加茂雄一(かもゆういち) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社CaSy

代表取締役社長

加茂 雄一 かも ゆういち

大切なことを、大切にできる時間を創る。家事代行サービスで日本中に笑顔を咲かせる起業家
演出家タイプ
演出家タイプ

1982年10月28日生まれ(42歳)
埼玉県出身 ・ 東京都在住
早稲田大学 商学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私はいつも前向きなので、社内の雰囲気をポジティブなものにするというのが強みだと思っています。もちろん、企業として厳しい時期やしんどいこともあるのですが……。そういう時でも意識して前向きになる、前向きに見せるようにしています。ただの楽観じゃないんですよ。そう思っている社員もいるかもしれませんが(笑)。人見知りもしないので、誰とでも話せるというのも強みと言っておきましょうか。資金調達で投資家を集めたり、採用で有能な人を口説くとか、経営においての色々な面で役立っています。

でも、一番の強みとなると、先にも言いましたが、会計士としてIPOに関わることができたということになると思います。監査法人に在籍していてもIPOに関われることはみんなが通る道ではありません。ですから、起業をしていざ自分たちがIPOを目指すとなった時に、会計士としてIPOを見てきた経験は非常に大きい。CaSyは一番最初にVCから資金調達をしました。

ですから、エグジットする方法、要はリターン方法については常に考えていた。それがM&AなのかIPOなのか。いずれかの道を作らなくてはいけないと思っていたのです。その中で、私はIPOの実務経験があるので、IPOという形を目指したいということを強く意識していました。その過程の中で企業の体制がよくなるなどのメリットもよくわかっていたので。結果的に、設立3年目、2017年にはIPOを会社として決意しました。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

監査法人での仕事はBtoBのビジネス。それも監査なので、直接的に感謝を伝えられたり、いいことを言われるという場面が少ない仕事です。それと比較して、今はBtoC、エンドユーザーと触れ合う仕事をしているので、「このサービスがあってよかった」という声を聞けると素直に嬉しいです。

ある時、キャスト(家事代行のサービスを行う方をキャストと呼んでいます)が、「CaSyのおかげで結婚できました」という手紙をもらってきたことがありました。それは、CaSyがお客様のお宅にお掃除に入ったことで人を呼べる部屋になった。そこに呼んだ中の一人と結婚することになった。だからCaSyのお陰で結婚できたというお手紙だったのです。

お掃除に入るというサービスを提供することで、思いもよらない可能性が生まれる。誰かの人生を変えることができるのだという事実に直面して、感動しましたし、心が大きく揺さぶられました。

もうひとつ大きく心が動いたタイミングがあります。
CaSyを創業して1年ほどたった頃、経営が非常に厳しい時期がありました。役員は2ヶ月間ほど報酬がゼロという事態に陥っていたほどです。その時は、このまま続けていけるのかとても悩みました。しかし、その時点ですでにCaSyにはサービスを使ってくださっているお客様がいるし、働いてくれているキャスト、社員がいた。諦めることはできない。諦めてはいけないと思ったんです。この時はある意味、なにがなんでも会社を継続させていくのだという方向に大きく心が動いたタイミングだったのだなと今になっては思います。この辛い時期があったからこそ、今があるんだなと、改めて言葉にして感じました。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

会計士の仕事というのは、会計という視点で、企業に必要なことや改善点をアドバイスすることです。けれど、それを経営者が100%受け止めてくれるわけではない。時には反論されることもあります。その背景には人事、マーケティング、オペレーションといった経営者ならではの視点で配慮をしなくてはいけないという理由があって反論なさっているのでしょうが、監査法人時代の私は、反論の根拠がわからなかった。端的に言えば、私は経営者と同じ目線に立っていないと感じたのですね。だから、よかれと思って提案しても納得してもらえない。どうすればもっと付加価値の高いアドバイスができるのだろうと悩みました。

ご存知の通り、会計士の使命は日本経済の発展に寄与するというものです。そのためには、会計士はそれぞれのコーポレート、会社、法人が経済の発展に寄与するのをサポートするのが仕事。その足かせになってはいけない。であれば、経営者と同じ目線からものを見て、様々な観点から有意義なアドバイスをできるようになりたいという思いを強くしました。

それらを乗り越える手段として、グロービスに入ったんです。グロービスに行ってしばらくすると、自身でもわかる変化がありました。まずは、話す内容が明確に変わったこと。それまでは、会計士の仕事の流れの意味付けがわかっていなかった。もちろん仕事のやり方は理解していましたが、それぞれの仕事の意味を自分の中で消化しきれていなかったんですね。だから経営者と同じ目線で話せていなかったのだと気づきました。グロービスで学ぶことで、企業を分析する際の深度が高まったという実感がありました。目線が上がった、視野が広がったとも言えますね。経営者の気にするポイントもわかってきたので、会話もアドバイスも変わり、会計士としての信頼感が増したように感じました。

会計士はみなグロービスに行けというわけではもちろんなく、要は、ビジネスを違う視点で捉える機会を得ることを推奨したいですね。会計上だけではなく、経営全般を学ぶというのは会計士の仕事の視座も上げてくれると思います。

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