家である社長の突出したコミットメント姿勢に感銘を受け、2017年に参画を決意。社長が業績全般、副社長が経営管理全般、私が上場準備及びガバナンス総括、の立ち回りで、2018年12月同社上場を実現。宮崎県日南市への拠点展開や地方創生支援、それに伴う福岡証券取引所との重複上場など、これまで経験したことの無かった、人や社会への熱い想いも経営陣や従業員から学ぶ機会に恵まれた
Covid-19により世界の流れが大きく変わると感じ、リスクを取って新しいことにチャレンジする人と国内景気の活性化を、IPO啓蒙を通じて実現すべく、2021年IPO協会 轟 一般社団法人、設立。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
現在、IPO協会 轟 一般社団法人 代表理事として理念のもとに、IPOを目指す企業の健全度の可視化、採用や上場準備全般の相談に乗っている。協会は上場確度と経営判断の可視化を通じて、1社でも多く健全な上場会社が増えることを志向している。例えば、上場確度に影響しないコストを過多に支払うことで、赤字や結果として会社の身売り・死期を早めてしまうのは本末転倒であるし、コストを過少に絞り経営管理体制に不備が残ることも不健全である。
協会活動を通じて、経営者にとってIPOは努力すれば叶えられる可能性があるもの、と言語化・再現性を追究し、社会に提供していく。
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あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
強み、というか、特徴、とすると、英語でコミュニケーションできる会計士が体感で会計士全体の1-2割、監査法人でIPOやJ-SOXを経験し、上場準備の事業会社へ転職し「経営判断を行う側の人間」としてIPOを2度牽引、IFRS適用を上場企業の経理財務執行役員として実現、ほかガバナンス運営や公務等の経験を掛け合わせていくと稀少性が生まれる。経験の稀少性は、周囲に恵まれたことやトレンド、運がある。今の自分は、これまで接してきた人から育ててもらってできている、という意味で、稀少な経験をサステイナブルに社会全体に還元したいと考えており、日本では2000年以後、年間100社、多くても200社上場に収斂してきたなかで、その稀少性を再現性向上や言語化を進めることで、リスクを取ってチャレンジする人に(例えば、社会問題を解決する若い経営者がIPOを実現し、公器としてESGや社会問題に収益性の向上と共に対峙し続けるような会社の輩出に繋がる、リスクマネーが健全に潤滑油として新陳代謝を促すような)夢がある社会に自身の特徴を生かし貢献したいと考えている。
05
仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
仕事で心が大きく動いた瞬間は、その時々あったと思うが、今振り返ると、やはり上場の瞬間は強烈だった。
リソースに余分が無い筋肉質な管理体制で臨むと、上場日を迎えるまでが精神的にも体力的にもギリギリの連続で、先人から聞いていた「上場すると1人死ぬ(くらい誰かが大変な目に遭う)」を体感し、その苦労を上回る達成感は今でも鮮明に思い出される。
上場経験を境に、監査法人勤務者にベンチャー転職を相談されても、安易に勧めなくなった。
転職先のベンチャー企業が上場する確率は思っているほど高くない、高かったら上場会社はもっと生まれている。
「自分がこの会社の上場可能性を少しでも高める」という当事者意識を持って臨む方には、努力が報われることを願っている。上場は通過点でしかないが、それでもInitialとあるように最初は特別で、鞍替えとは異なる、資本市場への最初の入口はとりわけ神聖であるように思う、ぜひ上場時の鐘を轟かせて欲しい。

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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
特に深い悩みは無かったが、公認会計士という資格を支える社会制度、この資格が今後どのようになっていくか、社会の期待はどのように変わっていくか、に興味があり、変化が大きいものや最新のトレンドを常にインプットをするよう心がけていた。監査法人時代は、日本でのIFRS適用開始が議論され始めていた、2013年スタートアップ転身後は、種類株式を用いた大型資金調達や海外機関投資家の投資にあたりどのような論点が生まれるか、会計と整合性が取りやすい経営管理の実務はどう変わりゆくか、2017年取締役就任後は、SaaS型会計システムの出現により財務報告の内部統制をどう評価していくか、任意の報酬委員会や議決権行使方針、女性登用率の開示など新たな非財務情報の開示は保証を主としてきた会計士業務にどう影響を与えていくか、といったトレンドを実務と共に意識していた。
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人生の目的と公認会計士という資格
「お金の流れ」に幼少期から興味があり、社会に貢献するならこの領域か他の領域との掛け合わせかなと考えてきた。公認会計士試験合格から資格を返上するまで、監査法人では上場企業を中心にあるべき財務報告から内部統制までブレークダウンするアプローチを、IT系スタートアップを上場企業に導く過程では財務諸表作成側の「当事者」として限られた環境下で経営判断する財務や法務などの要素を、ほかにも多くのことをこの資格から恩恵を受けた。これからも公認会計士としての経験を昇華し、「リスクを取って新しいことに挑戦する人」をIPO協会轟として盛り上げていきたい。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
今は、IPO協会 轟 一般社団法人を通じて、1社でも多く健全に上場し、上場後も健全な経営が続くことを願い貢献したい。また、有識者としてフィードバックする機会があれば、発信していきたい。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
キャリアを模索する会計士の方へ:IPOを目指す上場準備会社への転職は慎重に
IPOを目指す会社はたくさんある中で、最終的に上場する会社は平均で年間100社程度になるのはなぜか。その何倍もの会社がIPOを諦める結果になっているが、その声はほとんど外に出ない。様々な要因が考えられるが、必ず上場が保証される、というようなことは無い。
ベンチャー企業は監査法人より経営の安定性は低く、転身する年齢も慎重に検討することが望ましいと思う。仮に転職した会社が永遠にIPOできない状況になった場合、何度まで転職してIPOを目指すのか、独立するのか、監査法人に戻るのか、リタイア時の履歴書を想像しながら慎重にシミュレーションするのが良いと思う。監査法人勤務時代に「ベンチャー転職なんて、IPOする確率低いのに、よく転職するね」と言われた時には、少しムッとしたが、実際転職して中に入ってみると、報酬期待値としては業績や経営者との相性など様々な不可抗力による上場確度の要素も含めると、確かに監査法人より低いと納得した。株式型の報酬があっても、上場しなければ絵に描いた餅。体感・予感の領域を超えないが、IPO監査側の会計士や常勤監査役など「監査」の報酬や社会的評価が高まることの方が、結果として、監査される側である企業の経営管理の視座は高まるのではないかと最近仮説を立てている。監査やそれ以外の業務に従事する方においても、IPOを目指す上場準備会社への転職はエージェントや経営管理以外の求人情報や口コミ、VCやベンチャー界隈の知人など様々な情報を基に最終的な判断をすると悔いが少ないと思う。
会計士受験生へのアドバイス:トレンドの最先端を考えよう
会計士は、財務会計のみならず管理会計や租税法、会社法、監査と多岐にわたる分野に理解があるので、合格後も広いフィールドで活躍できると思う。監査法人だけでなく、資本市場関連や上場企業の仕事や、独立以外でも転職機会も広いと思う。様々な分野があるため、一定の分野を究めると稀少価値が生まれることもあるように思う。
これから会計や監査のあり方についても変化が起きた場合に、その最先端を考えることで、先輩会計士から重宝されたりクライアントから評価されたりする機会に恵まれるかもしれない。受験勉強に疲れた時は、ふと受験合格後の将来をイメージしたり、日経新聞を読みながら学習したことが役に立つ未来を想像してみたりすることをお勧めする。


