深野竜矢(ふかのたつや) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

M&AとIPO支援を軸に活動。日々進化するテクノロジーの波に乗って新しい時代をつくる

深野 竜矢

ふかの たつや

生年月日
1980年10月7日(38歳)
所属企業
株式会社Stand by C
所属部署
役職
取締役
最終学歴
早稲田大学 文学部 卒業
出身地
神奈川県
現住所
東京都
7人生の目的と公認会計士という資格

会計士という資格に関わらず、国家資格全般は社会的な命綱のようなものだと概念的にとらえているので、会計士試験に合格することは人生の自由度を高めることだと思う。命綱をつけた上で、リスクのある環境に飛び込むかそうしないかは人生観やリスク選好度の問題なのでどちらが良いということではない。監査法人に入所し、そのままキャリアの最後まで務め上げるようとすることもリスクなら、退所して事業会社に入ることもリスク、そもそも監査法人に入らないことも専門家としてはリスクになり得るだろう。どの選択にもリスクはつきまとうが、「自分にあったリスクを選べること」が国家資格の最大のリターンだと思っているので、なるべくこの権利はたくさん行使した方が人生は楽しくなると思っている。

人生の目的という大上段のテーマに対する回答になっているかはわからないが、個人的には1年後・3年後・10年後のなんとなくの人生の予想がすべて外れてほしいと思っている。もちろん劇的に不幸になっていると困るが、少なくとも10年前にいまの状況はまったく予想できていなかったので、これくらいのズレが今後も続くといいなという感覚だ。日常の安定を最低限キープしつつ、不安定やボラティリティの種をどれだけ多く仕掛けられるか、その一方でやりたくないことはやらないと言える立場をどこまで通せるか、その両立がテーマのような気がする。人生の残り時間がどれだけあるかわからないので、どこで終わったとしても、やり残しはあっても「やってみればよかった」の心残りはないようにしたい。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

ありがたいことに会計士としてやりたいことは大半やらせて頂いたという思いがあるので、まったく新しいなにかをこれから成し遂げたいという強烈な願望はない。M&Aの世界は少しだけプロスポーツの世界にも似ていて、今年パフォーマンスがよくても来年それがキープできることの保証がないので、そもそもあまり先のことを考えても意味がないということもある。また、新規でなにか始めるとしても、基本は既にあるビジネスモデルをどのような形で自分たちのキャリアと好みにフィットさせるかという工夫がメインになるので、「まだ世の中にない価値を」というような大上段の命題をセットすることもないだろう。

ただ、個人的にはテクノロジーの進化にはそれなりにアンテナを張っているつもりなので、会計士には関係ないかもしれないテクノロジーの起こりを強引にこちらのフィールドに結びつけるような試みは常にやってみたいと思っている。最近でいえばRPA(ロボットによる業務自動化)などは割と興味がある領域だ。人の専門性や能力は掛け算で測られるべきだと思っているので、会計士としての評価値が10点満点で7~8点だとしても、これに何か別のナレッジが少しでも入れば、掛け算した結果は会計士としての満点を超える可能性がある。その意味では自分のスキルセットを陳腐化させないために、掛け算につかえそうな何かは常に探すような好奇心を持っていたい。

夢というほどのことではないが、「まだ世の中にない価値を」という大上段の命題を自分自身でセットすることが出来ないことの反動として、これが出来る人には無条件の敬意を抱いているため、これから先ずっと起業家たちから必要とされる存在でありたいと思っている。士業は元々が参謀職としての色合いが強いため、現代の戦国大名たるCEOやファウンダーから必要とされることは職業上の大きな名誉の一つだ。ただ、こちらがどれだけ支えたいと思っていても、実力不足や時代遅れでは「いらない」の一言で突き返されてしまう。支えるプロであり続けるのも楽ではないが、幸いなことに今はまだぎりぎりその水準のバリュー提供ができているように感じているので、このまま起業家支援のスキルやネットワークを深化させるアクションは取り続けたいと思う。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

会計士の中ではかなりのはぐれものだと思っているので偉そうなことは言えないが、会計士受験生へのメッセージということであれば、合格に必要な数千時間を会計士試験に費やすべきかどうかは、改めて費用対効果を考えてみた方がよいと思う。もしかしたら、その時間をAIの勉強やさらにその先を見越した新しい知識・経験のインプットに使った方が人生の自由度は上がるかもしれない。文系だから理系だからというのはあまりキャリア選択には関係ないだろう。資格試験は構造的に人生の機会損失を生み出してしまうので、その先のキャリアパスにおいてどのような形で回収できるかを考えて、回収の見込がないのであればそもそもキャリアの選択肢を代えることも視野に入れた方がよいと思う。

その上で会計士になると決めたのであれば、これから大変な時代を迎えるのは間違いない。ただ、業界自体がテクノロジーの進化によって簡単に埋没することはないと思う。メディアが良く使う「あと10年で無くなる仕事」におとなしく収納されるほど会計士の先達はやわではない。もがき苦しみ何とか打開策をみつけて、会計士の新しいモデルをつくりあげていくのだろう。そういう意味では、会計士のあり方そのものが変わるダイナミックなフェーズを迎える入り口に立っているともいえるので、変化を恐れず、リスクをチャンスと捉えられるようなフロンティア精神をもつ方にぜひこの業界に入ってきていただければと思う。

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