新地皓貴(しんちひろき) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社HiLO Stories

代表取締役

新地 皓貴 しんち ひろき

みんなが"らしく"生きている世界をめざして。心との向き合い方という切り口で、ヒト・組織のサポートを実践
編集者タイプ
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30代
千葉県出身 ・ 埼玉県在住
慶應義塾大学 商学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

繊細さと素直さを生かして心のプロになりたい

私の一番の強みは、繊細で素直なところです。一見弱みにもなりかねない性質だと思いますが、これから心との向き合い方についてプロを目指す上では、大切にしたい特性だと考えています。
少し心について概要をお話したいのですが、ヒトの心は、前向きな自分、めんどくさがりな自分、弱気な自分など、様々な自分が構成するチームだと思うと良いです。色々な人が存在することで出来上がっている会社や学校などの組織と同じようなものですね。様々な自分が居て、初めて自分という人間の心が出来上がる、心の構造はそうなっています。
ここで、こういう具体例を考えてみましょう。朝目覚めて、今日は大事な仕事があることを思い出したときに、前向きな自分(A)を取り出してきて、「よし!大変だけどチャンスだし頑張ろうー!」と思おうとしたときに、めんどくさがりな自分(B)が「いいじゃん、めんどくさいし適当に済まそう~」と言ってきたり、弱気な自分(C)が「いやあもう緊張がやばい・・・ミスしたらどうするんだよ・・・」と言ったりして、(A)の気持ちになろうとする自分を邪魔しようとしたとします。このとき、もし、(B)や(C)をバッサリ否定したらどうなるでしょうか。会社の会議で考えるとわかりやすいかもしれません。会議で(B)や(C)に対して「お前は間違っている!」と頭ごなしに否定したらどうなるでしょうか。(B)も(C)も否定されたと思って怒りますよね?反発しますよね?そして、余計に自分の意見を強く主張するか、本当は重要で意味のある事を考えていても怒って何も発言しなくなりますよね?そうなると、会議が不健全になり、やがては組織そのものに悪影響を与えていきます。実は、心の中でも同じ事が起きるのです。
心が、色々な感情で構成された1つのチームであるという前提に立つと、そのチームが健全であるためには、様々な自分が居ることを認める、一人一人の存在を承認する、という意識が非常に重要になってきます。これが心を扱う第一歩だと、これまでの学びで私は気づきました。それを自身の心の中で実践する上で、あるいは、ヒトや組織をサポートする上で、小さな感情の動きを敏感に感じ取れる繊細さと、その存在をそのまま受け入れる素直さが、生きてくるのではないかと考えています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

一緒に頑張ってきた仲間の退職で大泣き

 印象に残っているのは、IPOの準備中にコーポレート部門の同僚が辞めたときですね。その人は、昔から前職の管理機能全般を担当していた子で、私の相棒のような感じでした。CFOや法務担当の弁護士と一緒に、彼とも深夜・休日問わず頑張っていたんです。しかし当時はコーポレート部門のメンバーもCFO以外は経験も知識も浅くて、なかなか過酷だったんですよね。まだ課題が片付いてないのに、新しい問題が次から次へ起こる、みたいな。そんな状況の中で、彼は外部へ夢を見出して退職することに。これはなんというか、本当に悲しくて。なぜ頑張っていた彼が、意識を外部に向けざるを得なかったのだろう、会社は、上司は、何かできなかったのだろうか、と、当時すごく不満に思ってしまいました。それをCFOとの個別面談でぶつけて、思わず号泣。翌日から体調を崩し3日間寝込むというクズっぷりを発揮してしまいました笑。今思えば、私はなんて甘ちゃんだったのだろうと思うのですが、それくらい当時は私も辛かったのは事実だし、それと同時に、その感情を爆発させてくれた、否定せず受け入れてくれた、会社、特にCFOには一生頭が上がらないです。

オープンハートでつながる仲間ができた

 そのように、非常に濃厚なIPO経験をさせてもらったのですが、今は当時の正社員メンバーのうち、CFO以外は会社を離れて、それぞれ別の道を歩んでいます。法務担当だった弁護士は、弁護士を辞めて岡山県で自治体でのICOにチャレンジしたり、コノテという会社を立ち上げたり、と面白い活動をたくさんしています。そして先日、その元法務担当とCFOとご飯を食べる機会がありました。そこでは、当時の思い出話をしながら、そのとき本当に思っていた事、感じていた事をシェアし合う感じに。最後は、「〇〇さん(CFO)のおかげであそこを乗り越えることができたと本当に思っています・・・」「いやいや、むしろ二人のおかげだよ・・・」みたいに、お互い感謝を言い合う場になりました。このときはとても感動したし、今も話していて泣きそうになります。もちろん、そのとき居合わせた3人だけではなく、あの局面を一緒に乗り越えた、あるいは、乗り越えるサポートをしてくれたメンバーというのは、私にとって一番の財産です。ちょっとやそっとのことでは彼らを嫌いになることはないでしょう。
だいぶ私の中で美化されているかもしれませんが笑、「本当の意味での絆とか愛とか、そういうのはこうして築くのかもしれないな」と思える経験ができたことは、本当にありがたいことだと思います。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

本当に会計士という仕事で良かったのか

正直に申し上げると、会計士という仕事を選択したこと自体に悩んでいた時期がありました。
私が会計士を目指した理由、試験勉強を始めた理由は、高尚な考えがあったわけではなく、何か高い目標が欲しかったから、でした。大学受験を終えて、なんとなくサークル活動をしながら、なんとなくアルバイトをして、なんとなく一人暮らしの友人宅でオールして、そんな感じで大学生活をスタートして、それ自体は楽しかったのですが、何か常に物足りなさと焦りがありました。それに追い打ちをかける形で、先輩達が就職活動で苦労しているのを目の当たりにして、「このままではヤバイ・・・」、と思って、勉強を始めたのです。
合格を目指して勉強している間は良かったです。「ちゃんと目標に向かっている自分」に満足していました。問題は合格した後でした。恥ずかしながら、そもそも自分が社会でやりたいこと、自分が他の人より得意なことや興味のあること、は全然理解していなかったし、それに沿って職業を選ぶなんて頭に全くなかったのです。そんな状況で働き始めました。
お給料を貰っているわけですし、1つ1つの仕事は真面目に取り組みました。その中で、仕事に面白さを感じたことももちろんあります。ただ、会計士の仕事を心から楽しんでいる自分はいない。何かが足りない。本当に自分は会計士という仕事がしたかったのか。他にやりたいことがあったんじゃないか。そんな想いにかられながら、悶々と過ごしていました。その気持ちは、前職のITベンチャーでIPOを経験する頃まで続いていたと思います。

IPOをやりきったことで得た自信とワクワク感

前職のITベンチャーでIPOを経験したことで、心から好きとまでいえない仕事でも自分はそこそこ頑張れるんだなという自信がつきました。また、IPO経験から、心との向き合い方に興味を持ち、無心で勉強している自分がいることにも気づきました。「そうだ、俺は昔から、心とか感情とかスピリチュアルとか、そういう精神的で感覚的なものにすごい興味があったし、今は余計にその重要性に気づいているな。これらの事を考えているとき、めちゃくちゃワクワクする!」という風に、初めて魂を込められそうなものの存在に気づいたんですね。
それからのキャリア選択はこれまで申し上げた通りです。目の前の仕事をとりあえず頑張ってみる、好きじゃない事でも苦手な事でも完了感が出るまでやってみる、そのようにして、会計士という仕事をしている自分自身への疑念を、自分に対する自信と本当に好きなものへの気づきに変えることができたと今は思っています。

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