野田大輔(のだだいすけ) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

太陽有限責任監査法人

人事研修部

パートナー

野田 大輔 のだだいすけ

「本質を捉える」ということは、どんな仕事をするにあたっても非常に重要
ムードメーカータイプ
ムードメーカータイプ

1980年3月16日生まれ(44歳)
東京都出身 ・ 神奈川県在住
茨城大学理学部自然機能科学科 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、「本質を捉えようとする姿勢」にあると思っています。本当は、「本質を見抜く力がある」と言い切りたいところですが、まだそこまでには至っていないため少し弱含んだ表現とさせてください。
ただ、私は、「本質を捉える」ということは、どんな仕事をするにあたっても非常に重要だと思っています。イメージですが、ある仕事に10の労力を使ったとした場合、私は全体把握に3、本質の捕捉に5、処理に2という配分としています。これは単純な時間配分ではなく質も考慮した仕事量の配分ですが、本質にフォーカスした仕事の仕方は、結果として効率的な仕事へとつながると思います。本質を見ようとせずに表面上の事象や状況を見て仕事をしている人("処理“への配分が大きい人)は、周りの意見や状況に流されやすく手戻りも多くなっており、非効率な仕事となっているはずです。
監査業務の中においても、会計や監査が高度化していく一方で、新しい取引形態や特殊な契約等も多く見られるようになっています。そのため、必ずしも会計基準において、全ての取引や事象への対応が明確になっているわけではありません。そのような場合、“当該取引や事象を適切に表現するためにはどのような会計処理とすべきか”を決定するためには、取引と会計基準双方の本質を捉えることによってしか達成できません。日本の会計基準は細則主義であると言われていますが、そうであっても設定背景や思想というものは必ずあります。私は、常に本質にスタンスする考え方ができる人が真の公認会計士であると思っていますので、今後もこの姿勢は忘れずに、そしてさらにレベルを上げていきたいと思っています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

スタッフの時代は、インパクトのある論点やエラーを発見し適切に処理できた時には、純粋に「会計士っぽい仕事しているな」と感じ、仕事の面白さを感じていました。たとえば、棚卸資産の評価に関する論点を発見した際は、当時の監査責任者の方から「一旦任せるから整理してくれ」と言われ、経験が浅い時代でしたが自分なりに結論を出しました。最終的に会社と監査人で合意できる着地となり、上司である監査責任者からのねぎらいも嬉しかったのですが、被監査会社との折衝も繰り返した上での着地でしたので、会社の方から「うまく議論をリードしてくれて助かったよ」という言葉を頂いたときは本当に嬉しく、この仕事に就いてから初めて心が大きく動いた瞬間といえると思います。
品質管理部所属時代における内部点検(定期的検証)業務の経験も大きく印象に残っています。私は、比較的若い年次から品質管理部兼任となったため、監査現場の経験が少なくなり監査部門に戻った時に使い物になるのかという心配に加えて、2つの苦しみがありました。1つ目は品質管理部のスタッフとして十分な知識・経験がなかったこと、そして2つ目は表裏一体ですが、担当する内部点検業務においてそんな自分の指摘を各チームは受け入れてくれるのか、ということでした。最初の数年間は自信もない状態での業務であり、やはり各チームとの折衝もうまくいきませんでした。ただ、そうはいっても自分が努力しない限りは何も変わりませんので、先ほどお話ししたとおり、”本質“にフォーカスしながら少しずつ自分のレベルを上げ、プレゼンスも上げていく努力をしていました。そして数年後のある時、私が内部点検を何回か担当させていただいた業務執行社員の方に、「初めはどうかと思ったが、最近は野田くんに言われるのなら仕方ないなと思うようになったよ」と言われました。自分自身では、そこまで大きな成長があったとは思っていなかったのですが、自分の仕事の姿勢をしっかり見ていただいており、その姿勢を評価してもらえたことは、私にとって一番の褒め言葉でした。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士は取得が難しい資格ではありますが、当然、取得しただけでは会計士としては何の価値もなく、公認会計士として成功するためには、継続的な専門的知識の研鑽とともにビジネスパーソンとしてのレベルアップも必要になります。
私は、タイプ的に研究肌というわけではなく、基準そのものに大きな興味を持っているわけでもありませんので、日々新設/改訂される基準やルールをキャッチアップしていくことはなかなか苦しく、一時は会計士としての成長を諦めようと思ったことさえありました。一方で、前職のキャリアを捨ててまで挑戦し、せっかく取得した資格ですので大切にしたいという気持ちもあり、葛藤の中にいたと思います。正直、それは今でもあると思います。そんな中私が出した答えは、仕事の仕方を変えることによってカバーするということでした。先ほどお話しした「本質を捉える」ということは、実は自分の能力の不足を補うために取り組んだ私なりの解決策だったのです。もちろん、その中で失敗や間違えることもありましたが、私はあまり失敗を引きずらないタイプでしたので、失敗は、むしろ次の機会への糧としてうまく使えていたと思います。
人は色々なタイプがあるため、できることできないこと、得意なこと不得意なことはそれぞれ異なります。自分自身に対しては、どうしてもできないことに目が行きがちになり、時としてそれができる人への憧れや羨望を持つこともありました。ただ、私は、自分の得意なことやできることによって必ずカバーできるはずと考え、そちらにエネルギーを使うようにし、うまく折り合いをつけてきたのではないかと思っています。

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