【インタビュー】プライベート・エクイティ向けのクライアントサービスで急成長中のEYグローバルのメンバーファーム。その成長の要因と仕事のやりがいとは。【第1回】 | 会計士の履歴書
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プライベート・エクイティ向けのクライアントサービスで急成長中のEYグローバルのメンバーファーム。その成長の要因と仕事のやりがいとは。

【第1回】

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 /

プライベート・エクイティ向けのクライアントサービスで急成長中のEYグローバルのメンバーファーム。その成長の要因と仕事のやりがいとは。

【第1回】

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社

今回の特集は、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EYSC)です。第1回目は、主にM&A(買収や合併)における買収先・合併先の財務デュー・デリジェンス業務を提供しているトランザクション・デリジェンスチーム(以下、TDチーム)を取り上げます。現在、同分野の成長を支え、活躍されている2人の会計士の方に、業務の内容や会社の特徴、仕事のやりがいなどについて伺いました。

本特集は2回に分けて掲載いたします。
(写真左:Y.H.さん(Partner)/同右:E.I.さん(Senior Manager))

1EYSCについて

EY JapanはEY新日本有限責任監査法人(以下、EY新日本)、EY税理士法人、それから今回のEYSCなどから構成されています。
EYSCは、大きくストラテジー・アンド・トランザクション部門とコンサルティング部門とに分かれており、今回取り上げるTDチームはストラテジー・アンド・トランザクション部門における中核の一つです。

TDチームはEYSCの中で財務デューデリジェンス業務をメインに行っています。具体的には、買収先・統合先の収益性や資金繰りの状況、財政状態等を様々な観点・角度から分析したり、クライアント作成のバリュエーションモデルの策定支援を行ったり、株式売買契約書等についてアドバイスを提供したりします。
今後、日系企業の海外進出や日本国内における企業・事業再編はますます拡大していくことが見込まれています。後継者問題に悩む中小企業だけでなく、大企業においても世界のマーケット動向に合わせて、変化を求められています。その中で、M&Aは不可避的に起きることであり、財務デューデリジェンス業務はその検討プロセスにおいて必須の業務の一つとして、ますます需要が拡大しています。
かつてはテクノロジーの進化により、AIがデューデリジェンス業務の一部を代替する可能性が叫ばれた時期もありました。しかし、実際には、調査や分析は人の経験によるところが大きく、クライアントニーズを適切に理解した上で対応する必要があるため、専門知識・豊富な経験を持った人材に対するクライアントニーズがなくなることはありません。

EYのクライアントベースは非常に幅広く、様々なクライアントに対して業務提供を行っていますが、近年、EYSCではプライベート・エクイティ向けのサービスを強化しています。
プライベート・エクイティは、投資を行い、投資先の企業価値を向上させ(バリューアップ)、IPOや第三者への売却(イグジット)により利益を獲得することを主なビジネスサイクルとしています。将来的なバリューアップが見込めるか否かについて非常に細かく数字の分析・精査を行うため、財務デューデリジェンス業務に求められる要求水準は非常に高く、難易度の高い案件が多いと言えますが、このような中でEYSCは業界でもトップクラスのプレゼンスを発揮しており、市場での存在感は着実に向上しています。

2チームで活躍している人の特徴

活躍しているメンバーに共通している特徴は、クライアントニーズに対して真摯に応える姿勢を持っていること、常に向上心を持って業務に取り組む姿勢を持っていることでしょうか。
TDチームには、クライアントのために価値を提供したいという強い想いを持っている人が多く、パートナーやプロジェクトマネージャーは、そういったメンバーをうまくリード・統括して、クライアントに提供できるバリューの最大化を目指しています。財務デューデリジェンス業務は一人で完結できるものではないため、常に自分のスキルを磨き、周りのスタッフと協力して、お互いをサポートすることができる人がまさに活躍している人材に共通の特徴だと思います。
EYは多様なバックグラウンドの会計士が在籍していますが、こういった姿勢を兼ね備えたプロフェッショナルが非常に多いのも我々のチームの特徴です。

3チームメンバーのバックグラウンドや組織風土

チームメンバーのほぼ全員が会計士資格を保有していますが、監査法人出身者ばかりではなく金融機関や事業会社の出身者もいます。また、監査法人出身者についてもEY出身者が一番多いわけではなく、各Big4や中小監査法人、個人の会計事務所出身者もいます。様々なバックグラウンドを持った会計士が今のTDチームを構成しています。EYのメンバーファームでありながら、あまりEYっぽくない。様々なバックグラウンドを持った会計士がEYに集まってきてそれぞれの個性を発揮することによりTD全体のカルチャー・雰囲気が出来上がっている。それがEYのTDチームの最大の特徴です。様々なバックグラウンドをもったプロフェッショナルが活躍できる組織風土がEYにはあると考えています。

4プライベート・エクイティセクターの中での存在感が向上した理由は?

前述の通り、プライベート・エクイティはまさに投資のプロであり、財務デューデリジェンス業務に求められる要求水準は極めて高いです。EYはプライベート・エクイティからの要求水準に応え、さらにその期待を良い意味で上回るサービスを提供できるよう、近年、チーム体制の拡充やメンバーのレベルアップに取り組んできました。一つ一つの案件に真摯に全力で取り組み、その案件から学んだ経験やクライアントからのフィードバック等を次の案件で最大限活かすというサイクルを繰り返すことにより、クライアントとの確固たる信頼関係が構築できつつあると考えています。
ベストプラクティスを常にメンバー全員が模索し、互いに切磋琢磨する組織風土があることが一番の要因かもしれません。

5採用に関して

Q.監査経験しかなくても大丈夫でしょうか?

問題ありません。会計・監査の経験は財務デューデリジェンス業務を行う上で大きな武器になります。ただ、強いて言うならば、監査の視点(財務諸表が会計基準に従って適切に作成されているか否かの検証)と財務デューデリジェンスの視点(対象会社の収益性、資産性、資金繰り等の分析)は全く異なるので、監査経験しかない方は最初は戸惑うことが多いかもしれません。しかし、そういった方も5~6件程度、実務を担当すれば、十分に調整可能だと思います。

Q.繁忙期および閑散期の波はありますか?

M&Aが発生するタイミングは決まっている訳ではないので、監査業界のように特定の時期に繁忙期や閑散期が偏っているわけではありません。

Q.必須要件はありますか?

M&Aに興味があり、監査法人や事業会社の経理部門等で少なくとも3年程度の実務経験がある方が望ましいと考えています。年齢は特に問題ありません。財務・会計に関するスキルセットがあり、向上心が強く、プロフェッショナルとしての資質がある方にとって、急成長できる環境が整っています。

6海外で活躍する機会も充実

現在、EYはグローバルで約31万人が所属(2021年6月時点)しており、グローバル企業ならではの海外勤務のチャンスも広く開かれています。TDチームのメンバーは約90名ですが、その中でも現在、複数名のプロフェッショナルがアメリカや欧州等で活躍しています。また、現在は新型コロナウイルスの感染拡大により一時的に減ってはいますが、海外案件に興味がある人には、出張ベースでの海外案件への関与等を経験できる機会も豊富にあります。
新型コロナウイルスが収束した後は、こういった海外駐在や海外出張の機会を増やし、キャリアパスとして海外での経験を積んで頂けるような機会を拡大させていく方針です。

(第2回へ続く)
                    
インタビュアー:桑本慎一郎