綿谷啓三(わたやけいぞう) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

某国内独立系投資会社

ソリューション部

マネジャー

綿谷 啓三 わたや けいぞう

プライベート・エクイティ・ファンドの仕事は例えるなら“総合格闘技”。幅広い知識・経験と独特の視点で企業価値を上げる

1985年(33歳)
石川県出身 ・ 神奈川県在住
立命館大学 経営学部経営学科 卒業

会計士データ
  • 年齢
    30代
    回答者全体の
    67.6%
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  • 役職
    課長・リーダー
    回答者全体の
    9.2%
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  • 企業種別
    事業会社
    回答者全体の
    45.1%
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  • 出身
    中部
    回答者全体の
    15.0%
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1キャリアサマリー

1985年、石川県金沢市にて生まれる。

実家の商売柄、持病のあるお客様と接することが多かったことから、幼少の頃から、自分の人生やその最期について考える機会が多かったように思う。また、周囲の大人(親族、ご近所さんなど)も専門職や自営業の方が多かったため、幼少の頃から、「働く」ということに対して、サラリーマンの働き方というよりは、むしろ専門職や自営業として働く姿の方がイメージがしやすく、当時からなんとなくだが憧れも抱いていた。
そういう環境で育っていくなか、商売や経営というものに自然と興味を持ち、大学は経営学部に進学した。
大学時代は、大学と自治体の共同事業(カフェバー運営)への参加、インターンシップ、インカレサークルでのイベント企画、ビジネスプランコンテストへの参加、ゼミ活動などを中心に過ごしていた。ちなみに、大学時代までは簿記や会計の勉強はまったくしていなかった。

大学卒業後の2008年4月、証券会社に入社。
営業支店において、リテール営業マンとして新規開拓業務を地道にやっていたが、同年秋にリーマンショックが発生。
マーケットが暴落し厳しい環境が続くなか、マーケット環境や会社名に負けないように自分自身の力で生きていく術を身に付けたい、という想いが非常に強くなり、そのための手段として資格を取得して働く生き方を検討。
何の資格を取得するかの選択にあたっては、“柔軟な働き方が可能&参入障壁及び難易度が高い&3年以内で合格可能”という条件を鑑み、これらを満たすと想定された公認会計士の資格を取得すると決意。
証券会社在職中の2009年3月に日商簿記2、3級を取得し、2009年3月末をもって証券会社を退職。
その後、公認会計士試験の勉強に専念し、2009年11月に日商簿記1級、2010年5月に短答式試験、2011年に論文式試験に合格。

2012年2月、有限責任監査法人トーマツに入社。
入所当時26歳であり、新卒入所の人と比較して4歳ほど年齢が上だったため、会計士の中でもなんらか専門性を身に付けて特化していかなければと思い、証券会社での経験が比較的活かせそうな金融事業部に配属希望を出す。

トーマツ入所後は、その金融事業部のなかのファンド監査を中心に行う部署において、アセットマネジメント会社・年金基金・SPC(TMK、LPS、GK-TK、KK.、REIT、パナマ籍SPCなど)・商業銀行、信託銀行、証券会社、クレジット会社などの監査に従事する。

金融業界、特にファンドに関連する各企業に関与させていただいたトーマツ及び当時の上司や同僚には大変感謝している。

2015年9月の公認会計士登録後、自分の経験や業務の幅を広げてみたいと考え、FAS業務及び地方創生関連業務を行う部署での業務にも関わる。 具体的には、FAS業務としてはM&Aにおけるバイサイド側の財務DDを、地方創生関連業務としてはビジネスモデル構築のためのメンターならびに大学生のゼミ活動のメンター、大学生向けの財務会計の授業の講義などを担当した。

2017年10月以降、現職の投資会社に勤務して、投資先企業のモニタリング業務、内部管理体制の構築支援、決算業務支援、事業承継支援などに従事する。

2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人の金融事業部に所属し、主なクライアントは、アセットマネジメント会社や年金基金、ファンド(REIT、投資信託、LPS、特定目的会社その他ファンド)であり、その監査を中心に業務を実施していた。
ファンドとして組成されたSPCは、通常の会社と比べて規模が小さく事業内容もシンプルであるため、基本的に、スタッフ1名・インチャージ1名・パートナー1名というチーム構成であった。
そのため、入所1年目の頃から、全勘定科目を担当者として任されたり、1人だけで会社に往査したり、マネジメント層とコミュニケーションを取る機会があったりと大変良い経験をさせてもらった。この点についても非常に感謝している。

このときの経験が、アサインされた業務を効果的かつ効率的に完結させるマインドセット、会社の全体感を把握するスキル、スケジュール管理スキルの基礎になっているものと考えている。
このように過ごしていくうち、ファンド単体のみならず、次第にファンドスキーム全体やそもそものファンドの組成にあたっての考え方等を知りたいと思うようになった。

また、ファンドを有効活用することで、資産や資源の有効活用ができたりするなど、世の中にプラスの影響を与えられるのではないかと考えるようになった。その一環で、NPOの資金調達等の業務に関する資格である「ファンドレイザー」(民間資格)も取得した。

そのなかで、ファンド業務を行っている現職から内定を頂き、投資会社に入社にあたっては、職種転換となるため年齢を重ねる前の方が良いと思い、また、「やらない(内定辞退)後悔よりも、やる後悔」が自分自身の将来にとって良い方向となると考え、入社することを決断した。

なお、監査独特の考え方と思っていたが、意外と汎用的な考えだと思えるものは以下の通り。

重要性:全体像を俯瞰したうえで、瑣末な論点に固執せず重要なトピックを選別するスキルは監査以外でも有用と思う。

アサーション:現実の問題として、1つの問題だけが独立して問題視されているケースはむしろ稀で、大概の場合、複数要素が絡み合っている。これをアサーションという形で、独立化、一般化して問題発見をするスキルは監査以外でも有用と思う。

原則論の認識:実際の業務の現場では、原則論どおりに問題解決できる方が難しいかもしれない。問題解決の現場においては、どこまでがセーフで、どこからがアウトかを明確に知る必要がある。それを知らなければ、何がグレーになり交渉の俎上に載せるべきものかも分からないままとなる。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

いま現在の仕事内容としては、PEファンドにおいて、投資先企業のモニタリング、内部統制構築支援、IPO支援業務が中心である。会計士の監査の知識やスキルが活かせる業務(予算策定、DD、監査対応、税制、GAAP適用その他)と、未経験の業務(企業価値評価、M&A支援、組織マネジメント、利害関係者の調整、人材採用支援、会計システム導入支援など多岐にわたる)の双方がある。割合でいうと、2:8くらいのイメージである。

特徴としては、よくPEファンドの仕事は「総合格闘技」と例えられるが、そのとおりだと思う。会社のビジネスの理解、会社組織、属する業界、資本市場、法務、労務、財務、会計、税務、エクセル、パワポ、その他PCスキル、英語、コミュニケーション能力など実に幅広いスキルが要求される。

そのなかで公認会計士に求められているものは、一般的な会計の原則論としての考え方の共有や、監査法人側の考え方の推察、税制に関する知識などが中心となる。これらは知っていて当然とみなされており、社内外の人から質問を受けた場合は正確かつ速やかに回答することが求められる。

キャリアパスのメリットとしては、以下の通りと考えている。
・公認会計士×PEフロント、という組み合わせのキャリアパスは、少数(200~300人程度?)と推察されるため、レアケースでいられること
・会計、財務を軸として、その他幅広にスキルが身につく
・経営者や投資家といった立場の人と仕事をする機会が多い
・株主の立場として会社に入るので、会社と同じ目線に立って考えて行動できる
・次のキャリアの幅(CFO、投資先企業へ転籍、別ファンドへ移籍)も広がる

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